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人権

1. 基本的な考え方

JSRグループでは、マテリアリティ(重要課題)の一つに「人権尊重」を掲げています。

人権についての理解を深め、正しい行動を取ることは、グループ全体で推進するべき重要な課題です。国連「ビジネスと人権に関する指導原則」、「世界人権宣言」、国連「グローバル・コンパクト」などの国際規範に則り、「JSRグループ人権方針」を制定して、すべての事業活動において、人権尊重の責任を果たすよう取り組みを進めます。

2. 推進体制

JSRグループでは、総務担当役員を委員長とし、総務部が事務局を務める企業倫理委員会が、人権の尊重と保障に関する取り組みの推進を担っています。

企業倫理委員会では取り組みの推進計画を策定し、実行、進捗状況を確認しています。企業倫理委員会での実行状況は、サステナビリティ推進会議を経て、取締役会に報告されます。

3.JSRグループ人権方針

JSRグループは、2021年9月に制定した「JSRグループ人権方針」に基づき、事業活動を行っています。国連「ビジネスと人権に関する指導原則」が示す通り、企業には人権を尊重する責任があります。その責任を果たすうえで、礎となる方針は重要であり、JSRグループに関わるすべての人が方針を理解することが必要です。

JSRグループ人権方針は、国連「ビジネスと人権に関する指導原則」や日本政府が策定した「国別行動計画」を踏まえ、またグローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパンのヒューマンライツ・デュー・ディリジェンス分科会で得られた知見も参考に検討しました。国内外の関係部門やグループ企業によるレビューを経て、代表取締役社長を議長とするサステナビリティ推進会議での承認を経て、2021年9月、制定に至りました。

JSRグループ社員一人ひとりが人権方針を理解できるよう、社内イントラネットで周知するほか、社内報への特集記事の掲載なども行っています。また、人権デュー・ディリジェンスの導入に向けた検討も進めています。

JSRグループ人権方針(2021年9月策定)

4.人権に関する課題への対応

(1)グローバルなイニシアティブへの参画

JSRグループは国連が提唱する「グローバル・コンパクト」に賛同し署名しています。そして、人権に関する知見を得ることなどを目的に、グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパンが提供する分科会活動にも積極的に参画しています。

同団体のヒューマンライツ・デュー・ディリジェンス分科会に参画し、ワークショップの受講やグループワーク活動などを通じて情報を収集し、社内に展開しています。また、グループワーク活動では人権方針グループに参画し、各企業との協働により「私たちが考える人権方針のあるべき骨格とは」というテーマで、新たに人権方針を制定する際のモデルケースを発表しました。「JSRグループ人権方針」の制定にあたっては、こうした活動で得られた知見も活用されています。

また、今後はグループ全体に方針の理解を促し、浸透させていくことが必要だと考え、2021年度からは人権教育分科会にも参画しています。この分科会活動で得られた知見を、人権に関するイーラーニングの実施などに活用しています。

(2)サプライチェーンにおける人権の尊重

JSRグループは、自社グループ内に留まらず、サプライチェーン全体で人権尊重の取り組みを推進することが重要であると考えています。これを実践するために、調達取引先向けのアンケート調査項目を2017年に改訂したほか、2018年に制定した「JSRグループCSR調達方針」においても、人権尊重に関連する項目を盛り込んでいます。

また、「JSRグループ人権方針」において、サプライチェーン上の取引先に対しても、本方針を支持し、同様の方針を採用するように継続して働き掛けを行う旨を明記しました。

上記の両方針に記載したJSRグループの考え方は、国際社会が企業に求めていることを代弁したものでもあると認識しています。JSRグループは、こうした考え方を取引先とも共有したいと考え、グループの主要なサプライヤーに両方針を通達し、方針の趣旨に賛同する旨を記載した「賛同書」を回収する取り組みを2022年度に実施しました。回収率100%を目標として設定し、グループ全体で取り組んでいます。2022年度の回収率は90%です。

今後も、サプライチェーン上の取引先との連携を強化し、人権尊重の取り組みを深化させるべく、必要な対応を行っていきます。

(3)人権尊重を推進するための取り組み

JSRグループは、人権侵害に相当するハラスメントなどの被害を受けた社員を救済するため、従業員向けホットラインである「企業倫理ホットライン」を設けています。また、定期的な取引関係にあるお取引先様向けにも通報制度「JSRグループ取引先企業ホットライン」を設け、企業倫理違反が疑われる事例の早期発見に努めています。

いずれのホットラインにおいても、通報の秘密厳守と通報者の不利益となる取り扱い禁止を徹底し、信頼度の向上に努めています。また、被害に遭われた方がいる場合には、その救済と是正に取り組みます。

また、JSRグループが人権尊重に関する責任を果たすためには、グループの社員一人ひとりが人権に対する理解を深める必要があります。こうした考えのもと、人権に関するイーラーニングを継続的に実施し、社員が人権に関する知識を体系的に習得することを目指していきます。

2022年度には第一弾として、CRTジャパン(経済人コー円卓会議日本委員会)提供のイーラーニングコンテンツを活用し、人権に関する基本知識と「JSRグループ人権方針」の概要を学べるイーラーニング講座を実施しました。

当該講座は今後も実施していく予定で、グローバルでの受講率80%以上を目標として設定しています。2022年度の受講率は全体では82%と目標をクリアしていますが、実施した各拠点間では結果にバラつきがありました。受講率が低い拠点については、部署や役職によって偏りがないかなど未受講者の特性分析を行い、受講率の向上に向けて改善策を講じていきます。