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事業活動を通じた社会への価値提供

地球環境保全への貢献顧客の環境負荷を低減する製品の開発

ディスプレイ材料で
省エネ・省資源化に貢献

低温材料で焼成温度を下げ製造プロセスのエネルギー消費を抑制

従来、液晶ディスプレイ材料の開発においては、輝度(明るさ)や表示応答速度の向上といったディスプレイパネルそのものの省電力化を目的とした技術開発が中心でしたが、当社はディスプレイパネルの製造工程における環境負荷低減を目指し、低温材料の開発に取り組んできました。
当社の開発した低温材料は、従来の230℃焼成を150℃まで下げることができ、性能は従来と変わらない材料設計になっており、この材料を用いることで、ディスプレイパネル製造において約10%のエネルギー消費抑制につながるとされています。今後、この低温材料のさらなる普及に努め、より豊かな社会作りと省電力化に貢献していきます。

配向膜のリサイクル事業を立ち上げ

配向膜は液晶ディスプレイにおける液晶挙動の制御に用いられる重要な材料の一つです。当社は、長きに渡り配向膜の開発・販売におけるリーディング企業として、液晶ディスプレイの進化を支えてきました。
ディスプレイの配向膜を形成する過程で発生する化学材料の使用残や使用済み廃液は、運搬や保管時に漏洩するリスクがあるだけでなく、廃棄処理する際も取り扱いに細心の注意が必要です。そこで、当社はお客様の効率的な材料使用を支援し、環境負荷を低減するため、配向膜のリサイクル事業を立ち上げました。これまでに蓄積した配向膜材料への深い知見をもとにしてリサイクルした材料を広く提供することで、環境負荷低減と顧客満足度の向上に取り組んでいきます。

リサイクルプロセス

自動車プラスチック素材の
資源循環に向けて

「VIVILLOY®」で自動車部材の塗装レス化・リサイクル促進を目指す

高発色高耐候性材料VIVILLOY®は、耐候性材料(DIALAC®シリーズ)やアロイ製品(他樹脂との複合材料)のグローバルでの長年にわたる販売・供給実績で培った独自のポリマー開発技術をもとに開発した、無塗装でも高発色を発現する材料です。
VIVILLOY®は、塗装工程の省略によるコストダウンだけでなく、省エネルギー化や作業効率の改善にも貢献します。また、JSRグループではOA機器用途でお客様と協力してプラスチック部材のクローズドリサイクルを実施しており、この知見を活かして、自動車の無塗装部材のリサイクルも検討していきます。

リサイクルプロセス

リサイクルプロセス
テクノUMG株式会社

用途例

ラジェーターグリル
ラジェーターグリル
ドアミラーカバー
ドアミラーカバー

塗装レスで温室効果ガス排出量を40%以上も低減、
リサイクル性の高い部材で地球環境保全に貢献

プラスチックやABS樹脂などの自動車外装品に使用される材料は、過酷な環境下でも美観と機能を保つため、めっきや塗装といった二次加工が行われます。しかし、この工程には多大なコストがかかるうえ、温室効果ガスの排出量が多いことも問題になっています。

この問題解決に貢献するのが、VIVILLOY®です。外装品に必要な耐候性、耐傷付き性に優れていることに加え、発色性が塗装並みであることから、二次加工の必要はありません。そのため、VIVILLOY®への材料変更で、コストは30%程度、温室効果ガス排出量は40%以上も低減が期待できます。さらに、材料をリサイクルする場合も従来品は塗膜の剥離が必要になりますが、VIVILLOY®は不要です。しかも、高耐久性で長期の使用後もバージン材と同等の性能を保持し、リサイクル性に優れていることが証明されています。

こうした特長により、『無塗装高発色材といえばVIVILLOY®』と自動車だけでなくOA機器などの幅広い分野で認知され、採用が加速するように体制の整備を進めています。当社の研究所ではポリマー設計を見直して発色性をさらに向上させた新製品を開発しており、2024年度内に上市予定です。今後、EVや自動運転といった新領域のニーズや市場性などを精査し、VIVILLOY®の機能強化はもちろん、新たな高機能製品の開発や安定供給の仕組みの構築も進めていきます。さらに、海外現地法人との連携も強化し海外展開を図ることで、地球環境保全に広く、深く貢献していきたいと考えています。

左から、
テクノUMG株式会社
研究開発本部H.A.
テクノUMG株式会社
研究開発本部K.H.
テクノUMG株式会社
営業本部Y.S.
無塗装化によるGHG削減効果
無塗装化によるGHG削減効果

※ GHG削減効果の算定には、データベース等から引用したGHG排出原単位を用いています。