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サプライチェーンマネジメント

推進体制

JSRグループではデジタルソリューション、合成樹脂、ライフサイエンスの3事業を展開しており、事業特性に応じた調達を実現するため、事業ごとに調達物流を担う部門を設置し、サステナブルサプライチェーンの構築を進めています。

方針/基本的な考え方

1.JSRグループ購買指針

JSRグループは、「JSRグループ購買指針」に基づき、公正・透明で開かれた調達、経済合理性に基づく選定、法令とその精神の遵守、高い倫理、情報管理と知的財産の尊重、安全・人権・資源保護・環境保全・生物多様性に配慮したサステナブル調達を推進します。

2.JSRグループCSR調達方針

JSRグループは、サプライチェーンの持続可能性が当社とお取引先様の相互繁栄につながると考え「JSRグループCSR調達方針」を制定しました。CSR調達方針は、JSRグループの全拠点において、6分野(36項目)の遵守を定めています。さらに同方針の遵守をすべてのお取引先様に求めています。主な分野は以下の通りです。

  • CSR推進体制の整備
  • 公正な事業活動
  • 人権・労働の尊重
  • 環境の保全
  • 安全衛生の確保
  • 情報セキュリティ

この方針は社会や規制の変化に応じ、適宜見直します。
原文は下記をご確認ください。

取り組み

1.お取引先様の評価

JSR株式会社では、新規取引開始時はもとより、継続的に取引のあるお取引先様についても、当社の調達評価基準への適合状況を定期的に確認しています。新規取引の候補先については、財務状況や品質管理レベル等を評価するとともに、取引開始前に安全・環境・品質に関する実地監査を実施します。継続取引のあるお取引先様に対しても、新規取引時と同様の基準で適宜再評価を行います。特に供給性が低い、希少性が高いなど有事の調達難易度が高い重要原料に関しては、定期監査を実施し、供給継続性に関わる事項の実地確認や品質安定化に向けた提案・改善を行っています。

2.CSR調達アンケート

JSR株式会社では2010年度からCSR調達に取り組み、2013年度までに購買金額の約99%を占めるお取引先様を対象としたCSR調達アンケート初回調査を完了しました。その後、サプライチェーンのグローバル化に伴うリスク(強制労働・児童労働、環境破壊、汚職等)を踏まえ、2017年度にアンケートを刷新し、改訂版によるお取引先様へのアンケート調査を2022年度に完了しました。結果はお取引先様にフィードバックしています。また、品質監査のタイミングで必要に応じて、再アンケートの実施やアドバイス等の支援を行っています。

3.JSRグループのCSR調達方針および人権方針への賛同書

JSRグループではCSR調達方針および人権方針の趣旨を確実に共有するため、お取引先様にこれら方針に対する賛同書の提出をお願いしています。2022年度末時点の回収率は90%であり、回収率が相対的に低い海外拠点のお取引先様に対しては、提出をいただけるように働きかけ、継続的に回収率向上に努めています。

4.責任ある鉱物調達への対応

JSRグループは、OECDデューディリジェンス・ガイダンスおよびRMIの枠組みに基づき、人権侵害等に関与する可能性の高い鉱物(スズ、タンタル、タングステン、金、コバルト、マイカ)の不使用を確認する取り組みを継続しています。RMIのCMRT(3TG)およびEMRT(コバルト、マイカ)を用いて、該当するお取引先様から情報を回収し、RMAP準拠等の責任ある製錬所経由での調達であることを確認します。JSRグループで2022年度は88%まで回収し、回答いただいたお取引先様において対象鉱物の不使用、もしくは問題のない製錬所から調達していることを確認しました。回収に協力いただけていない一部のお取引先様に関しても、引き続き本取り組みの趣旨をご理解いただき、回答をいただけるように働きかけ、継続的に回収率向上に努めています。

5.グリーン調達(原材料)

JSRグループは化学物質による人の健康や環境へのリスクを最小化するため、サプライチェーンを通じた化学物質管理を目指しています*1。このうち原材料の調達の観点で、2000年にグリーン調達ガイドラインを制定し、環境負荷の少ない原材料を優先的に購入するグリーン調達に取り組んできました。さらに、2008年には、化学物質をサプライチェーンで管理すべきとする業界の動きに合わせて、アーティクルマネージメント推進協議会(JAMP)*2に加入し、管理フォーマットJAMP MSDSplusに対応しました。2018年からはchemSHERPA(経済産業省主導で策定された新たな化学物質情報伝達フォーマット)へ対応するためガイドラインを改訂し、最新の有害物質リストに基づくグリーン調達を継続しています。今後もサプライチェーンでの化学物質のリスク管理を効果的に実施するため、お取引先様との情報伝達を重視したグリーン調達に積極的に取り組んでいきます。

  1. *1化学物質管理
  2. *2アーティクルマネージメント推進協議会(JAMP):アーティクル(部品や成形品などの別称)が含有する化学物質などの情報を適切に管理し、サプライチェーンの中で円滑に開示・伝達するための具体的なしくみをつくり普及させることを目的として、2006年9月に業界横断の活動推進主体として発足。JSRグループはJAMPへの参加を通じて、その理念の実現に資する活動を推進します。

6.グリーン購入(事務機器・備品類)

JSRグループでは製品原材料のグリーン調達とは区別し、製造に直接関係しない事務機器・備品類の購入においても環境配慮を徹底しています。日本国内では「グリーン購入法」の最新の基本方針を参考に、省エネ性やリサイクル率の高い製品を優先して購入しています。2024年度の国内事業所におけるグリーン購入率は89%(購入金額76,744千円のうち68,057千円)でした。今後も高水準の維持・向上に努めます。