労働安全・保安防災
推進体制
JSRグループでは、サステナビリティ推進会議のもとに環境安全品質委員会を設置し、グループの安全方針策定と活動推進を行っています。同委員会は環境安全品質担当役員が委員長を務めます。環境安全品質委員会の下に安全統括会議および各事業所の推進委員会を設け、全社・事業所ごとの安全活動を推進しています。
方針/基本的な考え方
JSRグループは、各社・各事業所において安全マネジメントシステム(OHSMS)を整備し、ISO 45001の枠組みを参考に運用しています。一部の生産・開発拠点ではISO 45001の認証を取得しています。認証の取得状況はESGデータブックをご参照ください。
JSR株式会社では安全の基本理念、理念に基づいた基本方針、これらを実現させる行動指針の3つを制定しています。基本理念では、決して変わることのない安全の考え方や価値観を定義しています。また基本方針では、安全活動の方向性や目標を、行動指針では私達が行動すべき基準や指針を定めています。
安全の基本理念
「安全」は、我々にとって、何よりも優先すべき大切な価値であり、全ての活動の基盤です。
日々の仕事を終え、無事に帰るという、当たり前の幸せのために、安全・安心な職場作りと心身の健康作りに努めます。
安全の基本方針
- 高い安全行動
安全の基本理念が浸透、行動指針が自分事として定着し、主体的安全活動により、保安力が向上している。 - 人財・組織力の強化
組織運営に必要な教育訓練プログラムの確立、実行により、高い個人スキルと組織能力、健全な組織風土を維持している。 - 最適なリスク管理と保安対策
リスク重要度に応じた保安対策が、新技術を活用して効率的、効果的に実行されている。
安全の行動指針
- どのような状況下でも、常に安全を意識して行動する。
- 決められたルールを遵守し、安全行動を率先する。
- 顕在または潜在するリスクの把握と低減に努め、安全を確保する。
- 働きやすい職場環境作り、心身の健康増進に努める。
- コミュニケーションと創意工夫で全員参画の活動を目指す。
JSRグループでは各社の安全に関する理念・方針に加えて、グループ全体の安全レベル向上を目指し、「JSRグループ共通の安全の考え方」を2023年に策定しています。この中で「安全はリスクが受け入れ可能なレベルにある状態であり、安全基盤と安全文化に支えられる」と定義しています。この考えに則り、JSRグループ各社・事業所の安全基盤と安全文化の評価を順次進め、改善活動へのフィードバックを進めています。
指標と目標
JSRグループは、「労働災害の発生件数」と「設備災害の発生件数」を安全の評価指標(KPI)として、設定しています。
| 目標 | 休業4日以上につながった労働災害件数2件以下。重大設備災害0件。 |
|---|
| 実績 | |||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 指標 | 集計対象拠点 | 単位 | 2020年度 | 2021年度 | 2022年度 | 2023年度 | 2024年度 |
| 労働災害の発生件数*1 | JSRグループ | 人 | 4 | 3 | 4 | 4 | 4 |
| 設備災害の発生件数*2,3 | JSR株式会社 | 件 | 9 | 1 | 0 | 0 | 0 |
*1 休業4日以上につながった労働災害
*2 爆発・火災・漏洩、および行政が事故と認めたものの内、下記いずれかが発生したもの
・従業員や地域住民の方々への健康被害を発生させる事故・災害
・ 被害想定額が1億円を超える事故・災害
・一部のプラントが1か月以上停止、もしくは工場全体が1週間以上停止する事故・災害
*3 ~2021年 石災法「異常現象」の定義に基づく
2022年より、報告・評価基準をグローバルに統一
取り組み
1.JSRグループ共通の安全の考え方の浸透
e-learningを通して、JSRグループ共通の安全の考え方の浸透を図っています。2023年度は国内拠点を中心に展開し、2024年度は対象を海外拠点へ拡大して実施しました。
| 年度 | 対象拠点 | 受講率 | 正答率 |
|---|---|---|---|
| 2023 | 国内(一部海外含む) | 89% | 89% |
| 2024 | 海外34拠点 | 82% | 87% |
2.安全レベル評価の構築と活用
JSRグループでは各社・拠点の安全レベルを可視化し、傾向や課題を把握して改善につなげるため、2023年度からアンケートに基づく「安全基盤・安全文化」の評価システムを構築しました。さらに、2024年度は、従来の環境安全監査にも同様の指標を適用し、安全レベル評価結果と現場実態の整合性を確認しています。
3.設備・労働災害情報の一元管理
JSRグループでは、各社・拠点で発生した設備・労働災害情報の一元管理・評価を行っています。さらに、一定の基準を超える災害については、JSR株式会社本社から発災拠点への指導強化ならびに、全社的な水平展開を行っています。このような活動を通して、同様災害の発生予防を進めています。
4.JSR安全の日
JSRグループは毎年7月に「JSR安全の日」を設け、グループ一丸となって過去の重大災害を振り返り、安全の大切さを再認識するとともに、二度とこのような悲惨な事故を起こしてはならないと決意を新たにする機会としています。
2024年度は7月23日にJSR株式会社四日市工場で開催した「JSR安全の日」の行事の模様をグループ各社に向けてオンラインで同時配信しました。当該行事は式典と環境安全活動フォーラムの2部構成で実施し、式典では社長訓示、安全の基本理念の紹介、全社安全活動の紹介を行いました。安全衛生活動フォーラムではグループ各社の優れた取組みの発表がありました。これらの内容は後日Web配信でも行い、当日参加できなかった方にも見ていただけるよう工夫しています。
<安全衛生活動フォーラム 2024年度 発表テーマ>
- JSRグループの安全への適応
- ARTONプラントにおける危険作業撲滅に向けた改善活動
- 環境遵法確認の徹底に向けた社内教育の充実

