製品の品質と安全
推進体制
環境安全品質担当役員を委員長とする環境安全品質委員会がJSRグループの品質に関する全社方針・全社計画を策定し、活動実績を評価、情報開示について審議します。環境安全品質委員会の詳細については、下記を参照ください。
方針/基本的な考え方
JSRグループは、顧客が望むもの(よい製品やサービス)を提供し続けていくこと(顧客満足)を目的とし、経営方針の中でも顧客満足の持続的な向上を掲げています。お客様のニーズに合った「革新素材」「良い製品」を提供し、より良い社会の実現に貢献していくことは、当社の重要な役割であると考えています。今後もグローバル、かつ広範な分野への事業展開、ならびに、それに伴うサプライチェーンの多様化やお客様のニーズの高度化などの観点から、品質向上への持続的な取り組みを行っていきます。
取り組み
1.品質マネジメントシステム
JSRグループでは、主たる工場・事業所において、品質マネジメントシステムの国際規格であるISO9001認証を取得しています。
品質マネジメントシステム認証取得状況(2025年9月時点)はESGデータブックをご確認ください。
2.品質ガイドライン
JSRは、設計・開発、購買、生産、販売における品質管理の基本的な考え方をグループ全体で共有し、品質管理に関する考え方に大きなばらつきが生じないよう努めています。そのために、JSRグループの品質管理の指針となる「品質ガイドライン」を制定し、運用しています。
品質ガイドラインの主な項目
- 事業化検討会
- 設計におけるデザインレビュー*1
- 製造・工程管理
- 品質異常対応
*1 デザインレビュー:新製品の設計・開発時において、顧客要求品質を満たせるかどうかを、関係する複数の部門間で評価する仕組み
3.品質の確保
JSRグループでは、設計・開発、製造、品質保証の各段階において、品質管理手法を用いて品質の検証を実施しています。各段階に潜む品質リスクを事前に取り除くことで、お客様の求める品質を満たす製品を量産化しています。
品質管理手法の例
- QFD(品質機能展開*2)による製品製造時の品質管理
- FMEA(潜在的故障モード影響解析*3)による新製品の製造開始時や製造工程変更時の事前リスク把握
*2 QFD(Quality Function Deployment):提供する製品の設計品質を製造工程にも展開し、品質保証を可能とすることを目的とした設計アプローチ方法
*3 FMEA(Failure Mode and Effect Analysis):設計、プロセス開発および製造の段階で異常が発生した場合のリスクを推定し、取るべき対策の優先順位をつける手法
4.製造物責任予防(PLP)
(1)PLP基本理念
JSRは、人間尊重の立場に立ち、次のPLP基本理念に基づいて事業活動を行います。
- 社会的使命:
- 供給する製品の安全性を追求し、製品利用者の安全と健康を確保することは、企業の社会的使命である。
- 顧客の信頼:
- PLPを着実に実行し安全な製品を供給し続ける活動は、顧客の信頼につながる。
- 未然防止:
- PLPの要点は、製品事故が発生しないように未然防止を徹底することである。
- 全社的活動:
- PLP活動は、関係部門が協力し、当社の総合力をもって実行する。
制定日1994年4月1日
(2)PLP活動
JSRは「PLP基準」を制定し、この基準のもとで製品安全に取り組んでいます。設計・開発、製造、販売での基準を定め、PL事故を未然防止するPLP活動を続けています。
PLPチェックシートの活用例
PLPチェックシートを使用して、新しく市場に出す製品について設計段階から多面的に製品の安全性をチェックし、部門長の承認を得た後で事業化するシステムを構築しています。
PLP教育
製造物責任法、当社のPLP体制、PL事故の未然防止などのPLPに関する教育を定期的に実施し、社員のPLPに対する知識・意識を向上させています。
5.品質マネジメントレビュー
JSRグループのISO認証取得事業所では、工場長や経営層による品質マネジメントレビューを毎年行っています。また、品質監査においては、品質マネジメントシステムにおける品質管理の仕組みや活動を確認し、PDCAサイクル*4を回しています。
品質活動フォーラムでの主な報告内容
- 顧客満足度調査の結果報告
- 品質改善活動に関する発表および表彰
*4 PDCAサイクル:P(計画)→D(実行)→C(評価)→A(改善)の4段階を繰り返し、業務を改善する方法
6.品質教育
JSRグループでは、品質管理やPLPに関する研修を、社員の階層別に実施しています。また、いつでも品質教育資料にアクセスできるように、品質教育資料・動画を掲載したイントラサイトを設けています。これらの品質教育を通じて、全社の品質レベルの向上および品質に対する意識改革を図っています。
品質教育事例
- コミュニケーション研修(e-learning, 集合研修)
- コンプライアンス教育(e-learning)

