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廃棄物削減

推進体制

JSRグループは、レスポンシブル・ケアの考え方に基づき、 廃棄物削減を重要な課題と考え、3R(Reduce、Reuse、Recycle) に取り組むための推進体制を整備しています。この取り組みの中核を担う環境安全品質委員会は、環境安全品質担当役員が委員長を務め、本委員会の決定事項は、CEO兼社長が議長を務めるサステナビリティ推進会議にも報告されます。

さらに、本委員会の決定事項は各事業所に展開され、具体的なRC推進活動を実践しています。活動状況は、本委員会事務局の本社環境安全部門が、定期的に環境安全統括会議や本社環境安全監査などを利用して確認しています。

方針/基本的な考え方

JSRグループは、化学製品を製造する企業として、社会が直面する海洋プラスチック問題への対応を当社の最重要課題の一つと捉え、循環型社会の実現に貢献することが私たちの務めと認識しています。

廃棄物の3R(Reduce、Reuse、Recycle)などの取り組みをはじめ、原料調達、製品製造の段階からライフサイクルを通した資源の効率的な使用(サーキュラーエコノミー)を推進し、事業活動を通じて顧客に貢献するとともに、関連するSDGsの達成にも寄与します。

指標と目標

1. 廃棄物の外部最終埋立率

JSRグループは、2021年度に、マテリアリティ評価指標(KPI)を設定しました。経営基盤におけるマテリアリティの「環境保全・負荷低減」では、「最終埋め立て量」をKPIとしています。
また、「廃棄物の外部最終埋立処分量を廃棄物発生量の0.1%以下にする」ことを毎年の目標として定め、2024年度も目標を達成しています。

目標 外部最終埋立率:廃棄物発生量の0.1%以下
  実績
指標 集計対象拠点 単位 2022年度 2023年度 2024年度
外部最終埋立量 JSRグループ トン 5 4 3
外部最終埋立率 JSR株式会社および
国内グループ企業
≦0.1 ≦0.1 ≦0.1

2.産業廃棄物発生量及びリサイクル率

2024年度の産業廃棄物発生量は10千トン(前年度比11%減)、リサイクル率は94%でした。
産業廃棄物発生量は製品生産量とともに変動しますが、引き続き抑制に努めるとともに、リサイクルを推進し、長期的視点での活動を進めていきます。

  実績
指標 集計対象拠点 単位 2022年度 2023年度 2024年度
産業廃棄物発生量 JSRグループ トン 14,482 11,667 10,406
リサイクル率 92 90 94

取り組み

1.使用済プラスチックのリサイクル推進

JSRグループでは、廃棄物発生量削減のため、リサイクルの推進を重要な取り組みの1つとして位置付けています。例えば、JSR株式会社では、国の「プラスチック資源循環戦略」を受け、2019年度に下記の2030年度目標を策定し、リサイクルを推進しています。

①100%リサイクル(熱回収含む)
②60%リサイクル(熱回収含まず)

当初は廃プラスチック類を対象としていましたが、2023年度に対象を使用済プラスチックに見直しました。

2024年度の使用済プラスチックのリサイクル率(熱回収含む)は99%、リサイクル率(熱回収含まず)は55%となりました。

今後の取り組みでは、Step 1として、産業廃棄物の特性により焼却処理が必要とされるものにつき、「単純焼却」からサーマルリサイクル(熱回収)への転換を進めるとともに、Step 2としてより上位のリサイクルを推進していきます。

廃棄物量削減に向けてマテリアルリサイクルを推進
廃棄物量削減に向けたマテリアルリサイクルのグラフ
JSR株式会社および国内グループ企業の使用済プラスチックのリサイクル状況
  使用済プラスチック
集計対象拠点 排出量
(千トン)
リサイクル量
(千トン)
リサイクル率
(熱回収含む)
(%)
リサイクル率
(熱回収含まず)
(%)
JSR株式会社および国内グループ企業 3.6 3.6 99 55

2.物流における包装材料3R(Reduce, Reuse, Recycle)の推進

JSR株式会社は、物流における環境対策として、無駄のない効率的な包装材料・包装容器の運用を目指し、3Rを推進しています。

Reduceとして、外装段ボール箱の軽量化(2層構造→1層化)の他、包装の簡素化、輸送(パレタイズ)の効率化に取り組んでいます。
また、新たに製品ラベルのブランク化に取り組んでおり、製品ラベルの改版時に発生するラベルの廃棄ゼロ化が目標。運用を開始したブランクラベルでは廃棄ゼロを継続しています。

Reuseとして、製品容器のリンク使用*1、工程用容器などの再利用に取り組んでいます。
また、Recycleとして、場内で発生する樹脂ドラム、金属ドラム、ペール缶、ガラス瓶など、様々な包装資材の再資源化に取り組んでいます。
例えば、四日市工場において使用済みの樹脂ポリ容器および樹脂ドラムは、再生品の溶剤を用いて洗浄し他社に提供しています。それらは提供先で再資源化され、角材やフロアマットなど、新しい製品に生まれ変わっています。不要となった資材を再資源化すること、また再資源化プロセスで再生品を使用することで、廃棄物の削減に貢献しています。

加えて、リサイクル原料(発泡PET)を使用したラベル基材の選定などにも取り組んでいます。
今後も包装材料の3R活動に積極的に取り組み、再資源化・資源の有効活用を進めていきます。

  1. *1リンク使用:再使用するためにお客様より返却・回収すること

3.有害廃棄物への取り組み

JSR株式会社および国内グループ企業では、低濃度PCB*2廃棄物について、「ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法」に従い、適切に保管・管理するとともに、処理期限を順守し計画的に無害化処理を実施していきます。

  1. *2PCB:ポリ塩化ビフェニル