sitemap

サステナビリティ推進担当役員メッセージ

JSRグループの事業戦略とサステナビリティ戦略を一体のものとして推進し、
さらなる価値創造につなげていきます

取締役 上席執行役員
立花 市子

取締役 上席執行役員 立花 市子の写真

JSRグループのサステナビリティ ~マテリアリティ(重要課題)への取り組み

JSRグループは、サステナビリティを「企業活動を通じて価値創造することで社会に貢献する」ことと定義し、多様性を尊重しながらグループ全体でサステナビリティを推進することを、企業価値向上に向けた重要な戦略の一つと位置づけています。

サステナビリティへの取り組みの推進にあたっては、企業理念や経営方針をベースに、社会・自然環境、製品市場、技術動向、ステークホルダーの関心などを総合的に勘案してマテリアリティを特定し、経営基盤に関する5つのマテリアリティと事業活動に関する3つのマテリアリティのそれぞれにKPIを掲げています。

マテリアリティの中で、特に重視している項目が2つあります。1つ目は、サステナビリティ活動を推進する主体である従業員のエンゲージメントの向上、そして、そのベースとなるダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン(DE&I)の推進です。2つ目は、世界中で非常に大きな影響をもたらしている気候変動への対応、すなわち環境負荷の低減です。また、今後は、リスク側面に関する経営基盤のサステナビリティへの取り組みに加え、事業機会につながる事業活動のサステナビリティへの取り組みをより一層、推進していきたいと考えています。

KPIの進捗と気づき

2022年度は、2021年度に設定したマテリアリティに関するKPIの運用初年度となり、進捗を定期的に確認しました。下記リンクからご覧ください。

2022年度のKPIの進捗は順調と評価できるものであった一方、1年間にわたり進捗を確認し、状況を総括、得られた情報を分析した結果、事業ごとの特性に着目することの必要性や、KPI設定にあたってのグローバルでの取り組みと地域特性を踏まえた取り組みとの切り分けについての視点など、KPIの追加や見直しにつながる気づきがありました。他にも、GHG排出量削減については、Scope 1&2の排出量を2030年度に2020年比で30%削減するというKPIに基づき、計画に従って取り組んでいますが、進捗確認にあたって得た情報やステークホルダーからの要請を踏まえ、今後さらに踏み込んだ目標設定が必要になる可能性が高いと判断し、検討を始めています。

また、いずれのKPIについても、目標を達成するだけが目的ではなく、達成を目指して行う取り組みを通じ、各部門における活動にサステナビリティ視点をしっかり組み込み、従業員一人ひとりが、日々の業務の中でサステナビリティを継続して意識するような状態にすることが重要だと考えています。

たとえば、KPI達成のための取り組みとして、経営基盤のマテリアリティに関する「従業員エンゲージメントの向上」については、2022年度に実施した2回目となるグローバルエンゲージメント調査の結果、会社の方向性や将来像、長期ビジョンに関する情報発信の充実を望む声が多かったことを踏まえ、経営トップや事業責任者からのメッセージを複数回発信するとともに、双方向のコミュニケーションの場として、経営トップと少人数の従業員との対話会などの試みを開始しました。それに加え、組織単位、部門単位でのKPIとしても設定することを通じて、組織・部門での活動に組み込まれています。

事業活動のマテリアリティについては、サステナビリティ製品の販売数量や販売比率をKPIとしました。2024年度の目標に向けて着実に歩みを進め、すでに目標を達成した事業もありますが、今後は、サステナビリティを意識しながら事業機会も広げるような新たなKPIを検討し、ステークホルダーが求める方向性に沿った事業展開につなげられればと考えています。

取締役 上席執行役員 立花 市子の写真

多様性の尊重 ~一人ひとりが輝く場を提供し、多様な視点・視野を取り込む

多様性は競争力の源泉であり、当社では多様な人財が、それぞれの能力を最大限発揮するための土台としてのDE&Iの取り組みに力を入れています。従業員一人ひとりの能力を企業価値の向上につなげるためには、会社の方向性やビジョンを理解、共感し、発揮した能力を互いに認めて高め合い、会社への愛着や貢献意欲を持っているエンゲージメントの高い社員が増えることが必要です。これは各々の目指すキャリアを実現すること、ひいては人生の充足にもつながり、重要なサステナビリティへの取り組みだと言えます。 当社で、サステナビリティ推進担当の役員が、ダイバーシティ推進も担当しているのは、サステナビリティ推進にあたってのDE&Iの重要な位置付けに鑑みてのことですが、加えて2023年6月からは、サステナビリティ推進の主体である人財に関して、グループ全体でグローバルな人財戦略に取り組むべく、その推進も担当することになりました。人財に関する方針については、グローバルで統一すべき部分と、ローカル・ルールで対応する部分のバランスや見極めが鍵になりますので、グループ各社の人財部門とも連携しながら、サステナビリティの土台となる人財マネジメントを強化していきます。

また、サステナビリティ推進にあたっては多様な視点・視野を取り入れることも重要です。グループ内でのDE&Iの取り組みに加え、外部からの視点・視野を積極的に取り込むことを意識しています。

サステナビリティ推進担当役員が取締役を兼務し、取締役会でのサステナビリティの推進に関する報告・議論に直接、参加することで、社外取締役から社外の視点で当社の取り組みに対するアドバイスを受けることもその一つです。

この数年はコロナ禍で社外との交流が限られていましたが、2022年度後半からは、他社とのネットワーキングや、専門家を招いての講演会などを行えるようになってきました。引き続き、より広い視点・視野を取り入れるための工夫を行い、グループ内に情報発信をしていきます。

それによって、サステナビリティへのJSRグループの取り組みが、今、できることを着実にやるという段階から踏み出し、すべてのステークホルダーを意識した企業価値向上に一層、資するものになると考えています。

今後に向けて ~サステナビリティ戦略と事業戦略の一体化

サステナビリティ推進にあたっては、サステナビリティ推進部門内部だけで取り組みが完結することはなく、他の部門やグループ会社などと相互に、密なコミュニケーションをすることが必要です。2022年度は、具体的なサステナビリティ活動の推進を目的としたミーティングを定期的に開催し、従来の活動をブラッシュアップし、新たな検討にもつなげました。今後も、様々な考え方や取り組み事例を共有することで、グループ全体でサステナビリティ推進に取り組んでいきます。

また、現在のマテリアリティを設定した2019年度当時と比較して、JSRをとりまく社会情勢や市場環境、JSRの事業ポートフォリオは大きく変化しています。今後、現状に即したリスクと機会を見極め、マテリアリティの見直しも検討していきます。特に、サステナビリティの観点による製品・サービスの競争力強化、他社との差別化を、事業活動における新たな機会の創出につなげていきたいと考えています。そして、次期中期経営計画の策定に向けた議論の中で、関連部門と連携しながら、サステナビリティ戦略の経営戦略への統合に向けた取り組みを進めます。そのためには、全従業員が、自分の業務の中にどのようにサステナビリティを取り込むかについて自主的に考え、動いていける状態が重要ですので、そうした状態の実現を目指して、後押しを続けていきます。

取締役 上席執行役員
サステナビリティ推進、ダイバーシティ推進
グローバルHRコーディネート 担当

取締役 上席執行役員 立花 市子のサイン