ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン
1. トップメッセージ
JSRグループは、全従業員のダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン(DE&I)に取り組んでいます。性別、文化、個性に起因する差異によらず公平を実現するために、会社として橋渡しをすることが重要であると認識しています。
これらのダイナミクスとその原動力となる要因を真に理解することで、グローバルに一体となったJSRグループに成長することを目指します。そのためにも、すべての従業員が、能力を最大限に発揮することができるインクルーシブな(包括的な)環境を作ることを目標とします。この取り組みは、社会的責任であるにとどまらず、JSRグループ全体の経営戦略の重要な部分でもあるということを強調したいと思います。
DE&Iに焦点を当てることで、急速に変化する世界でも繁栄し、より強固で持続可能なJSRグループの構築を目指します。多様性を受け入れ公平な機会を提供することで、革新的な文化を創造し、優秀な人財を惹きつけるとともに、競争優位性を高めることができると考えます。社会と環境へより良い影響を与えながら、同時に事業目標を達成することができるのです。
代表取締役CEO兼社長 エリック ジョンソン
2. 基本的な考え方
JSRグループは、サステナブルでレジリエントな企業であるために、多様な人財が互いを信頼し、存在や考え方を受容し合うとともに、個々の能力やスキルを最大限に発揮し、組織の力として発展できるインクルーシブな風土づくりに積極的に取り組んでいます。
DE&Iをベースとして、従業員の主体的な挑戦やキャリア形成、成長・活躍の機会づくりがなされていくことで、エンゲージメントが向上し、組織力・競争力が強化され、様々な事業環境の変化においても柔軟に対応できるレジリエントな組織へと進化することができます。それがひいては企業のサステナブルな成長につながるものとJSRグループは考えています。
特に働き方においては、両立支援制度や在宅勤務などの制度・インフラの充実と併せて、柔軟で多様な働き方を取り入れ、一人ひとりが能力を発揮し、組織としての成果、競争力強化につながるようマネジメントしていく「ワークライフマネジメント」を推し進めています。

3. 推進体制
JSRグループでは、担当執行役員のもと、DE&I推進に取り組んでいます。国や組織によって異なるDE&Iの課題共有を進めており、欧米のグループ企業のDE&I担当者と議論をしながらグローバル全体の連携を強化しています。
JSRのダイバーシティ推進室は、DE&I推進の専任組織として2015年に設置されたものです。設置当初は女性の活躍推進や育児と仕事の両立支援に力を入れてきました。現在は、多様な国籍の従業員や障がいのある従業員、介護や病気と仕事とを両立する従業員、ジェネレーションギャップの解消やLGBTQの方への配慮などにとどまらず、属性によらず多様な人財が互いに受け入れられ、活躍できるインクルーシブな組織・風土づくりのための施策を策定し実行しています。
JSR North America Holdingsでは、組織の成長と価値創造による企業価値向上を目指し、グループ企業が企業の垣根を越えて横断的につながるREACHというERG※(従業員リソースグループ)を2022年度に発足させました。REACHは、Representation(R)、Education (E)、Advocacy (A)、 Community (C)、 Hope(Hope)の頭文字をとったものです。
※従業員リソースグループ(ERG:Employee Resource Group): 組織の中で同じ特質や価値観を持つ従業員が主体となって運営するグループ。

ここでは、すべての従業員が自分らしく活き活きと働くことができる職場環境を構築するために、価値観を共有する従業員同士で主体的に活動し、DE&I風土の醸成に寄与しています。
たとえば、従業員が自身の性別、年齢、人種、性自認、性的指向、一人称、障がい、兵役経験の有無などのアイデンティティの情報を自分で判断し入力するシステム(Self-ID)を導入しています。あわせて、「Self‐IDキャンペーン」として、➀自分の情報を自己判断(任意)で入力し自己表現をしてもらうこと、②意見が言いやすく、一人ひとりが会社の一員として受け入れられ、必要とされていると感じられるような自己表現の場を構築しています。また、取り組みを活性化するために、JSRグループの多様な従業員が企業の垣根を越えて参加し、本キャンペーンをPRする動画を作成するなど、一体感をもって活動しています。
また、「REACH アフィニティグループ」として、有志のメンバーが、女性、BIPOC、LGBTQ、ペット、ガーデニングなどの様々な属性グループのコミュニティを結成しており、従業員同士がつながる安心・安全な場となっています。
このほか、特に力を入れているのが、EPIC(Every Person Influences Culture)対話シリーズという取り組みです。一般社員、管理職、経営層が様々な題材で対話する場を定期的に設け、お互いに学びあい、共感しながら、DE&Iが進んだ職場環境づくりに取り組んでいます。2023年度は、以下のような内容で対話を行いました。
#1:JSRにおけるアライシップ (Allyship at JSR)
多様なアライシップのあり方についての対話(2023年4月)
#2:世代を越えて (Beyond Generations)
世代間の価値観の違いや、“異なること”から得られる学びについての対話(2023年10月)
#3:これが私です (This is Me)
12月3日の国際障がい者デーにちなんだ、偏見への対応などに関する対話(2023年12月)


JSRのポータルサイト
4. 多様な人財の活躍推進
(1)女性従業員の活躍推進
① ジェンダー比率と2030年における目標設定
JSRグループのグローバル全体におけるジェンダーの構成比率は、女性従業員は34%、男性従業員は63%ですが、職位別に女性比率をみると、役員層では20%、管理職層では22%となっています。JSR単体でみると、女性従業員の構成比率は約19%であるのに対し、役員は4%、管理職は7%と低く、当社のグローバル全体と比較しても、従業員と上級職とのジェンダー比率には大きな差異が生じています。


注:「その他」には自分の性別を公表したくない、または、公表していない従業員が含まれます。
「全体」の比率の算出には、役員は含まれていません。
「JSR単体におけるジェンダー比率」は、出向者を含まない形で算出しています。
JSRでは、組織運営の中核を担う管理職層においてDE&Iを推進することは、会社全体のレジリエンス向上につながると考え、2030年までに女性管理職比率10%を達成することを目標として設定し、経営上の重要課題(マテリアリティ)として注力しています。本取り組みは、多様な人財の活躍支援への取り組みの1つではありますが、女性活躍が日本特有の社会課題であることから、JSRでは機会の公平性を確保した結果としての女性管理職比率をKPIとして設定し取り組むものです。

② 女性活躍推進法の行動計画と成果
女性の職業生活における活躍の推進に関する法律(女性活躍推進法)に基づき、JSRは女性の職業生活における活躍推進行動計画(第4期目:2023年4月1日~2026年3月31日)を策定し、これに基づいて取り組みを続けています。
1. 計画期間 | 令和5年(2023年)4月1日~令和8年(2026年)3月31日まで |
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2. 課題 |
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3. 数値目標 |
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4. 取り組み内容 |
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③ 実績の推移
JSRでは、女性従業員の積極的な採用を進めています。新卒採用においては、2010年から女性採用比率の目標を設定しています。
目標 | 2019年度 | 2020年度 | 2021年度 | 2022年度 | 2023年度 | |
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女性従業員の採用比率 | 大学卒技術系 30%※ | 22% | 26% | 30% | 17% | 11% |
大学卒事務系 50%※ | 50% | 55% | 60% | 100% | 40% | |
女性管理職比率 | 2023年3月までに 6% | 4.3% | 4.1% | 4.5% | 5.6% | 6.5% |
※ 各年度4月1日時点
※ 学生男女比率から設定
JSRの女性管理職比率は6.5%(2024年4月1日現在)であり、割合で見ると昨年度と変わらない値となりました。これまで実施してきた施策の効果により管理職手前の人財層に厚みはできていますが、このパイプラインをさらに太くしていくほか、継続的なキャリア形成支援を行い管理職試験に挑戦する女性を増やしていく必要があります。KPIに示した2030年度の目標(女性管理職比率10%)達成に向けては依然としてチャレンジングな状況にあると認識しており、取り組みをさらに加速させていきます。


④ 女性活躍推進の取り組み
JSRでは、働く女性が自己実現を目指しながら長期にわたり活躍・成長し、会社の成長にも貢献できるような人財育成に取り組んでいます。
女性役員 | 管理職 |
女性 管理職 |
女性従業員 |
総合職 転換者 |
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管理職向け研修
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○ | ||||
女性主事向けキャリア開発セミナー(’16-’19) | ○ | ||||
社外研修への派遣(‘19-) | ○ | ○ | ○ | ○ | |
女性社員/管理職へのヒアリング(‘16-) | ○※ | ○※ | |||
女性主事の上司へのヒアリング(‘16-) | ○ | ||||
総合職転換者向けセミナー(‘10-) | ○ | ||||
社外ロールモデル講演会(‘22-) | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
※ 必要に応じキャリアカウンセリングを実施
管理職向け研修
女性部下一人ひとりに合った適切な配慮を学び、部下をエンパワーする力を身につける管理職向けマネジメント支援研修を行っています。また、自身に潜むアンコンシャス・バイアスとの対峙や、マイクロアグレッションの防止によって、マネジメントにおける行動変容を促すセミナーを行っています。
社外研修への派遣
NPO法人J-Win(特定非営利活動法人ジャパン・ウィメンズ・イノベイティブ・ネットワーク)や昭和女子大学キャリアカレッジの研修プログラム、名古屋工業大学ダイバーシティ推進センターの女性技術リーダー育成塾など、様々な社外研修に参加し、業種や業態の枠を超えた企業人の相互研鑽の機会や、ネットワーキングの構築の支援などを通して、育成、能力開発を図っています。
女性社員へのヒアリング
仕事のやりがいや働く中で課題に感じていること、今後のキャリアについての考えなど、キャリアカウンセリング要素を含めたヒアリングを2016年度より毎年数十名の女性社員に対して実施しています。
女性主事の上司へのヒアリング
各女性部下の資質と育成計画の確認のほか、DE&Iを進めるうえでの課題についてのヒアリングを2016年度より毎年数十名の上司に実施しています。女性社員本人とその上司へのヒアリングを通じて課題を分析し、経営層へ報告のうえで施策につなげるなどの取り組みを行っています。
また、これらの取り組み以外にも個別テーマを設けてのセミナーやリクエストに応じた支援を適宜行っています。
社外ロールモデル講演会
従業員のキャリア形成の支援策の1つとして、ロールモデルとなる社外の人財による講演会を開催しています。様々な分野で活躍してきた講演者をお招きし、仕事やプライベートでの経験、生き方について聞くことで、自身の現状に対する気づきや新しい価値観を獲得し、モチベーション向上や自己啓発につなげています。
(2)育児に携わる従業員の活躍推進
JSRでは、育児と仕事との両立を支援するため、2000年代初頭から様々な両立支援制度を整えてきました。一方で、単に両立ができるということだけでなく、多様な働き方をする人が混在する職場でも、働きやすく、働きがいをもって活き活きと活躍できる職場づくりを推進しています。
2022年4月・10月の育児介護休業法改正を受けて、2022年度、2023年度は社内で改めてイーラーニングを実施しました。あわせて、仕事と育児・介護の両立支援ガイドブックを改訂し、従業員への理解増進を図っています。
① 次世代育成支援対策推進法の行動計画と成果
次世代育成支援対策推進法(次世代法)に基づき、次世代育成支援対策行動計画(第9期目:2023年4月1日~2026年3月31日)を策定し、取り組みを続けています。
1. 計画期間 | 令和5年(2023年)4月1日~令和8年(2026年)3月31日まで |
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2. 数値目標 |
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3. 取り組み内容 |
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② 実績の推移
③ 男性の育児休業を推進する取組み
JSRでは、出生後、育児休業を取得していない従業員に向けて、勧奨メールを送付し、休業取得の声掛けを行っています。また、なかには、育児休業を取得すべきか、取得の際にはどれぐらいの取得期間が必要か、あるいは休業中の有意義な過ごし方など、育児休業に関する様々な疑問点を抱えている従業員もいます。そこで2022年度から、育児休業を取得した男性従業員にインタビューを行い、社内のDE&Iポータルサイト「男性育休インタビュー集」で紹介する取り組みを毎年続けています。事業所、職種、職位の異なる多様な従業員にインタビューし、取得の理由、育休中の生活、取得して良かった点や得られた学びについて掲載しています。また、育児休業を取得する対象者だけでなく、上司や周囲のメンバーなどにも広く男性の育児休業取得について知ってもらうことで、その必要性について理解を促しています。
(3)介護に携わる従業員の活躍推進
日本が超高齢社会を迎えたことで、今後は介護の必要性に直面する従業員が増えてくると考えられます。また、就労期間の長期化に伴い、怪我や病気などの治療と仕事を両立させながら働く従業員も増えていくことが予想されます。JSRは、従業員が仕事と介護や治療を両立できるように様々な支援策を用意しています。
そのほか、実際に介護に直面する前に、活用できる制度やサービスに対する理解を深めて備えておくという趣旨で、介護に関するイーラーニング教育を全従業員向けに実施しています。さらに、管理職向けには、仕事と介護を両立する部下を抱えた際の対応や支援の方法についての教育も行っています。
2023年度は、イーラーニングとあわせて、両立に関する疑問点などを問うアンケートを実施しました。その結果、自身が介護や治療の必要性に直面した際、実際にこれらと仕事とを両立させる具体的なイメージを持ちたいといった意見が多く寄せられたため、両立経験者のインタビューを新たに実施しました。
これらの施策を通じて、従業員が介護や治療を仕事と両立しながら、やりがいをもって継続的に働いていくことができる環境と、多様な状況下にある従業員を理解し、受容する風土の構築を進めています。
(4)若手従業員のキャリア支援
JSRでは、若手従業員を対象としたメンタリングを2021年度から実施しています。導入の背景には、コロナ禍で入社し、長期の在宅勤務を余儀なくされた若手従業員の社内コミュニケーションの不足や、若手従業員自身のキャリア形成意識の高まりがあります。メンタリングは、これらの従業員をサポートするための取り組みとして始動しました。
メンタリングを通じて、①若手従業員(メンティ)に、自部署以外の先輩(メンター)との関係づくりの機会を提供し、仕事やキャリア、また仕事以外でも相談できる仕組みを構築すること、②先輩従業員であるメンターにも、自分自身を振り返る機会を提供し、後進の成長を支援する経験をしてもらうことの2点を実現しました。本取り組みにより、メンティ側の人脈づくりや仕事における不安の解消だけでなく、メンターとメンティの双方がメンタリングの効果を実感することができました。
また23年度は、新たな取り組みとして、筑波事業所において一般社員を対象としたキャリア座談会を実施しました。座談会は、多様なキャリアを経験した社内の話し手6名が登壇し、キャリア変遷やそれぞれのキャリアビジョンについて対話しました。座談会前のアンケートでは、9割の社員がキャリアに関する悩みを抱え、自身のキャリアを考えることに対してポジティブに捉えられる方が少なかったのに対し、座談会後にはキャリアを考えることに対して「(やや)ポジティブに思う」の割合が顕著に増加する結果となりました。キャリアに対する多様な価値観やロールモデルに触れることで、自身のキャリアを前向きに考えることにつながる結果が得られました。
今後も同様な機会を設けることで、一人ひとりが自身のキャリアを主体的に考えるきっかけをつくっていきます。


(5)中途採用従業員の採用拡大と活躍推進
JSRは、多様な知識・スキル・アイデアをもつ人財に選ばれ、それらの人財に社内で活躍してもらってこそ、イノベーションを創出し、社会に価値を提供し続けていくことができると考えています。そのため、様々なバックグラウンドを有する人財を中途採用従業員として積極的に採用しています。
2019年度 | 2020年度 | 2021年度 | 2022年度 | 2023年度 | |
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男性 | 25人 | 22人 | 30人 | 44人 | 9人 |
女性 | 7人 | 3人 | 5人 | 7人 | 2人 |
計 | 32人 | 25人 | 35人 | 51人 | 11人 |
(6)休職・退職した従業員のキャリア再開支援
JSRでは、結婚・出産・介護・配偶者の転勤などの理由でJSRを退職した元従業員のうち、当社での再就職希望者を登録し、会社のニーズと登録者の希望を勘案して再雇用を可能にするキャリア再開制度を設けて運用しています。また、グローバル化が進み、従業員の海外駐在も増えていますが、配偶者もJSRの従業員というケースで海外に同行する場合があります。帰任時期が決まっている場合には、退職を経ずに復職できる制度の方が利用しやすいことから、2年間の休職が可能な配偶者海外転勤時休職制度を導入しています。
2019年度 | 2020年度 | 2021年度 | 2022年度 | 2023年度 | ||
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キャリア再開制度 | 登録者 | 5人 | 3人 | 1人 | 2人 | 2人 |
採用実績 | 2人 | 2人 | 0人 | 0人 | 0人 | |
配偶者海外転勤時休職制度 利用者数 | -※ | 0人 | 1人 | 0人 | 0人 |
※ 2020年度制度施行
(7) 定年退職従業員の活躍推進
「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律」に基づき、定年退職した従業員を引き続き雇用する制度があります。定年退職前の従業員に就労継続希望のアンケートを行い、希望者全員を雇用しています。また、定年退職前にライフプランセミナーも開催し、先々のライフプラン、キャリアプランについて情報提供や啓発を行っています。
2019年度 | 2020年度 | 2021年度 | 2022年度 | 2023年度 | |
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再雇用者数 | 22人 | 24人 | 18人 | 22人 | 19人 |
再雇用率 | 81% | 86% | 69% | 85% | 76% |
(8) 多様な国籍の従業員の活躍推進
JSRグループでは、売上収益の6割を海外が占め、従業員の6割弱は海外企業在籍者が占めます。こうした自社の特性を意識し、日本と海外の双方に精通したCEOのリーダーシップのもとで企業活動を行っています。また、グローバルに活躍できる人財を確保するため、国籍や宗教、生活習慣が異なる従業員同士が協力し、それぞれの持ち味を発揮できるような職場環境の整備を進めています。
JSRグループでは以前から、従業員のグローバル化推進の一環として、外国人学生の採用や海外現地法人の従業員のJSRへの出向受け入れなどを通じて、雇用拡大・人財の多様化に取り組んできました。あわせて、JSRグループの国内外拠点人事部門間のネットワークを強化し、海外現地法人の経営陣に現地人財を登用していくことを検討するほか、国内外の人財交流促進を図っています。
(9) 障がいのある従業員の活躍推進
2023年度末時点の障がい者雇用率は、2.77%であり、2023年時点での法定雇用率である2.3%を上回っています。

障がい者の就労においては、一人ひとりの障がいの内容や得意分野を本人と相談したうえで、就業場所や業務内容を決めています。
製造や研究所など危険物を扱う部署で就業している障がい者はまだ少数ですが、安全を確保しながら障がい者の職域拡大に取り組んでいます。加えて、より多くの障がい者にJSRの一員として働いていただくとともに、共に活き活きと活躍できる社会の実現に貢献することを目的に、2021年9月に障がい者スタッフが中心となって運営する農園(埼玉県)を開設しました。更地の整備からはじまり、スタッフが互いに協力しながらプランターを設置したこの農園には、本社メンバーと現地のスタッフとの相談を経て「JSR 菜々色ファーム®」という愛称を付け、社内への周知を進めています。
2021年12月に種まきをし、2022年2月には瑞々しいベビーリーフとラディッシュを初収穫しました。現在は、農園で働くメンバーの栽培スキルも格段にアップし、小松菜、春菊、リーフレタス、ホウレンソウ、水菜、ミニトマトなど、栽培できる品種が増えてきました。収穫時期など多くの人手が必要な時には本社勤務の従業員と一緒に収穫・洗浄・出荷作業をしています。 収穫した野菜はJSR四日市工場や筑波事業所などへ直送、事業所の食堂で提供し、無農薬の新鮮な野菜として従業員の間で親しまれています。その反応は、農園で働くメンバーへお礼のメッセージとともにフィードバックしており、農園のメンバーの働く喜びや達成感の醸成につながっています。






(10) LGBTQへの理解促進と支援
JSRは、あらゆる人財が自身を偽ることなくありのままの自分で受容され、自分らしく活き活きと働くことができる職場環境の構築を目指しています。LGBTQも例外ではなく、排他的な対応や差別的な言動は許されるものではありません。
JSRでは、新卒採用におけるエントリーシートへの性別記入欄に、「男性」「女性」に加え「その他」の欄を設けるほか、従業員に対するイーラーニング教育を行い、多様な性のあり方について考える取り組みを進めています。また、同性婚の法制化に賛同する「Business for Marriage Equality」というキャンペーンにも賛同表明しています。社会全体でジェンダーの平等を実現するために、一企業として後押しをしたいと考えています。現状はまだ道半ばの取り組みですが、今後はさらに注力していきます。
D&I AWARD 2023において2年連続で最上位の「ベストワークプレイス」ランクの企業に認定されました
JSRは、ダイバーシティ&インクルージョンに取り組む国内企業を認定する D&I AWARD 2023(主催:株式会社JobRainbow)において、「ベストワークプレイス」ランクに認定されました(2023年12月13日)。この認定は、日本国内だけでなく世界的にも高い水準でD&I推進に取り組むD&I先進カンパニーで、D&Iの企業文化の醸成はもちろんのこと、社員一人ひとりがD&I推進を担う個として積極的に活動している企業に与えられます。JSRは、2022年度と2023年度の2年連続で認定を受けることができました。
