生物多様性保全
1. 生物多様性についての基本的な考え方
JSRグループは、経営方針で事業活動を通して、生物多様性の保全に積極的に貢献し続けることを掲げています。化学物質を取り扱う企業として、持続可能な地球環境や社会の実現に貢献することが私たちの務めと認識しています。そのため、事業活動に伴う環境負荷低減と化学物質の適正管理を重点課題として捉え、「気候変動緩和」、「水資源の保全」、「廃棄物削減」、「汚染予防に向けた取り組み」、「化学物質管理」などに取り組んでいます。これらの活動は、生物多様性保全にもつながるものであると認識しています。
2. 生物多様性保全への取り組み
(1)全社的な活動
JSRグループは、土壌汚染対策法、水質汚濁法、工場立地法などの関連法令を遵守し、土壌や水の汚染の防止、工場周辺の緑化などを通じて生物多様性の保全に努めています。
具体的な活動については、以下の各ページをご覧ください。
上記のほか、森林資源の持続可能な利用に向けて、「JSRグループ紙調達に関するガイドライン」を作成、運用しています。本ガイドラインに従い、社用封筒やコピー用紙などについて「古紙を主原料とする用紙、又はFSC等の森林認証紙」を優先的に調達する取り組みを進めています。
(2)拠点ごとの活動
JSRグループは、各拠点において資源を守る活動や、近隣地域や海岸、河川などの清掃活動を継続して実施しています。これらの活動は、地域社会や近隣にお住まいの方々と良好な関係を築くことにも寄与しています。
JSR Micro, Inc.(米国)
JSR Micro, Inc.では2024年、4月22日のアースデイにあわせて環境イベントを開催しました。
当日は従業員が毎日実施できる持続可能な活動を紹介するコンテストを実施。リサイクル可能なプラスチックの回収、出張の回数と費用の削減を考える、オフィス家具や備品の寄付、実験室での作業から出るごみを減らすために事前の計算を徹底する取り組み、実験器具の再利用といった活動が紹介されました。
また、上記コンテストへの応募1件につき、団体「ecologi」を通じて5本の木を植樹するようにしたところ、合計270本の植樹が実現しました。
JSR Micro N.V.(ベルギー)
JSR Micro, N.V.では、毎年5月~10月に「ik kyoto」イベントを開催しています。持続可能な交通手段の利用を推進し、CO2排出量削減につなげるイベントで、多くの従業員が参加しています。
テクノUMG 宇部事業所(日本)
テクノUMG 宇部事業所は、地元山口県で行われている水源保全活動「水を守る森林づくり体験活動」に、厚東川工業用水利用者協議会の会員企業として毎年参加しています。樹木や竹の間伐体験を通じて森林の役割や森林整備の必要性について理解を深めるとともに、厚東川ダム流域の水源かん養維持に貢献しています。
また、山口県美祢市にある「秋吉台の草原を守り・育む活動(伝統行事の火道切り・山焼き)」にも毎年参加しています。本活動は、関係団体や地域の方々をはじめ、県内の企業やその家族などが参加して行われている伝統行事です。
今後もこれらの行事のお手伝いを継続し、地域に貢献していきます。
イーテック、日本カラリング、テクノUMG(日本)
イーテック、日本カラリング、テクノUMGは、飲料自販機の売上の一部を三重県緑化推進協会に寄付しています。
これらの寄付は植林や間伐などの緑化推進に役立てられています。
医学生物学研究所(日本)
長野県、保護活動団体と、野鳥保護を主体とした活動について協定を締結し、野鳥保護に貢献しています。
JSR 本社
JSR本社では、紙の印刷物を作成する際に森の町内会※の用紙を使用しています。
2023年度は、3.14トンの紙を使用し、0.21haの岩手の森の間伐に貢献しました。
※ 森の町内会:企業が環境貢献として、間伐材を用いた紙を購入・使用し、間伐費用の不足分を補完する仕組み。間伐は健全な森林の維持に役立ち、地球温暖化防止、土砂災害の防止、生物多様性の保全などにも寄与します。
3. 製品ライフサイクルにおける生物多様性保全の取り組み
(1)原料調達
JSRグループCSR調達方針に「環境保全に関するお願い」を挙げ、お取引先様に賛同と実践をお願いしています。また、アンケートを実施し、お取引先様の環境保全への取り組み状況を把握しています。
(2)製品安全
お客様に製品の安全データシート(SDS)を提供し、製品使用時の安全確保に寄与するとともに、周辺環境に影響をもたらす不適切な取り扱いなどの防止につなげています。
(3)物流
輸送の取引先や物流事業者とともに、環境に配慮した効率的な輸送の実践に取り組んでいます。