JSRグループは、経営方針の中で品質に関する方針として「顧客満足度の持続的な向上」を挙げています。お客様のニーズに合った「革新素材」「良い製品」を提供し、より良い社会の実現に貢献していくことは、当社の重要な役割であると考えています。今後もグローバル、かつ広範な分野への事業展開、ならびに、それに伴うサプライチェーンの多様化やお客様のニーズの高度化などの観点から、品質向上への持続的な取り組みを行っていきます。

環境安全品質担当役員を委員長とする環境安全品質委員会がJSRグループの品質に関する活動方針および活動計画を審議・策定し、その活動結果を管掌しています。環境安全品質委員会の詳細については、下記を参照ください。

• レスポンシブル・ケアマネジメント「2．RC推進体制」

JSRグループでは、主たる工場・事業所において、品質マネジメントシステムの国際規格であるISO9001の認証を取得しています。

また、ライフサイエンス事業の製造拠点においては、取り扱う製品に応じた品質マネジメントシステム（ISO13485^※1、GMP^※2 等）を構築し、それに則って品質保証を行っています。

• ※1 ISO13485：医療機器および体外診断用医薬品の品質マネジメントシステムに関する国際規格
• ※2 GMP：Good Manufacturing Practiceの略称。医薬品の製造管理および品質管理に関する基準

• ESGデータ

JSRは、設計・開発、購買、生産、販売における品質管理の基本的な考え方をグループ全体で共有し、品質管理に関する考え方に個々人で大きなばらつきが生じないよう努めています。そのために、JSRグループの品質管理の指針となる「品質ガイドライン」を制定、運用しています。

• 事業化に向けたデザインレビュー
• 設計におけるデザインレビュー^※3
• 製造・工程管理
• 品質異常対応

※3 デザインレビュー：新製品の設計・開発時において、顧客要求品質を満たせるかどうかを、関係する複数の部門間で評価する仕組み

JSRグループでは、設計・開発、製造、品質保証の各段階において、品質管理手法を用いて品質の検証を実施しています。品質リスクを事前に取り除くことで、お客様の要求品質を満たす製品を量産化しています。

• QFD（品質機能展開^※4）による製品製造時の品質管理
• FMEA（潜在的故障モード影響解析^※5）による新製品の製造開始時や製造工程変更時の事前リスク把握

※4 QFD（Quality Function Deployment）：提供する製品の設計品質を製造工程にも展開し、品質保証を可能とすることを目的とした設計アプローチ方法

※5 FMEA（Failure Mode and Effect Analysis）：設計、プロセス開発および製造の段階で異常が発生した場合のリスクを推定し、取るべき対策の優先順位をつける手法

JSRグループでは、従来からの品質管理手法に加え、データの統計学的な解析に基づいて製品の不良率を改善する「シックスシグマ手法^※6」も取り入れており、品質の改善効果が得られています。また、シックスシグマ手法が浸透することで、全社員のデータ・ドリブン思考^※7への意識改革につながっています。

※6 シックスシグマ手法：1980年代にモトローラ（米国）で開発された品質改善手法。ばらつきが発生しているプロセスに着眼し、ばらつきを抑えることにより品質不良の発生を抑止し、品質改善を図る方法

※7 データ・ドリブン思考：データに基づいて思考、アクションする考え方

JSRグループのISO認証取得事業所では、工場長や経営層による品質マネジメントレビューを毎年行っています。また、品質監査においては、品質マネジメントシステムにおける品質管理の仕組みや活動を確認し、PDCAサイクル^※8を回しています。

• 顧客満足度調査の結果報告
• 品質改善活動に関する発表および表彰

※8 PDCAサイクル：P（計画）→D（実行）→C（評価）→A（改善）の4段階を繰り返し、業務を改善する方法

JSRグループでは、品質管理やPLPに関する研修を、社員の階層別に実施しています。また、いつでも品質教育資料にアクセスできるように、品質教育資料・動画を掲載したイントラサイトを設けています。これらの品質教育を通じて、全社の品質レベルの向上および品質に対する意識改革を図っています。

• 品質管理教育
• PLP教育
• シックスシグマ研修