廃棄物削減
1.基本的な考え方
JSRグループは、化学製品を製造する企業として、社会が直面する海洋プラスチック問題への対応を当社の最重要課題の一つと捉え、循環型社会の実現に貢献することが私たちの務めと認識しています。
廃棄物の3R(Reduce、Reuse、Recycle)などの取り組みをはじめ、原料調達、製品製造の段階からライフサイクルを通した資源の効率的な使用(サーキュラーエコノミー)を推進し、事業活動を通じて顧客に貢献するとともに、関連するSDGsの達成にも寄与します。
2.産業廃棄物処理と産業廃棄物発生量等の推移
JSRグループは、2021年度に、マテリアリティ評価指標(KPI)を設定しました。経営基盤におけるマテリアリティの「環境保全・負荷低減」では、「最終埋め立て量」をKPIとし、「廃棄物の外部最終埋立処分量を廃棄物発生量の0.1%以下にする」ことをグローバル目標として定めました。2023年度も、グローバル目標を達成しています。

産業廃棄物発生量及びリサイクル率
2023年度の産業廃棄物発生量は12千トン(前年度比19%減)、リサイクル率は97%でした。産業廃棄物発生量は製品生産量とともに変動しますが、引き続き抑制に努めるとともに、リサイクルを推進し、長期的視点での活動を進めていきます。

3. 産業廃棄物削減の取り組み
(1)使用済プラスチックのリサイクル推進
JSRは、国の「プラスチック資源循環戦略」を受け、2019年度に下記の2030年度目標を策定しました。
1)100%リサイクル(熱回収含む)
2)60%リサイクル(熱回収含まず)
当初は廃プラスチック類を対象としていましたが、2023年度に対象を使用済プラスチックに見直しました。
2023年度の使用済プラスチックのリサイクル率(熱回収含む)は97%、リサイクル率(熱回収含まず)は51%となりました。
今後の取り組みでは、Step 1として、産業廃棄物の特性により焼却処理が必要とされるものにつき、「単純焼却」からサーマルリサイクル(熱回収)への転換を進めるとともに、Step 2としてより上位のリサイクルを推進していきます。

使用済プラスチック | ||||
---|---|---|---|---|
排出量 (千トン) |
リサイクル量 (千トン) |
リサイクル率 (熱回収含む) (%) |
リサイクル率 (熱回収含まず) (%) |
|
JSR株式会社 国内グループ企業 |
3.6 | 3.5 | 97 | 51 |
(2)物流における包装材料3R(Reduce, Reuse, Recycle)の推進
JSRは、物流における環境対策として、無駄のない効率的な包装材料・包装容器の運用を目指し、3Rを推進しています。
Reduceとして、外装段ボール箱の軽量化(2層構造→1層化)の他、包装の簡素化、輸送(パレタイズ)の効率化に取り組んでいます。
また、新たに製品ラベルのブランク化に取り組んでおり、製品ラベルの改版時に発生するラベルの廃棄ゼロ化が目標。運用を開始したブランクラベルでは廃棄ゼロを継続しています。
Reuseとして、製品容器のリンク使用※、工程用容器などの再利用に取り組んでいます。
Recycleとして、場内で発生する樹脂ドラム、金属ドラム、ペール缶、ガラス瓶など、様々な包装資材の再資源化に取り組んでいます。
加えて、リサイクル原料(発泡PET)を使用したラベル基材の選定などにも取り組んでいます。
今後も包装材料の3R活動に積極的に取り組み、再資源化・資源の有効活用を進めていきます。
※ リンク使用:再使用するためにお客様より返却・回収すること
4. 有害廃棄物への取り組み
JSRでは、低濃度PCB廃棄物※について、「ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法」に従い、適切に保管・管理するとともに、処理期限を順守し計画的に無害化処理を実施していきます。
※PCB:ポリ塩化ビフェニル