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品質マネジメント

JSRグループは、お客様に安定した品質の製品とサービスを提供し、安心して製品をお使いいただけるよう、品質マネジメントシステムを構築し、持続的な品質向上に対する取り組みを行っています。

1. 基本的な考え方

JSRグループは、経営方針の中で品質に関する方針として「顧客満足度の持続的な向上」を挙げています。お客様のニーズに合った「革新素材」「良い製品」を提供し、より良い社会の実現に貢献していくことは、当社の重要な役割であると考えています。今後もグローバル、かつ広範な分野への事業展開、ならびに、それに伴うサプライチェーンの多様化やお客様のニーズの高度化などの観点から、グローバル品質保証体制の強化を進めていきます。

2. 推進体制

JSRグループの品質に関する活動方針および活動計画は、環境安全品質担当役員を委員長とする環境安全品質委員会が審議・策定し、その活動結果を管掌しています。環境安全品質委員会の詳細については、下記を参照ください。

3. 品質保証活動

(1)ISO9001認証取得

JSRグループでは化学品を中心に様々な分野の製品やサービスをお客様に提供しています。すべての製品やサービスにおいて安定した品質をお客様に継続的にお届けするために、製造・品質の管理基準(ISO9001※1)に基づく管理体制の下、日々の管理を徹底するとともに、さらなる品質向上を目指して努力を続けています。

主たる工場・事業所(関連する事業部や間接部門を含む)でISO9001の認証を取得しています。それぞれの認証取得事業所では、トップである各工場長や経営層がマネジメントレビューを行っています。マネジメントレビューでは顧客満足度向上のため、お客様からの品質クレームはもちろんのこと、軽微な品質トラブルも原因究明と対策を行い、PDCAサイクルを回すことで、品質クレーム・トラブルの予防に役立てています。また、対策は他部門へも水平展開しています。

マネジメントレビューに取り上げられる主なテーマ
  • 品質クレーム・トラブルの事例報告
  • 品質クレーム・トラブルの予防対策
  • 品質改善活動

※1 ISO9001:国際標準化機構(ISO)が発行する品質マネジメントシステムの国際規格

ISO9001認証取得状況 (2022年6月時点)

(2)品質ガイドライン

JSRは、設計・開発、購買、生産、販売の品質管理の基本的な考え方をグループ全体で共有し、品質管理に関する考え方に個々人で大きなばらつきが生じないよう努めています。そのために、JSRグループの品質管理の指針となる「品質ガイドライン」を制定、運用しています。

品質ガイドラインの主な項目
  • 事業化に向けたデザインレビュー
  • 設計におけるデザインレビュー※2
  • 製造・工程管理
  • 品質異常対応

※2 デザインレビュー:量産化された製品が、顧客要求事項を満たせるかどうかを、関係者で評価する仕組み

(3)品質レベル

JSRグループでは、設計・開発、製造、品質保証の各部門で、製品特性に応じた品質管理手法を用いて、お客様の要求品質を満たせるかどうかを検証しています。これにより、量産化時の品質レベルを確認しています。

品質管理手法の例
  • QFD(品質機能展開※3)による製品製造時の品質の管理
  • FMEA(潜在的故障モード影響解析※4)による新製品の製造開始時や製造工程変更時の事前リスク把握

※3 QFD(Quality Function Deployment):提供する製品の設計品質を製造工程にも展開し、品質保証を可能とすることを目的とした設計アプローチ方法

※4 FMEA(Failure Mode and Effect Analysis):設計、プロセス開発および製造の段階で異常が発生した場合のリスクを推定し、取るべき対策の優先順位をつける手法

(4)品質の改善

JSRグループでは、従来からの品質管理手法に加え、データの統計学的な解析に基づいて製品の不良率を改善する「シックスシグマ手法※5」も取り入れており、品質の改善効果が得られています。また、シックスシグマ手法が浸透することで、全社員のデータ・ドリブン思考※6への意識改革につながっています。

※5 シックスシグマ手法:1980年代にモトローラ(米国)で開発された品質改善手法。ばらつきが発生しているプロセスに着眼し、ばらつきを抑えることにより品質不良の発生を抑止し、品質改善を図る方法

※6 データ・ドリブン思考:データに基づいて思考、アクションする考え方

(5)品質監査および品質活動フォーラム

製造業であるJSRグループは、品質・コスト・供給などに関して顧客の要求を満たす製品を供給することを求められます。顧客満足度の持続的向上のために、品質監査および品質活動フォーラムを実施しています。

品質監査では、品質マネジメントシステムにおける品質管理活動や品質管理の仕組みを確認し、PDCAサイクル※7を回しています。
また、品質活動フォーラムでは、経営トップによる品質パフォーマンスのレビューを毎年行っています。

品質活動フォーラムでの主な報告内容
  • 顧客満足度調査の結果報告
  • 品質改善活動に関する発表および表彰

※7 PDCAサイクル:P(計画)→D(実行)→C(評価)→A(改善)の4段階を繰り返し、業務を改善する方法

(6)品質教育

JSRグループでは、社員教育の充実にも力を入れており、2007年度に四日市工場に研修センターを開設しました。教育プログラムも適宜拡充し、品質管理やPLPに関する研修などを、社員の階層別(入社1-3年の社員、入社6-10年の社員、マネージャー昇格前後の社員など)に実施しています。これらの教育を通じて、全社の品質レベルの向上および品質に対する意識改革を図っています。

品質教育の事例
  • 品質管理教育
  • PLP教育
  • シックスシグマ研修

4.今後に向けて

「顧客満足度の向上の重視」と「顧客満足度の持続的な向上」に向け、JSRグループ全体でビジネスの変化に即した品質マネジメントシステムの最適化と製品やサービスの品質の改善を継続することで、今後もお客様のニーズに合った「革新素材」「良い製品」を提供し、より良い社会の実現に貢献していきます。