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水資源の保全

1. 基本的な考え方

水資源は生物の生存に不可欠な資源であり、グローバルにみると、特に淡水は限りある貴重な資源となっています。気候変動の影響も受け、日本国内でも異常気象による自然災害により水資源が影響を受けており、水資源の適切な管理が必要とされています。

JSRグループは、この水資源を、飲料用以外に、製造工程における原料および冷却水などに使用しています。水資源のプロセス内における循環利用などに取り組むとともに、工程外に排出する際にも、適宜、浄化処理や水質確認などを行い、適切な管理と処置を通じて水資源の保全に努めています。

2. JSRグループの水資源利用について

JSRグループの水資源使用量は、2021年度は21,710千m3(前年度比16%増)、総排水量は16,258千m3(前年度比11%増)でした。

なお2022年4月にエラストマー事業を分社化しており、分社化後のバウンダリで試算すると、水資源使用量および総排水量は約4,000千m3となります。

ますます重要度を増している水資源について、今後も適切な管理に努めていきます。

水資源使用量
水資源使用量のグラフ
総排水量
総排水量のグラフ

3. その他 水資源に関する情報

①水資源の使用

JSRでは、水資源として工業用水、地下水※、上水道を2021年度は15,133千m3使用しました。この内、28.6%を各工場のプロセス内で循環利用しています。

この循環利用率を維持することを目標として、今後も取り組みを継続していきます。

※ 地下水に関しては、四日市工場および千葉工場では使用していません。

取水源別 水資源使用量

(千m3/年)
年度 2013 2017 2018 2019 2020 2021
工業用水 14,734 13,667 14,790 14,309 13,193 14,672
上水道 167 200 172 171 169 186
地下水 234 393 313 408 259 275
水資源使用量合計 15,134 14,259 15,275 14,888 13,620 15,133

循環利用水量

(千m3/年)
年度 2013 2017 2018 2019 2020 2021
循環利用水量 4,496 4,250 4,481 4,210 3,624 4,322
循環利用率(%) 29.7 29.8 29.3 28.3 26.6 28.6

②水リスク評価

JSRグループでは、国内外の各生産拠点の水リスクを評価するツールとしてWRI(世界資源研究所)のAqueduct Water Risk Atlasを使用し、主要生産拠点における「全体的な水リスク」の現状について把握するとともに、全ての拠点での「全体的な水リスク」が3以下であることを確認しました。水リスクが比較的高かった拠点については、それぞれリスク低減に向けた対策を進めています。

※ Aqueduct Water Risk Atlasにおけるリスク評価(5段階)。値が大きいほど水リスクが高いことを示す。評価は物理量、品質、規制・評判の各項目において、カテゴリごとに選択した指標の状況から算出される。

JSR Micro N.V.(ベルギー)での取り組み

ライフサイエンス部門の生産工程では大量の水を使用しており、場外で排水処理していました。排水量を削減するため、2021年10月より工場内に排水処理施設の建設に着手し、2022年9月に施設が完成、同年10月よりテスト運転を開始しました。この施設により場外での排水処理がほとんど不要になり、排水の70%を再利用できる見込みです。また、排水を外部処理設備に輸送することで発生していたCO2の排出量も大幅に低減できます。

③水環境保全