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レスポンシブル・ケアについて

1.レスポンシブル・ケアの基本方針

(1)基本方針

JSRグループは、労働安全と保安防災、環境保全、製品安全を事業活動の重要な基盤として捉え、次に示すレスポンシブル・ケア®(RC)の基本方針の下に、あらゆる事業活動を推進します。

  1. 1.事業活動に伴うリスクの把握と対策の実行により、社員・地域社会の安全確保と環境保全、持続可能な地球環境への貢献に努めます。
  2. 2.事業活動に必要な法規制などの情報収集と確実な展開により、法令および自主規制の遵守に努めます。
  3. 3.安全・健康・環境に配慮した製品開発とその情報提供により、製品安全に努めます。

(2)国際的なイニシアティブへの参加

レスポンシブル・ケア®(RC)世界憲章への支持宣言書署名

RC世界憲章は、世界のRC活動をさらに充実・強化させるために、国際化学工業協会協議会(ICCA)が制定した化学産業界共通の自主的な活動方針です。

JSRはこの活動方針に賛同しており、RC世界憲章への支持宣言書に2008年10月に署名するとともに、改訂RC世界憲章への支持宣言書にも2015年3月に署名しています。この署名により当社は国内だけでなく、世界的な健康・安全・環境保全の向上に、より一層貢献することを約束しました。

RC世界憲章 支持宣言書の写真
RC世界憲章 支持宣言書

2.RC推進体制

環境安全品質委員会は、環境安全品質担当役員を委員⻑として、JSRグループの安全、環境、品質、製品安全、化学品管理に関する活動⽅針および活動計画を策定し、その活動結果を管掌しています。

具体的な運営実⾏は、さらに各種会議や委員会を設置し、計画に沿って活動しています。

また、環境安全品質委員会で審議・承認した内容は、社長が議長を務めるサステナビリティ推進会議に報告されます。

推進体制図
推進体制図修正案の図

注:環境推進部および安全統括部は、2022年4月から環境安全部となりました

3.環境安全マネジメント

(1)法規制・各種基準への対応

環境・安全にかかわる法令に関して、新たに公布、施⾏、改正などが⾏われた場合、本社担当部門から情報を発信し、周知徹底を図っています。

JSRグループでは、法令遵守規程に基づき、遵守すべき法令を特定し、毎年業務執⾏部門が法令に適合しているかを⾃⼰チェックする遵法確認を実施しています。

また、当社は、保安管理体制を強化し事故の未然防⽌と災害対策を向上させるために、消防法、労働安全衛⽣法の認定事業所(者)の取得を積極的に進めています。今後も認証・認定の維持向上を図り、保安防災の継続的改善に努めていきます。

(2)環境マネジメントシステム

JSRは、環境経営を支える環境マネジメントシステムとして、ISO14001の認証を1999年に国内主要3工場で取得し、以降、毎年認証を維持しています。2015年9月に発行されたISO14001改訂版についても、2018年1月までに3工場とも対応を完了しました。

また、JSRグループ各社も製造拠点を中心に認証を取得し、ISO14001規格に準じたマネジメントシステムのもとで環境保全活動を推進しています。

ISO14001取得状況(製造拠点を対象)(2022年3月末時点)

JSR株式会社
(3事業所)
国内グループ企業
(6社)
海外グループ企業
(10社)
  • 四日市工場
  • 千葉工場
  • 鹿島工場
  • 株式会社イーテック
  • テクノUMG株式会社
  • 日本カラリング株式会社
  • 宇部樹脂加工株式会社
  • JSRマイクロ九州株式会社
  • 株式会社エラストミックス
  • JSR Micro N.V.
  • EUV Resist Manufacturing & Qualification Center N.V.
  • JSR Micro, Inc.
  • JSR Micro Korea Co., Ltd.
  • JSR Micro (Changshu) Co., Ltd.
  • JSR BST Elastomer Co., Ltd.
  • 日密科偲橡膠(佛山)有限公司
  • PT.ELASTOMIX INDONESIA
  • ELASTOMIX (THAILAND) CO.,LTD.
  • JSR MOL Synthetic Rubber Ltd.

(3)安全マネジメントシステム

当社では、安全管理規程に基づき、保安防災と労働安全に関する規程、手順を定めた「安全マネジメントシステム」を事業所ごとの状況に合わせ構成し、運用しています。本マネジメントシステムの有効性を検証するため、社長をトップとした本社環境安全監査のほか、各事業所主体で内部安全監査やパトロール、マネジメントレビューを毎年定期的に行い、継続的な改善につなげています。
また、万が一事故が発生した場合に、適切かつ有効的な対処を行い、被害拡大の防止を図るためのマニュアルを定めています。

グループ企業においては、2022年3月現在、4事業所でISO45001認証を取得しています。

(4)監査

本社環境・安全・高圧ガス認定事業所監査

JSRは、社長を監査チームのトップとした工場・研究所への本社環境安全監査を、毎年、定期的に実施しています。2015年度に、これを被監査部門が抱える課題の共有と議論を行うスタイルに変更しました。トップと従業員が対話する機会を設けることで、経営と現場の双方の想いを共有し、環境・安全活動の活性化を図っています。
2021年度も前年度同様に、JSRの全事業所(四日市工場、千葉工場、鹿島工場、筑波研究所)を監査対象としました。新型コロナウイルスの感染が拡大していた状況を踏まえ、前年に引き続きWEBで監査を実施し、現場視察は見送っています。監査では、重点ポイントを設定しRBPS(リスクに基づくプロセス安全)をベースに各事業所の状況を確認しました。
なお、グループ企業に対しては、コロナ禍が継続する中、当社の事業譲渡による影響も考慮して本社環境安全監査を見送りました。

高圧ガス認定事業所監査ではいずれの対象事業所でも不適合はありませんでした。

安全監査、高圧ガス認定事業所監査については、下記リンク先に詳細を記載しています。

(5)環境功労表彰

JSRでは、環境保全活動のさらなる活性化を目的として、環境製品開発、環境技術開発、環境負荷低減、また地域社会への環境支援など、環境保全に関して優れた貢献をした人を対象とする表彰制度「環境功労表彰」を設けています。2021年度は、7件で28名が表彰されました。

事業所 件名
四日市工場 排水への負荷低減による汚泥発生量削減
四日市工場 高度制御システム導入による石炭ボイラからのGHG排出量削減
四日市工場 石炭種の最適化によるボイラ由来の廃棄物発生量削減
四日市工場 規格外品の有価物化による廃棄物発生量削減
千葉工場 PCB安定器の分別解体手法確立による高濃度PCB廃棄物削減
四日市工場 フィルタ詰まり改善によるCO2排出量削減
鹿島工場 ゴム製品試験の使用溶媒変更による作業環境改善

4.ステークホルダー・エンゲージメント

各ステークホルダーとの対話を通じて新たな課題を抽出し、改善対応を重ねてPDCAを回すことで、ステークホルダーに求められる企業となることを目指すとともに、より良い社会の構築に貢献しています。詳細につきましては、下記リンク先をご覧ください。

5.法令違反実績開示

2021年度は、環境・安全・品質・製品安全・化学品にかかわる法律に関して、法令違反はありませんでした。
過去に発生した事例について、再発防止対策を継続するとともに、社外事例も含めた定期的な事例教育を行うことにより、再発防止に努めています。

レスポンシブル・ケア®(RC)とは

化学工業界では、化学物質を扱うそれぞれの企業が、化学物質の開発から製造、物流、使用、最終消費を経て廃棄・リサイクルに至るすべての過程において、自主的に「環境・安全・健康」を確保し、活動の成果を公表し、社会との対話・コミュニケーションを行う活動を展開しています。この活動を「レスポンシブル・ケア(Responsible Care)」と呼んでいます。

1985年にカナダで始まったこの活動は、世界62ヵ国・地域の化学産業界で展開されています(2017年時点)。ほかの産業にはみられないユニークな取り組みとして国際的にも大きな注目を集め、1992年6月にブラジルのリオ・デ・ジャネイロ市で開催された地球環境サミット(環境と開発に関する国際連合会議)で採択された「21世紀に向け持続可能な開発を実現するために各国および関係国際機関が実行すべき行動計画(アジェンダ21)」でも奨励されています。

「レスポンシブル・ケア」のロゴ