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サステナビリティ推進担当役員メッセージ

部門間・グループ会社間の
コミュニケーションを活性化して
グループ全体でサステナビリティを推進していきます。

取締役 上席執行役員
立花 市子

取締役 上席執行役員 立花 市子の写真

CSO就任にあたって

JSRグループは、サステナビリティを「企業活動を通じて価値創造することで社会に貢献する」ことと定義し、多様性を尊重しながら、グループ共通の方向性に向けてサステナビリティ推進活動に取り組んでいます。こうした基本方針は私がサステナビリティ推進担当役員(Chief Sustainability Officer:CSO)に就任しても変わらず、前任者の活動を引き継ぎながら新たな視点を加えていければと考えています。

私はこれまでコンプライアンスを含む法務に長く携わり、契約書のレビューや企業再編に関する業務などに従事してきました。それらの業務の中では、依頼部門が何を達成したいかをしっかりとヒアリングした上で、取引の相手方がどのような立場でどう考えるか、今後どのような問題が生じそうか、上手くいかなかった場合にどうするかなど、あらゆる場面を想定して対応する必要があり、想像力を発揮することの大切さを日々実感していました。

サステナビリティ推進においても、さまざまな立場や考え方のステークホルダーに対する想像力を働かせた上で、多様な意見や人材を活かし、企業価値の向上につなげるというプロセスが重要です。また、将来的なリスクや機会の見極めなどにおいても想像力は不可欠です。これまでの経験を最大限に活かしながら、CSOとしての役割を果たし、すべてのステークホルダーに貢献する取り組みを進めていきます。

取締役会から社内へ、取り組みを迅速に展開

JSRでは、執行役員であるCSOが取締役を兼任し、取締役会がサステナビリティマネジメントを徹底できる体制を構築しています。CSOが取締役と執行役員を兼務していることで、取締役会での議論に直接参加し、それを社内各部門に展開できるため、効果的な取り組みを迅速に進められる点が本体制の特長の一つです。

2022年度からは、これまで人材開発担当役員が管掌していたダイバーシティ推進もCSOの担当となりました。多様性の尊重はサステナビリティ推進にあたって欠かせない要素の一つなので、取締役兼執行役員としての機動性も活かしながら、ダイバーシティおよびサステナビリティを着実に推進していきます。

強靭な組織の構築に向けて、多様な人材が活躍できる環境を整備

当社グループが2024年度に向けた経営方針の中で掲げている「レジリエンス」は、あらゆる環境変化に対応する強靱さを意味しますが、私は多様性こそがそれに直結すると捉えています。そして、真に強靱な組織を目指すためには、ただ多様な人材がそろっているだけでなく、多様な人材の意見が活かされるインクルーシブな環境・風土をグループ内の隅々にまで行き渡らせることが必要です。

そのためにポイントになるのが「エクイティ(Equity)」という観点です。エクイティとは、一人ひとりの状況に合わせて、能力を最大限に発揮できる機会や必要なリソースを公平に与えることを意味します。当社グループでは「ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン(DE&I)の尊重」をビジョンとして掲げ、多様性を認めるだけでなく公平に機会が与えられることを重視しています。

今後は、エクイティ確保のための施策をしっかりと行うことで、レジリエンスはもちろん、従業員エンゲージメントの向上やイノベーションの創出にもつなげていきたいと考えています。

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マテリアリティ(重要課題)のKPIを設定し、サステナビリティを着実に推進

JSRグループでは、サステナビリティ活動を具体的に推進していくため、2021年度にマテリアリティについてのKPI(Key Performance Indicator)を設定しました。このKPIの検討過程においては、企業理念や経営方針をベースに、社会・自然環境や製品市場、技術動向、ステークホルダーの関心などを総合的に勘案し、サステナビリティ推進部門だけでなく関連部門の意見も取り入れることで適切な指標を選定しました。

事業活動においては、CSV(Creating Shared Value)の実現やSDGsへの貢献を目的に、JSRグループ全体を対象に特定した、それぞれの事業領域におけるサステナビリティ製品について、その販売量・販売比率の向上を目指します。

経営基盤に関する5つのマテリアリティに対応するKPIの運用では、例えば、「環境保全・負荷低減」についてはGHG排出量を2030年度に2020年度比30%削減するという目標を設定し、2050年度ネットゼロ達成につなげます。「従業員・DE&I・働き方」については、従業員エンゲージメントの継続向上に取り組みます。2021年にJSRグループとして初のエンゲージメント調査を実施し、エンゲージメント向上に繋げるべく、2022年度以降も継続します。その中で、調査結果を分析し、アクションプランや改善策を立てていきます。女性管理職比率の向上も目指していますが、これも含めて一部のKPIは国内のみを対象としているため、今後は国や地域に合わせたKPIを設定していくことを考えています。

「健康・安全」については、化学品を製造する会社として何よりも大切な安全・安定操業のため、労働災害・設備災害の件数ゼロを目指します。「人権尊重」については2021年9月に策定したJSRグループ人権方針のもと、当社グループの従業員はもちろん、取引先も含めて人権意識を醸成していきます。

これらのKPIは、およそ半年おきに目標に対する進捗を確認・フォローし、1年単位で総括する方針です。その中で、進捗確認などを契機として部門間やグループ会社間のコミュニケーションを促進するだけでなく、そうした交流から得られた意見をもとに新たなKPI設定につなげていくことを視野に入れています。

部門間・グループ会社間のコミュニケーションを強化し企業価値を向上

私は、サステナビリティ推進は自社の企業価値を最大化する戦略の一つであり、サステナビリティ推進部門が、事業部門、R&D部門、製造部門、間接部門、グループ会社などとしっかりとコミュニケーションをとり、協働して取り組むことが重要だと認識しています。

今後、当社グループのすべての役員・従業員が業務遂行の価値基準としてサステナビリティを自然に意識することを目指して、部門間・グループ会社間で活発なコミュニケーション・情報共有が行われる体制を構築するとともに、対外的には十分な情報発信をしていくことで、CSOとしての役割を全うしていきたいと考えています。

取締役 上席執行役員
サステナビリティ推進、ダイバーシティ推進 担当
サステナビリティ推進部長(CSO)

取締役 上席執行役員 立花 市子のサイン