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汚染予防に向けた取り組み

1.大気・水・土壌環境保全

JSRでは、大気、水及び土壌(地下水含む)を汚染しないように、「大気汚染防止法」、「水質汚濁防止法」、「土壌汚染対策法」等の法令を遵守し、環境保全に努めています。

(1)大気環境保全

① 硫黄酸化物(SOx)および窒素酸化物(NOx)排出量削減の取り組み

JSRでは、以下のような対策に取り組み、SOxおよびNOxの排出量を規制値よりも低いレベルで管理しています。

  • 排煙脱硫装置設置(四日市工場:自家発電)
  • 燃料転換(重油→都市ガス)(2013年度、鹿島工場(鹿島南共同発電))
  • 脱硝装置設置や低NOxバーナーの導入

今後も、上記対策の管理活動を徹底し、現在のレベルを維持していきます。

② VOC※1大気排出量削減の取り組み

JSRでは、『VOC排出量を2000年度対比で75%削減する』という国や業界団体よりも高い自主目標を掲げ、大型設備投資を含めて排出量削減に取り組んできました。

  • 蓄熱燃焼設備設置(合成ゴムの仕上げ系排ガス処理)(2006~2009年度、3工場で5基)
  • 作業方法改善(排出箇所の密閉性強化や薬液サンプリング時のクローズ化など)
  • 漏洩防止対策(バルブ、軸シールなど)

この結果、2021年度のVOC排出量は572トン(2000年度対比 81%削減)となり、自主目標達成を継続しました。
2022年4月でエラストマー事業を分社化しましたが、分社化後のバウンダリで試算すると、VOC排出量は11トンとなります。
今後も、各種排出抑制施策と管理活動を徹底し、現在の排出レベルを維持していきます。

※1 VOC:Volatile Organic Compound(揮発性有機化合物質)

VOC排出量
VOC排出量のグラフ

③ フロン漏洩対策

JSRでは、「フロン排出抑制法」に基づき、第一種特定製品(業務用エアコン、冷凍・冷蔵機器など)の使用時におけるフロン漏洩量抑制に取り組んでいます。
取り組みを適切に進めるため、管理対象範囲をフロン類を使用するすべての機器(第一種特定製品以外も含む)まで広げた「フロン使用機器管理基準」を作成し、同基準に基づいて管理を続けています。

2021年度のフロン類の漏洩量は、CO2換算で462t-CO2(国への報告義務は、1,000t-CO2以上)でした。

また、2020年4月1日の同法改正(保存義務帳票類の増加など)を受け、帳票類などの一括電子管理を行うためのシステム導入をグループ企業を含めて進めています。

今後も適正管理を継続し、漏洩量抑制につなげていきます。

(3)土壌環境保全

JSRでは、各工場において、定期的に土壌および地下水(観測井戸)について、定点調査を実施しています。2021年度も各工場の土壌環境に問題がないことを確認しました。

また、900m2を超える土地の形質変更に該当する工事が発生する際には、自主的に事前の土壌調査を行っています。2021年度は、 四日市工場内の自主調査において、条例の定める基準値を超える濃度のフッ素が検出されました。これを受けて行政へ汚染発見の届出を行い、法および条例に従い、適切に処置を完了しました。

2.PRTR※2対象物質対策

JSRでは、「特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律(化管法)」に基づき、毎年、製造あるいは使用した指定化学物質について、環境(大気、水域、土壌)への排出量および移動量を集計し、国に届け出ています。
あわせて、有害性が高い物質や排出量が多く、かつ環境への影響が大きいと考えられる物質を中心に、排出源の密閉性強化や燃焼による無害化処理、製造プロセス改善などの対策を計画的に実施してきました。

取り組みの結果、2021年度の指定化学物質の大気排出量は118トンとなり、2000年度対比で95%の削減を実現しました。

なお、JSRは2022年4月付でエラストマー事業を分社化しています。分社化後のバウンダリで試算した大気排出量は6トンとなります。

今後も上記の対策を徹底し、大気排出量を現在のレベルで維持するとともに、今後の法改正への対応に向けた事前準備(届出対象物質見直しへの対応)を進めていきます。

※2 PRTR:Pollutant Release and Transfer Register(化学物質排出移動量届出制度)。化管法の定める制度の一つ

PRTR対象物質対策のグラフ

3. 石綿対策

JSRでは、グループ企業を含めた全施設に対して石綿を含有した材料が吹きつけられた個所の調査を行い、その結果判明した該当個所について、「石綿障害予防規則」に従い2006年度に撤去工事、囲い込み工事を完了しています。

また、建築物等の解体作業等を行う場合は、実作業者やその周辺の人々が、石綿ばく露によって健康障害をきたすことがないように、「大気汚染防止法」並びに「石綿障害予防規則」に基づく適切な対応を継続しています。また、今後予定されている大気汚染防止法改正への対応も進めていきます。

4. 地域環境改善への取り組み

JSRは、製造や研究拠点の近隣にお住まいの方々の声を大切にすること、また透明性の高い工場運営は地域環境改善の基本であると考え、モニタリングや環境施設見学会などを定期的に実施し、いただいたご意見に基づく改善に取り組んでいます。

2006〜2007年度に臭気対策として、合成ゴム乾燥排気の燃焼処理設備(RTO※3)を四日市・鹿島・千葉工場に設置したほか、2008年度には、騒音・光害対策として四日市工場にグランドフレアーを設置しました。また、さらなる臭気低減に向け、臭気発生源の密閉化や、消臭剤メーカーと共同で開発した専用消臭剤の噴霧などを実施し、継続的な改善に取り組んでいます。

今後も地域環境改善に対する基本姿勢を崩すことなく、努力していきます。

※3 RTO:Regenerative Thermal Oxidizer。VOCを燃焼させ水とCO2に分解し、よりクリーンな排気を実現する装置

合成ゴム乾燥排気の燃焼処理設備(鹿島工場)の写真
合成ゴム乾燥排気の燃焼処理設備(鹿島工場)
グランドフレアー(四日市工場)の写真
グランドフレアー(四日市工場)
環境苦情件数(JSR単体と国内グループ企業)
年度 2017 2018 2019 2020 2021
環境苦情件数(件) 臭気 0 0 0 0 0
騒音 0 0 0 0 0
振動 0 0 0 0 0
その他 0 0 0 0 0

5. 環境・安全設備投資

JSRは、設備投資中期計画に従い、環境・安全・健康を維持・向上させるための投資を継続的に行っています。2021年度は、労働災害防止、設備の老朽化などの安全設備投資と環境設備投資を合わせ、44億円の投資を実施しました。今後も取り組みを続けていきます。

環境・安全設備投資のグラフ

6. 廃棄物処理施設に係る維持管理情報

廃棄物処理施設に係る維持管理情報(四日市工場)

維持管理情報

2022年4月1日付で、弊社のエラストマー事業を株式会社ENEOSマテリアルへ譲渡したことにより、四日市工場に設置されている廃棄物処理施設は株式会社ENEOSマテリアルが承継しました。
2022年4月分以降の維持管理情報は、株式会社ENEOSマテリアルから公表します。

なお、2022年3月分より前の維持管理情報につきましては、当該月の翌月の末日から3年を経過するまでの間、引き続き当サイトで公表します。