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生物多様性保全

1. JSRグループの生物多様性保全方針

JSRグループでは、JBIB※1の「企業と生物多様性の関係性マップ®」を活用して生物多様性に関する課題を整理し、2012年度に生物多様性保全に関する方針を策定しました。この方針に基づいて、具体的な取り組みを推進しています。

※1 JBIB:一般社団法人 企業と生物多様性イニシアティブ

JSRグループは、持続可能な社会の構築に貢献するために、事業活動がどのように生物多様性に依存し、影響を与えているかの把握に努め、生物多様性保全への配慮を推進していきます。

  1. 1.天然由来の原料資材等の調達において、生物多様性保全への配慮に努めます
  2. 2.事業所の緑地を生物多様性に配慮したものにするための取り組みを推進します
  3. 3.生物多様性に配慮した製品開発を推進します
  4. 4.社員の参画や地域社会との連携を重視した取り組みを推進します

2. 生物多様性への依存および影響

JSRグループでは、事業が生物多様性に依存する部分、および事業が生物多様性にもたらす影響について、JBIB「企業と生物多様性の関係性マップ®」を更新しながら把握していますが、2022年4月現在、新たな影響の発生は見られませんでした。

また、新たな事業所についてIBAT※1を活用して調査した結果、2022年4月現在、主要な生物多様性地域(KBA)に立地している事業所はありませんでした。

※1 IBAT:Integrated Biodiversity Assessment Tool
国連環境計画(UNEP)等が参加する生物多様性プロジェクト「IBAT Alliance」が提供するリスク測定ツール

3. 取り組みの進捗状況

方針1. 天然由来の原料資材などの調達において、生物多様性保全への配慮に努めます(使用する原材料)

1) 天然由来の原材資材が生物多様性に及ぼす影響の把握

一部の副原料に天然由来のものがありましたが、トレーサビリティなどを調査した結果、問題になるものはありませんでした※3。今後も新たに対象となる可能性のある原料資材を使用する場合は調査を実施します。

※3 RSPO(持続可能なパーム油のための円卓会議)認証を受けているパーム油を原料とする界面活性剤等

2) 持続可能な紙利用の実践と社会への拡大・浸透に向けた活動を推進

JSRグループでは、製品の主原料ではないものの、コピー、刊行物、封筒、包装資材などに紙を使用しています。このため、「持続可能な紙利用のためのコンソーシアム」に2013年の設立以来参画し、持続可能な紙利用の社会全体への拡大・浸透を図っています。

グループ内での紙利用については、2013年度に「JSRグループ紙調達に関するガイドライン」を策定し、社用封筒やコピー用紙などについて「古紙を主原料とする用紙、又はFSC等の森林認証紙」を優先的に調達する取り組みを推進しています。森林資源の持続可能な利用に向けて、引き続き取り組んでいきます。

方針2. 事業所の緑地を生物多様性に配慮したものにするための取り組みを推進しています(土地利用)

JSRの国内2工場および筑波研究所では、周辺の自然環境を考慮し、事業所緑地を生物多様性に配慮したものにする取り組みを行っています。JBIB「いきもの共生事業所推進ガイドライン」に基づく事業所緑地の調査結果および専門家の協力を得て作成した緑地改善計画をもとに、2014年度までに構内緑地をより生物多様性に配慮したものに整備しました。その後は各事業所において、JBIB「いきものモニタリングシート」を使ったモニタリング調査や自然観察会、外来植物の排除など、事業所が主体的に取り組みを継続しています。
以下に、各事業所の取り組み状況を報告します。

2021年度は、新型コロナウイルス(COVID-19)感染症の影響で、十分な取り組みが行えませんでしたが、今後も取り組みを継続していきます。

四日市工場
取り組みの概要 2021年度の取り組み 今後の活動計画
  • 工場の緑地をコミュニケーションや環境教育の場として積極的に活用していく
  • 社員の家族を招いての生物多様性に関するイベントの実施
  • 工場敷地内および社宅地区内の緑地の維持管理
  • 工場敷地内および社宅地区内の緑地の維持管理
  • モニタリング調査、自然観察会は、コロナ禍により中止
  • これまでに生物多様性に配慮した緑地として整備した工場敷地内および社宅地区緑地の維持管理(継続)
  • 地元博物館学芸員の解説による従業員家族の自然観察会の開催(継続)
千葉工場(現JSRアートン製造株式会社)
取り組みの概要 2021年度の取り組み 今後の活動計画
  • 工場敷地内緑地「憩いの広場」を生物多様性に配慮した緑地として整備し、生物多様性のコミュニケーションの場として活用する
  • 敷地内緑地の除草、清掃など維持管理
  • 自然観察会はコロナ禍により中止
  • 重点エリアの整備と活用推進(継続)
筑波研究所
取り組みの概要 2021年度の取り組み 今後の活動計画
  • 生物多様性推進エリアを設定し、生き物に配慮した緑地管理を行う
  • エリア内での化学物質(除草剤/化学肥料)の原則使用禁止(活動継続)
  • 落ち葉や枯れ枝の土壌化(物質循環への配慮)(活動継続)
  • 定期的な外来生物の監視と排除
  • モニタリング調査、自然観察会は、コロナ禍により中止
  • これまでの取り組みを継続する
9年連続でカルガモを確認(筑波研究所)の写真
9年連続でカルガモを確認(筑波研究所)

方針3.生物多様性に配慮した製品開発を推進します(製品の使用・廃棄)

  • 環境配慮型製品の基準に盛り込んで取り組みます。

方針4.社員の参画や地域社会との連携を重視した取り組みを推進します

  • 各事業所で各種イベントを企画していましたが、2021年度はコロナ禍で中止