基本的な考え方
JSRグループは重大な危機が発生した場合に、事業活動への影響を最小限にとどめることを経営の重要課題と位置づけ、リスク管理委員会を設置しリスク管理活動を推進しています。
リスク管理委員会は、会社の顕在化した、または潜在的なリスクのうち、取締役会等の重要な会議において審議する、事業の推進に伴うもの以外のリスク*について、対応方針を策定し、全社的リスク管理を推進することを目的としています。
*取締役会等の重要な会議において審議される、事業の推進に伴うリスクとは、設備投資やM&Aといった戦略的なリスクを言います。
リスク管理への取り組み
2008年度にJSRおよび全グループ企業におけるリスク管理の仕組みを構築し、2009年度中の運用を予定しています。毎年定期的に全部門においてリスクの洗い出し、評価、対応策の策定を行い、特に重要なものについては全社重要リスクと位置づけ、リスク管理委員会によって管理、改善をしていきます。
また、当社グループは2004年度に「危機管理マニュアル」を制定し、重大危機が発生した際の体制の強化に取り組んでいます。危機管理マニュアルは、危機発生時の対応方針および各部門の行動指針を定めたガイドラインで、危機が発生した場合の事業活動への影響を最小限にとどめることを目的としたものです。危機管理マニュアルは毎年実施される危機管理訓練によって見直し、体制の強化を図っています。
危機管理訓練
危機管理訓練の様子(四日市工場)
危機管理訓練の様子(本社)
JSRグループでは、2004年度から「危機管理訓練」を毎年実施しています。危機管理訓練は、大規模災害が発生したという想定のもと本社と事業所が合同で実施する訓練で、万一大規模な災害が発生した場合、ステークホルダーにおよぼす被害・影響を最小限にとどめるため、危機発生時における対応能力の強化を目的としています。
2008年度は四日市工場で重大災害が発生したという想定で、現地と本社にそれぞれ対策本部を設置し、シミュレーション訓練を実施しました。また、緊急事態発生時に関係者へ迅速に連絡し、召集をかける体制を強化するために、本社および国内3工場(四日市工場、鹿島工場、千葉工場)への自動通報システムの導入を完了しました。今後も定期的に訓練を継続し、危機管理に対する体制強化に努めると同時に、事故・災害の未然防止の徹底を図り、緊急事態発生時には迅速な対応でリスクを最小限にとどめることができるように体制を強化していきます。
大規模地震対策
1995年度から大規模地震対策に関する中期計画を策定し、対策強化に計画的に取り組んできました。2006年度に中期計画の見直しを行い、耐震性能診断結果を基に、工場内の高圧ガス設備を重点対象とした耐震工事を進めています。また、2008年度には人命第一の考え方のもと、JSRの全ての事業所に緊急地震速報を設置しました。
新型インフルエンザ対策
2008年度には、新型インフルエンザの発生に備えて、新型インフルエンザ対策を策定しました。策定された計画に基づいて、社員への周知・教育を推進し、マスク・消毒液等、衛生用品の備蓄、海外拠点における対応、在宅勤務用パソコンの確保等の事前対策を講じました。
情報セキュリティ
JSRグループは「情報セキュリティ方針」を定め、社員への周知を徹底することで情報の適正管理に努めています。
- 情報セキュリティ方針
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- ●JSRグループは、当社および顧客・取引先などの第三者の情報資産の取り扱いについては、法令その他の社会的規範を遵守すると共に、これを適切に保護していきます。
- ●JSRグループは、業務を効率的に遂行するため、当社の情報資産の整備につとめ、これを積極的に活用していきます。当社役員および従業員は、当社の情報資産を、与えられた権限の範囲内で業務の目的のためにのみ利用します。
- ●JSRグループは、組織・体制を整備し、情報セキュリティに関する教育を行い、本方針及び関連諸規程の周知徹底をはかり、情報セキュリティ確保に向けた対策を推進します。
- ●JSRグループは、適切な人的・組織的・技術的施策を講じ、情報資産に対する外部からの不正侵入、漏洩、改ざん、紛失・盗難、破壊などが発生しないよう努めます。
- ●JSRグループは、万一情報資産にセキュリティ上の問題が発生した場合、その原因を迅速に究明し、その被害を最小限にとどめ、再発防止に努めます。
- ●JSRグループは、外部環境の変化などに適切に対応するため、情報セキュリティ対策の評価・見直しを定期的に実施します。