JSRグループのCSR活動は、外部評価機関より評価を受けています。活動を評価した以下のSRI(社会的責任投資)指標や銘柄に組み入れられています。
2009年より、日本国内の代表的なSRI指標である「モーニングスター社会的責任投資株価指数※」に選定されています。
※「モーニングスター社会的責任投資株価指数」は、国内上場企業の中から社会性に優れた企業と評価する150社を選定した社会的責任投資株価指数です。本株価指数は、将来のパフォーマンスを保証するものではなく、いかなる責任も負いません。著作権等一切の権利はモーニングスター株式会社並びにMorningstar,Inc.に帰属し、許可なく複製、転載、引用することを禁じます。
また、2016チャンネル・ニュース・アジア・サステナビリティ・ランキングにおいて90位に選出されました。その他JSRグループは2013年度より継続してGlobal Compact 100に選定されています。
特定非営利活動法人 サステナビリティ日本フォーラム代表理事
後藤敏彦
2016年は英国のEU離脱決定、米国でのトランプ大統領の当選等、大方の想定とは違う動きが出てきています。不確実性の時代に新しい方向性が見出せなくて保守的になったのかもしれませんが、背景は先進国の中間層の没落です。
しかし、2016年11月4日にはパリ協定が採択からわずか11ケ月未満で発効しました。京都議定書が発効までに7年強かかったことを考えると、それだけ世界の危機感が強いものと思います。
事実、インドは2030年から、フランスは2040年からは化石燃料を燃やして走る車は販売しないことを宣言しました。中国も新エネ車の生産義務付けを計画と報ぜられています。有限な地球環境の中で持続可能な発展という新しいパラダイムで動きだした証です。
総じて日本社会の気候変動に対する危機感の希薄性が指摘されていますが、貴社には「Material Innovation―マテリアルを通じて価値を創造し人間社会(人・環境・社会)に貢献します。」を貫徹していただきたいと考えます。例えば、天然ゴムは熱帯雨林の破壊という大きな課題を抱えており、代替物への取り組みが期待されます。それとは別に、先進国ワースト・セカンドの日本の格差の拡大(中間層の没落、母子家庭の貧困)にどう対応していくかも考えていっていただきたい。「社会的課題の解決はビジネスの機会でもあるわけです。」とコミットされていますように、素材、B to B事業であっても、働き方改革(本来は自社内に限らない)やバリューチェーンの中で、特に上下流側のニーズを知ることなどで取り組めることはあり得ると考えます。貧困撲滅は「持続可能な開発のためのアジェンダ2030(SDGs)」を通底する課題です。
IOT、AIなどデジタル・イノベーションに言及されていますが、昨年と今年では様変わりで、遅れていた日本企業が横並びで一気に動き出したと感じております。ファイン事業等での取り組みを評価します。
昨年提言させていただいた2030年頃のあるべき姿を策定されたこと高く評価します。そのうえで、「次の20年、30年については、ぜひ若い世代が主体となって取り組んでほしいと思っています。」とコミットされています。将来ビジョン構築のための若手チーム設置を期待します。
プロデューサー、テクノロジストの育成と、ダイバーシティ、女性活躍推進、生産性向上は同軸上の課題です。そのための必須事項がワークライフマネジメントであり経営事項としての貫徹を期待します。
「安全衛生基本理念」「行動指針」を策定され、「相互啓発組織への始動」を開始されました。システム的に対応するにはISO14001との一体化も考えられますので要検討事項です。今年はISO14001:2015年版に切り替えられますが、攻め=Eco Innovation=機会、の見える化を期待します。また、気候変動対策は「緩和」だけでなく「適応」もリスク・機会ともにあり得ます。
全般を通じて、すべてを真摯に考えておられますが視野および課題が少し自社内に限られているように感じました。今後とも事業内容が変わっていく可能性が大であり、また変わらねばサステナブルではないと考えると、もっと外からの視点を自らのものにするアウトサイド・インの必要があると思います。社員一人一人のソーシャル・キャピタル(人脈の豊富さ)を増やすよう、ボランティアや社外学習活動への参加等をもっと奨励するのも一策です。
最後に数値データがもっと多くてもよいと感じました。別途データ集を検討されたら如何でしょう。
特定非営利活動法人 サステナビリティ日本フォーラム代表理事
認定特定非営利活動法人 環境経営学会会長、特定非営利活動法人 社会的責任投資フォーラム理事・最高顧問、一般社団法人 グリーンファイナンス推進機構理事、一般社団法人 グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパン理事、など。
環境省事業//EA21改訂検討作業部委員会委員/環境情報開示基盤整備事業WG座長/環境コミュニケーション大賞審査委員/ Eco-CRIP事業検討会座長/日中韓環境大臣会議会議(TEMM)付設環境産業会議(TREB)団長など複数委員会の座長・委員を務める。ISO/TC207エキスパート。元GRIボードメンバー。東京大学法学部卒。
当社グループのCSRレポートへのご意見を賜り、ありがとうございました。
企業理念「Materials Innovation―マテリアルを通じて価値を創造し、人間社会(人・社会・環境)に貢献します。」を実践する経営とCSRが一体のものと捉え、社会的課題の解決に取り組んでいます。今年度から当社グループにとっての重要課題を3つの軸で整理し、同時にあるべき姿も描き、各重要課題の立ち位置と目標をわかりやくしました。
ご提案いただきました「将来ビジョン構築のための若手チーム設置」につきましては着手いたしました。「社員一人ひとりのソーシャルキャピタルを増やす」については、社員の社外とのコンタクトの機会を増やしたり、社会貢献のやり方の中でも考えていこうと思います。また、安全文化のステップアップにおけるシステム対応やデータ集の作成についても検討してまいります。
JSR株式会社 CSR部
JSRグループは「JSRグループ CSRレポート 2017のWeb版およびハイライト版」に記載されている事項に関して、一般社団法人 日本化学工業協会レスポンシブル・ケア検証センターの第三者検証を受審しています。