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ステークホルダー・コミュニケーション地域・社会

1.地域社会との対話

JSRグループは工場や研究所の活動、製品およびサービスが地域社会に影響を及ぼしていることを認識し、地域社会との共生を図っています。地域社会との良好な関係を築くべく、意見を取り入れて、取り組みを継続しています。

レスポンシブル・ケア 地域対話への参加

一般社団法人日本化学工業協会(以下、日化協)RC委員会は、RC活動の一環として、全国で地域対話を開催し、製造や研究拠点の近隣にお住まいの方々をはじめ、教育関係者、行政、各種団体の方など、各ステークホルダーの方々にご参加いただいています。参加企業の紹介や日頃の安全・環境に対する取り組みを地域の皆様にわかりやすく説明し、理解と安心を深めていただく一方、地域の皆様が抱いている不安や疑問点などにお答えしております。2019年度はテクノUMG宇部工場が山口西地区地域対話に参画しました。

2.社会貢献

(1)基本的な考え方

JSRグループは、2009年1月に「社会貢献についての基本的な考え方」を制定しました。私たちはこの指針に沿って取り組みを推進しています。

社会貢献についての基本的な考え方

  • ① 企業理念に基づき事業活動を通じて社会に貢献することに加えて、社会の責任ある一員として、社会的要請・社会的課題の解決に積極的に取り組みます。
  • ② JSRが事業の基盤をおいている「化学・技術」の知識・技能を活かして、暖かみのある社会貢献活動に持続的に取り組みます。
  • ③ 社員一人ひとりが社会との接点を持ち、自発的に社会貢献活動に参加することを積極的に支援します。

また、2010年には「災害義援金拠出基準」を新たに制定し、災害義援金を拠出する際の判断基準を明文化しました。この基準の制定により基準が明確になり、より迅速かつ公正な拠出が可能になりました。

(2)推進体制

社会貢献委員会にて、JSRグループが取り組むべき社会貢献活動を検討し、推進しています。

(3)新型コロナウイルス感染症に関する取り組み

JSRグループは、新型コロナウイルス感染症の脅威に対して、グループ一丸となって課題に対処して参ります。具体的な取り組みに関しては、下記のリンクを参照ください。

(4)2019年度の取り組み

2019年度にJSRグループが実施した、主な社会貢献・地域貢献活動を紹介します。

① 学術、教育、文化

JSRグループでは、国内外の拠点において生徒・学生への教育活動、インターンシップの受け入れ、職場体験の受け入れを継続して実施しており、次世代の育成や教育機会の創出に貢献しています。

小学生に出前授業を実施

2019年8月8日、四日市市教育委員会主催「第8回四日市こども科学セミナー」に出展しました。実験を通じて、子供たちに科学への興味・関心を高めてもらうことを目的としています。JSRのブースでは約120名の子供たちが合成ゴムの凝固実験を体験、工場での環境に配慮した排水液の処理方法の説明を聞きました。
また、2019年10月に内部東小学校93名に対し、「こどもよっかいちCO2ダイエット作戦」として地球温暖化について学ぶ出前講座を行いました。

出前授業の様子

出前授業の様子

地元中学生に出前授業を実施

2019年9月、神栖市立波崎第二中学校において、2年生50名を対象にJSR鹿島工場の従業員が「出前授業」を行いました。授業内容は、「ラテックス凝固実験」「弾むボールと弾まないボール」「割れないプラスチック」の3つの実験を行い、JSRのイメージキャラクターである分子くんを用いて、素材の特徴と分子の関係をわかりやすく説明しました。

  • 出前授業の様子1
  • 出前授業の様子2

出前授業の様子

出前授業の様子

地域産業担い手の技能者育成事業への参画

JSR 四日市工場は、近隣にある高校から12名の企業内研修を受け入れました。工場見学やミニチュアプラント実習などを通じて、工場での仕事内容や安全対策を学んでもらいました。

  • 実習の様子1
  • 実習の様子2

実習の様子

実習の様子

日本大学で従業員が講師を務める

JSR 千葉工場の従業員が産学連携強化事業※1の一環として、日本大学生産工学部にて講義を毎年実施しています。
2019年は10月15日に「ゴムの性質と製造方法の概要」「品質保証について」を講義し、約120名の学生に参加いただきました。

※1 市原市が推進する「産業界と学校の連携強化事業」

  • 講義の様子1
  • 講義の様子2

講義の様子

講義の様子

中国からの研修生受け入れ

2019年11月18日、ICETT※2を通じて中国天津市より4名の研修生(天津市生態環境局職員、行政官、技術者)をJSR 四日市工場で受け入れし、環境研修会を行いました。研修生は、環境保全の活動状況や排水処理技術などの講義を受講し、工場内の施設を見学しました。研修生からは数多くの質問が飛び交い活発な意見交換がなされ、大変有意義な研修となりました。
JSRはICETTの設立当初より環境活動への取り組みや環境技術などを紹介し、これまでに延べ594名(54カ国)の研修生を受け入れています。これからも地球規模に広がる環境問題の改善に貢献すべく、積極的にICETT事業へ協力して参ります

※2 ICETT:公益財団法人 国際環境技術移転センター。日本国内で蓄積されてきた公害防止技術や環境管理技術のノウハウなどを開発途上国に移転するために、経済産業省や国内の主要企業、学術機関などの支援を得て、三重県と四日市市および出捐企業によって1990年3月に設立された団体。

「女子中高生夏の学校〜科学・技術・人との出会い」への支援

JSRは、NPO法人女子中高生理工系キャリアパスプロジェクトが運営する「女子中高生夏の学校」の活動に支援をしています。

女子中高生夏の学校:女子中高生が科学技術にふれ、科学技術の世界で生き生きと活躍する女性たちとつながり、科学技術に関心のある仲間や先輩とともに将来を考えるプログラム。科学研究者・技術者、大学生・大学院生などとの交流を通じて理系進路の魅力を知り、あるいは再認識し、理系に進もうという意志を高めることを目的としています。プログラム後には、参加女子中高生の進路選択、キャリア形成について考えを深めるための支援を実施している。

教育機会の創出 想い出のランドセルギフト活動への参加

JSRグループおよびJSR労働組合が協力し、2014年より国際協力NGOジョイセフの「想い出のランドセルギフト」活動に継続して参加しています。この活動は、使われなくなったランドセルをアフガニスタンの教育の機会に恵まれない子供たちに寄贈し、就学に役立てる活動です。子供たちが学校で学び、読み書きができるようになることで、自分や家族の健康を守る知識や情報を身につけられるようになることを目指しています。2020年5月にランドセルと鉛筆やノートなどの文房具を寄贈しました。社員一人ひとりが取り組める社会貢献活動として今後も継続していきます。

寄贈したランドセルと文房具

寄贈したランドセルと文房具

NPO法人 東北の造形作家を支援する会(SOAT)の支援

JSRはNPO法人SOATの活動を支援しています。

SOATは東日本大震災で被災をされた皆様へ、アートワークショップを通した生きがい作りの支援活動を行っています。その活動の一つとして、被災されたお母さんたちと一緒にワインバッグを製作し、JSRトレーディングのワイン販売会において販売しています。インテリア販売会社アクタスのカーテンの残り生地とテクノUMGの底板を用いた、サステナブルなワインバッグです。なお、収益はすべて製作者に還元されています。

製作いただいたワインバッグ

製作いただいたワインバッグ

房総里山芸術祭 いちはらアート×ミックス2020 支援

いちはらアート × ミックスは、市原市が主体となり千葉県および近隣市町村共同で実施しているイベントです。市原市南部地域の里山を舞台に、現代アートによって地域資源に光を当てた地域発の芸術祭として開催しています。JSR 千葉工場は本イベントPRに協力し、地域の芸術振興に貢献しています。開催は、新型コロナウイルス感染症の影響により2020年3月から2021年3月に延期されました。

大塚戸芸能保存会への寄付

茨城県常総市にある大塚戸芸能保存会は、綱火(つなび)という江戸時代から伝承される民俗芸能の伝承に努めています。綱火とは、あやつり人形と仕掛花火とを結合させた民俗芸能であり、空中に張りめぐらせた綱により花火のついた人形(で木く偶)を操作し、芝居を演じるもので、大塚戸町では、町内の一言主(ひとことぬし)神社の例大祭当日に毎年奉納され、公開されています。エラストミックスはこの保存会へ寄付をし、民俗芸能の伝承に貢献しています。

② 地域社会の活動、環境

JSRグループハーモニーフェスタの開催

四日市地区では近隣にお住いの方々とJSRグループ従業員やその家族との交流の場として「JSRグループハーモニーフェスタ」を毎年開催しています。地元の恒例行事となっており、20回目となる2019年度は約1,700名が参加しました。会場はスポーツやゲーム、サッカー教室、絵手紙づくりコーナー、抽選会など様々な催し物で賑わいました。また、ステージでは近隣学校によるダンスや演奏を披露していただきました。昨年に引き続き、障がいのある人たちに働く場を提供して自立に向けたサポートを目的としたNPO法人呼夢・フレンズに飲食物を出店いただきました。
JSRグループハーモニーフェスタは、近隣にお住まいの方々とJSRグループとが良好な関係を築く、良い機会となっています。

  • 20周年受付ゲート

    20周年受付ゲート

  • 販売ブース 呼夢フレンズさん

    販売ブース 呼夢フレンズさん

国際海岸クリーンアップ活動に参加

JSR BST Elastomer(タイ)が非営利団体オーシャン・コンコンサーバンシーが主催する「国際海岸クリーンアップ活動(International Coastal Cleanup:ICC)」に昨年に引き続き参加しました。2019年は60名の従業員とその家族が参加し、同じ工業団地に拠点を置く他企業、地元企業、教育機関、コミュニティのボランティアと協力してメーラムプン・ビーチを清掃しました。
この活動は毎年9月の第3土曜日に世界中で開催され、各国のビーチ、湖、海、川の清掃を行うものです。世界91ヶ国で総勢約50万人もの参加者が清掃活動を行う、世界で最も大きい海洋保護活動の一つとされています。

離島の海岸清掃に参加

JSR 四日市工場は、三重県鳥羽市にある離島、答志島の海岸清掃活動に参画しました。三重県産業廃棄物対策推進協議会に加盟している企業・団体と三重県の環境行政が参加しています。当社四日市工場は、本協議会で役員企業を務めています。

水を守る森林づくり体験活動に参加

テクノUMG 宇部工場は「水を守る森林づくり体験活動」に、厚東川工業用水利用者協議会の会員企業として毎年参加しています。樹木や竹の間伐体験を通じて森林の役割や森林整備の必要性について理解を深めるとともに、厚東川ダム流域の水源かん養維持に貢献しています。
また、「山口県美祢市にある秋吉台の草原を守り・育む活動(伝統行事の 火道切り・山焼き)」にも毎年参加しています。
本活動は、関係団体や地域の方々をはじめ、県内の企業やその家族などが参加して行われており、水源保全活動および伝統行事のお手伝いを通じて地域に貢献しています。

  • 水を守る体験活動1
  • 水を守る体験活動2

水を守る体験活動

水を守る体験活動

③ 社会福祉、健康

献血活動への協力

血液は長期保存することができず、また人工的に造ることができません。
医療機関に安定的に血液を供給し、一人でも多くの方が助かることを願い、JSRグループでは、長年に渡って国内および海外拠点で献血活動に積極的に協力しています。

助け合い募金

JSR Micro Korea(韓国)は、清原区役所を通じて地域の恵まれない家庭に社内バザーオークションで集めた募金を渡しました。ひとり親家庭で所得のない家庭や障がいを持つ低所得の独居老人など区役所が選定した家庭に配っていただきました。

外国コイン募金活動

JSRグループでは、東京地区、四日市地区、筑波地区において、外国コイン募金活動を継続して行っています。集まった外国コインは公益財団法人日本ユニセフ協会に寄付され、世界のの子供たちの生命と健康、権利を守るためのユニセフの活動に活用されています。

募金箱(東京地区)

募金箱(東京地区)

フードバンクへの寄付

JSRグループでは、各拠点において防災用品・非常食の見直しの際、まだ賞味期限が残っているものを近隣のフードバンクに寄贈しています。寄贈した食品類はフードバンクから困っている施設や人に届けられ、困っている方々の生活に役立てられます。

アルミ缶回収活動への協力

JSR 四日市工場では、2010年10月から四日市市の障がいを持つ子供たちの自立支援団体、社会福祉法人「あいプロジェクト」のアルミ缶回収活動に協力しています。アルミ缶は、多機能型作業の1つ「アルミ缶つぶし」に役立ち、今後もこのプロジェクトに協力していきます。

エコキャップ運動

JSRグループでは、東京地区、四日市地区、JMエナジーにおいて通常はゴミとして焼却してしまうペットボトルのフタを収集し、再資源化業者へ売却することにより得た資金で世界の子供たちにワクチンを届けるエコキャップ運動を継続して実施しています。

PETボトルキャップ回収箱とアルミ缶回収箱(JSR 四日市工場)

PETボトルキャップ回収箱とアルミ缶回収箱(JSR 四日市工場)

「TABLE FOR TWO(TFT)」プログラム

JSRグループ東京地区、四日市地区において2010年2月より、NPO法人TABLE FOR TWOが運営するTFTプログラムに参加しています。2020年3月末までにのべ約16万人分の給食を寄付しました。
TFTは、開発途上国の子供たちと食事を分かち合う取り組みです。従業員がTFT指定のヘルシーな食事を購入すると、1食あたり20円が支援先の学校給食1食分として寄付されます。学校給食は子供たちの空腹を満たすだけではありません。就学率や学業成績の向上、子供たちの基礎体力向上と病気予防の強化、学校と親とのコミュニティ形成などの効果が期待され、貧困解決のために重要な役割を担っています。
四日市地区では飲料自動販売機を通じた活動(CUP FOR TWO)を継続中です。

TFT感謝状
JSR グローバルな健康問題解決のための寄付

NPO法人国境なき医師団日本のHIV/エイズ治療などの継続的な医療援助活動や、コレラやマラリアなどの感染症対策活動に賛同し、寄付をしています。

化学人材育成プログラムへの参加

化学人材育成プログラムは、経済産業省の「化学ビジョン研究会」が2010年4月にまとめた報告書での提言を受け、同年10月に日本化学工業協会が創設したもので、日本の化学産業における国際競争力の強化と産業振興の基盤となる若手人材の育成を目的に、化学産業が大学に求める人材ニーズを発信し、これに応える大学専攻とその学生を産業界が支援するプログラムです。当社は本プログラムを通して、優れた取り組みを行っている専攻およびその学生に支援を行っています。

④ 災害被災地支援

令和元年台風15号および19号への支援

当社は、令和元年15号および19号で被災された方々の救援や被災地の復興にお役立ていただくために、義援金を拠出いたしました。被災された皆様の生活が一日も早く平穏に復しますよう、心よりお祈り申し上げます。

「東北復興応援マルシェ」を開催

2020月2月6日、東京地区にて4回目となる「東北復興応援マルシェ」を開催しました。東日本大震災で被災した東北3県(岩手、宮城、福島)の物産を販売するサステナビリティ企画です。東北3県から8つの事業者が出店くださいました。社内外から多くの方が来場し、出店者とコミュニケーションをとりながら買い物を楽しんでいただきました。東日本大震災から約9年経過し、被災地は事業推進段階に移行しつつありますが、未だ約4.7万人の方が避難生活を送っています。JSRグループは事業活動を通じた社会貢献に加えて、社会の責任ある一員として今後も社会的要請・社会的課題の解決に積極的に取り組みます。

  • 東北復興応援マルシェとJSRトレーディング ワイン即売会1
  • 東北復興応援マルシェとJSRトレーディング ワイン即売会2

※ 避難者数:復興庁2020年3月11日公表値
協力:平成31年度 復興庁被災者支援コーディネート事業事務局(株)三菱総合研究所

⑤ 従業員のボランティア活動支援

JSRでは、社員一人ひとりが社会との接点を持ち、自発的に社会貢献活動に参加することを積極的に支援しています。社会貢献活動のために休暇が必要な場合は、ボランティア休暇として年間通算5日まで有給休暇を取得できます。