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CSRレポート2012

最先端のビジネスを支えるマテリアル

新しいビジネスや成長分野では、用いられる技術やマテリアルにも変革が求められます。JSRグループでは今後の成長が見込まれる「戦略分野」で、さまざまなチャレンジを重ねています。既存の優れた素材の薄膜加工や、薄膜の表面に精密加工を施すことで付加価値を高めたり、高機能材料や高分子技術を積極的に応用するなどにより、刻々と変化する社会のニーズを先取りして貢献していきます。

メディカル材料を詳しくご紹介します

ライフサイエンスとマテリアルのかかわり

グローバルに展開するメディカル事業

医薬品の研究開発には高い精度が求められる一方、ひとつの薬として世に出るには長い時間がかかります。JSRグループが培ってきたマテリアルの技術は、それを支えることができると考えています。薬をつくるときの各局面で必要な材料・技術を提供したり、「薬が効くかどうか」を診断したり、製造に必要な材料を提供することで、創薬分野をサポートします。また、病気や体質の診断のための粒子製品も扱っており、この製品は臨床検査から遺伝子分析まで幅広い分野で活用されています。


■中国

診断薬事業の合弁会社を設立

中国での診断薬市場は、沿岸部の富裕層に続く経済中間層の増加、加えて中国政府の施策による農村部への医療普及などの環境変化により高い成長を見せています。そこでJSRは2012年2月、中国・北京市に拠点を持つ診断薬メーカー、北京万泰生物薬業有限公司との合弁会社「捷和泰(北京)生物科技有限公司」を設立しました。これまでの事業ノウハウと粒子素材の技術、中国全土に広がる販売網を有効に活用しながら、更に事業領域を拡大し、診断薬中間体ビジネスを展開していきます。

■オーストリア

バイオメディカル分野拡大のための戦略的投資

2011年11月、JSRは、オーストリアにある生物医薬の分野での分離・精製のエキスパートであるBIA Separations社に対して戦略的投資を実施しました。同社は、ワクチンや遺伝子治療薬、抗体医薬などの精製に使用される小型の「モノリス型クロマトグラフィカラム」を開発製造している世界で唯一の会社です。今回の提携により、両社の持つ技術を活かして高効率の精製技術を市場に提供できるようになり、先端医療分野に大きな貢献ができるものと考えています。

■日本

JSRライフサイエンス社の設立
谷敍孝

JSRライフサイエンス株式会社
代表取締役 谷 敍孝

2012年2月、メディカル材料事業の開発、製造、販売を手がける新会社としてJSRライフサイエンス社が誕生しました。
今、メディカル分野では世界でふたつの大きな動きがあります。一方は、未だ治療法が見つからないものを治せるような高度な技術に対するニーズ、もう一方は中国などを中心とした量的なニーズの拡大です。こうした動きに即応するためには、日本だけで研究開発や事業を進めるのは限界があります。もともと研究開発はグローバル横断型でしたが、JSRライフサイエンス社が実質的なヘッドクォーターとなり、社内に分散していたメディカル材料に関するリソースを集約することで、より効率化を図ります。
私たちは優れた高分子技術をはじめとした化学会社ならではの「素材の力」に自信を持っています。これをベースにすることで、他の企業にはできない事業が展開できるものと考えています。中長期的には、社外のさまざまな知見がある機関との連携やベンチャーへの投資なども組み合わせて商品のバラエティを増やし、総合力を発揮できるようになれればと思います。

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