JSRの新たなコアビジネスの成長を目指し、
米国でライフサイエンス事業の中核を担う。
齋藤氏
JSR Life Sciences, LLC 出向
2009年入社
JSRの新たなコアビジネスの成長を目指し、
米国でライフサイエンス事業の中核を担う。
齋藤氏
JSR Life Sciences, LLC 出向
2009年入社
バイオプロセス部門の企画管理業務と、
買収企業間のガバナンス向上を任される。
JSRは培ってきた高分子技術をベースにライフサイエンス領域に進出し、この事業を次世代のコアビジネスに成長させようとしている。まずは2012年にJSRライフサイエンス株式会社を日本に設立。その後、ライフサイエンス関連で有望視されていた米国の2社と日欧から各1社を買収。現在は2019年に設立されたJSRの孫会社であるJSR Life Sciences, LLC( LSLLC)が、米国カリフォルニア州サニーベールを拠点に、JSRのライフサイエンス事業の中核を担っている。そこにJSR本社から送り込まれたのが齋藤である。
「私は現在、バイオプロセス部門の企画管理業務並びに、LSLLCが統括するグループ各社のガバナンス体制の向上施策に取り組んでいます。バイオプロセス部門は、バイオ医薬品の製造段階に必要になる材料の開発と販売が主要事業です。私は最初に損益を取りまとめ、事業の課題を定量的に分析していきます。そこから実行可能な改善への提案を含めたレポーティングをライフサイエンス事業の経営層や本社に対して行い、他のメンバーと共に事業の発展に向けたビジネス戦略の構築を担っています。また、JSRのライフサイエンス事業はグループ各社の事業により、医薬品の研究受託、医薬品の製造開発受託、診断薬、診断薬材料、そしてバイオプロセスの5つのビジネスラインを構成しています。私はそれら5つのビジネスの損益を連結した上で、ライフサイエンス事業全体の損益管理という視点から各社の経営課題を抽出したり、各社間の連携役を果たしたりすることでシナジーの発揮を追求しています_
医薬品事業特有の長期的な事業展望。
その中で投資戦略を練り、組織整備も推進。
「バイオプロセス部門は、製薬会社が開発しているバイオ医薬品をターゲットに材料開発を進めています。この製薬会社が顧客になります。現在、供給先となっているバイオ医薬品はどれも治験段階であることから製造量自体が少なく、材料の売上も伸びていないのです。しかし、日本の厚生労働省に相当する薬事に関する規制当局(i.e. アメリカ食品医薬品局)の承認が下りると、バイオ薬品の製造量は飛躍的に伸び、併せて我々の材料の売上も急拡大することになります。そこに至るまでの投資を最適化するために、将来の需要を予測した製造設備増強の適切なタイミング判断や、現時点のコスト見直しが、私にとっての重要課題となっています」
一方で、グループ各社の連携を強化し、JSRのライフサイエンス事業全体の成長を引き出す鍵になると考えられているのが、デジタルツールの統合である。
「主に買収した4社から構成されるJSRのライフサイエンス事業では、今もグループ各社が独自に導入した基幹情報システムを使用しています。損益管理のツールも各社で異なりますから、連結損益管理はデジタル化が進んだこの時代にあっても未だにExcelで取りまとめている状況です。そこで、質の高いファイナンスの情報をタイムリーに集約し、効率的に経営層に提供することが可能になる、JSRのライフサイエンス事業全社共通で使用できるようなツールまたは各社のシステムを連携・統合できるようなデジタルツールの導入を急いでいます」
社会の変化を捉えて挑戦を続けるJSR。
そこに社員の成長機会がふんだんにある。
新たなビジネスへの挑戦は、抜擢された社員の期待に応える活躍を必要とし、その社員たちの成長と共に成功へ向かう。ライフサイエンス事業で飛躍した齋藤は典型例だ。
「私がエラストマー、合成樹脂製品の原料調達担当からライフサイエンス事業部門に異動した際、新たに学ぶ必要のある分野が数多くあることに気づかされます。対面している業界が異なれば、求められる知識もスキルも関わる人の考え方なども異なってきます。言い換えれば、新しいことを学ぶ機会に溢れているのです。私は自分を成長させる大切な時機だと捉えました。こうしたチャンスを掴むのはJSRでは特別なことではありません。従来からの事業部門も新規開発や市場開拓が活発ですし、担当する事業どころか職域まで変更が可能なCDP制度がアクティブに活用されています。向上心のある社員を応援する風土も息づいています。私は入社後に会社の補助を受けてMBAを取得しました」
齋藤は、ビジネスパーソンとして新たな挑戦を経て成長するには、社員個人の自助努力に加えて、コミュニケーション能力が必要になると加える。
「ネットや書籍からのみで、知識を取得するには限界があります。分からないことがあれば、社内の有識者から理解へのポイントを教えてもらい、それから理解を深めるのが効率的です。JSRには各分野のエキスパートが快く教えてくれる企業文化があります。情報が自然に入ってくる人的なネットワークを築けば、JSRは成長を加速できる環境があると言えるでしょう」
就職活動では商社、銀行、電機、自動車など様々な業界を訪問し、どの産業にも魅力を感じました。そこで世の中に出る多くの新しい製品、幅広い産業に関われる素材メーカーに志望先を絞りました。その中で JSR を選んだのは、採用プロセスを通じて話した社員から、経験の浅い若手にも重要な仕事が任され、成長できる機会に溢れていると感じたからです。
中学まではサッカー少年。大学に入ってからはゼミ活動に熱を入れました。研究したのは中国の政治制度です。特に3年生の時にゼミ長を任され、15名のメンバーたちの学ぶ意識や知識にバラつきがある中、どのような学習プログラムを組んだらメンバー全体の満足度が上がるのかについて真剣に取り組んだことが印象に残っています。
渡米と同時期に新型コロナウイルスのパンデミックが起こったので、休日は密を避けながら家族とアメリカならではの体験を楽しむことが多いです。これまでに、ハロウィーンでは農場で買ったカボチャをオバケやキャラクターの形に彫ったり、ホエールウォッチングや国立公園に行って日本とは異なる雄大な自然を満喫したりしました。毎週の土曜朝は同僚とテニスで汗を流したりして心身のリフレッシュも大切にしています。