JSRグループは、化学メーカーとして地球環境を保全し、社員、地域住民、お客様などの関係者の安全と健康を確保するための取り組みである「レスポンシブル・ケア(RC)」を推進しています。以下に主な取り組みについてご紹介します。
生物多様性への取り組み
土地利用通信簿TM
敷地内緑地の観察(千葉工場)
生物多様性役員セミナー(本社)
JSRでは、「生物多様性への保全」を経営の重要課題の一つと認識し、積極的に貢献し続けていく方針のもと、「企業と生物多様性イニシアティブ(JBIB)」での活動を軸に取り組みを進めています。2010年度には、「生物多様性関係性マップ」を作製し、主要製品である合成ゴムについて、事業活動が原料調達・製造・輸送・使用・回収の各工程で、生物多様性にどのように依存し、影響を与えているかの関係を把握することに努めました*。2011年度にはほかの製品への展開を進めていきます。
また、千葉工場と筑波研究所で、敷地の生物多様性を評価する試みを実施しました。JSRもメンバーとして開発に貢献したJBIBの「土地利用通信簿」トライアル版を使用して、敷地内の緑地を実際に観察。どのような植物が生え、虫や鳥が生息しているかなどを確認して、生物多様性に配慮した土地であるかを調査しました。2011年度は、この取り組みを本格化させる予定です。
さらに、「COP10では何が決定されたのか〜企業はこれから何に取り組めば良いのか〜」をテーマに、外部専門家による「生物多様性役員セミナー」を開催し、経営層全体でCOP10の結果を確認したうえで、これからの取り組みの方向性について共有化を図りました。
今後は、JSRグループが持続可能な企業として成長していくためのリスクとチャンスをさらに明確に把握し、生物多様性保全のための方針・目標・計画を具体的に定め、着実に実行していきます。
*JBIBの研究成果物「生物多様性関係性マップ」を参考に作成
地球温暖化防止への取り組み
二酸化炭素排出量の削減に向けて
「新設コージェネ設備(四日市工場)」
JSRは(社)日本化学工業協会の会員として京都議定書の方針に沿い、省エネを通じた二酸化炭素排出量の削減に努めてきました。2010年度より、二酸化炭素排出絶対量の削減目標を定めています。四日市工場では、2010年4月に大型天然ガス焚きガスタービンコージェネレーション設備(新設コージェネ)を導入しました。従来の石炭およびC重油焚き蒸気ボイラー、復水蒸気タービン設備と比較して、燃料に天然ガスを使用することで、二酸化炭素排出量の削減が見込まれます。2010年度の削減効果は約3万3千トンで、全社では1990年度対比約2%の削減となりました。
家庭の省エネ活動
2010年度は、社員の家庭での省エネ活動として、環境省「我が家の環境大臣−環境家計簿(エコ帳)」に参加しました。全社で約900名が登録し、毎月の電気、ガス、水道などの使用量を調査・記録しCO2排出量を確認することで、省エネ意識の向上を図っています。なお環境省の都合でこの活動が中止となったため効果の確認はできませんが、東日本大震災の影響で電力事情は厳しくなり、家庭における省エネの重要性も一層高まると考えられます。今後は、イントラネットを利用して省エネの工夫を紹介する等、家庭での省エネ推進を呼びかけるスタイルで継続していきます。
安全への取り組み
社長による監査(鹿島工場)
全社総合防災訓練
(JSRマイクロ九州(株))
JSRグループは、「安全は生産に優先する」を大前提に、安全衛生マネジメントシステムを展開しています。環境・安全監査では、社長が監査チームのトップとなり実施しています。社長は、監査の現場に赴いて生の声を聞き、監査終了時に生の声で全体講評をします。コミュニケーションを大事にした改善活動を進めています。
安全表彰制度(川ア記念安全賞)を受賞したJSRマイクロ九州(株)では、全員参画による取扱物質暴露低減対策、工事安全の確保などを推進してきました。また、在籍年数に応じた教育・技能伝承の推進、他社の事故事例の水平展開など、全社一丸となって安全第一の風土づくりを進めています。
近年は、安全確保の最後の砦となる「個人」に焦点をあて、「安全意識高揚」に向けた活動を進めており、さらなる安全職場を目指しています。
![[VOICE]全社総合防災訓練について](images/rc_voice_01.gif)
JSRマイクロ九州(株)
製品技術部 品質保証課 第1係
馬渡理恵
当社では、災害に備えた全社総合防災訓練を行っており、これは部署別訓練の成果を結集させた重要な活動です。
私の役割は、本部長に集まる現場の状況などさまざまな情報を記入する情報収集です。万が一の際には訓練で得た経験を基に自分の役割をしっかりと果たしたいです。