JSR株式会社 堀代表取締役・CEO・社長執行役員 入社式訓話の要旨について
JSR株式会社の堀 哲朗 代表取締役・CEO・社長執行役員は、本日午前8時45分から行われた入社式で、本社採用の新入社員に、以下の訓話をしました。
・「選択をするための軸を持つこと」と「変化を楽しむこと」の2つがキーワード
・ビジネスの本質を垣間見ることにつながった営業時代の上司の言葉、「与えられた仕事は天職と思え」
・後で正しい選択をしたと思えるように日々の知識の習得や活動を通じた経験を積んでいこう
新入社員のみなさん、本日のJSR株式会社への入社、誠におめでとうございます。多くの企業が優秀な人材を求める中、弊社JSR株式会社を選んでいただき、ありがとうございます。
私は会社に入社した20代の当時、半導体部品の営業をやっておりました。当時は、営業は嫌でしたが、その時の上司に、「与えられた仕事は天職と思え」と言われました。内心、その言葉には反発を覚えていました。顧客を訪問した際、半導体部品の採用を決めるのはお客さんの設計部門の方でしたが、直接アポイントメントを入れてはいけなかったのです。まず購買部門の担当者を通して、その人経由でアポを取る必要がありました。つまり購買の人から好かれないと、アポイントメントが取れないのです。半導体部品が製品に採用されることをDesign-winといいますが、最後はDesign-winを勝ち取ることができました。その時に、「与えられた仕事は天職と思え」という言葉の意味が分かったような気がしました。
若い時には、「何でこんなことをするのだろう?」と思いながら仕事をすることがあります。しかし、それが将来何かの役に立つことがあるのです。私はこの経験で、営業という仕事がどういうものかのイメージが湧きましたが、私は営業を続けることを選びませんでした。これ以後営業をやったことはありません。これはビジネスの本質を垣間見たような気がしました。
皆さんは若く、それは素晴らしいことで、将来の無限の可能性があります。その無限の可能性で充実した人生を送るためには、日々選択が迫られます。この時、与えられた環境のなかで最善を尽くすという選択をしてきました。この選択をする基準はどこから来るものでしょうか?それは、個人がこれまで積み上げてきた知識、経験、思考などすべての人生から来ているものです。その選択が正しいかどうかは、その時は分からないものです。しかし、後で正しい選択をしたと思えるように日々の知識の習得や活動を通じた経験を積んでいただきたいと思っております。頭と体を目一杯使うことです。私からみなさんへのアドバイスは、日々頭と体を使って何らかの軸を自身の内面に作っていただきたいと思っております。
JSRは1957年に設立された日本合成ゴム株式会社です。設立以後、新しい事業を始めた一方、多くの事業を切り離して来ました。変化に富んだ会社と言えるでしょう。JSRは昨年JICCキャピタルによるTOBが行われ、非公開会社となりました。これも大きな変化です。みなさんには変化に対する耐性をつけていただきたいと思います。私がいた半導体業界は変化の連続でした。JSRも半導体業界に根付いていますから、変化は激しいです。そして、変化を楽しむくらいになってほしいと思います。
私からのメッセージをまとめると、「選択をするための軸を持つこと」と「変化を楽しむこと」の2つがキーワードです。みなさんの活躍に期待をしております。