HOME / CSR / CSRレポート2014 / 社会への責任 / E2イニシアティブ

CSRレポート2014

E2イニシアティブ®

E2イニシアティブのコンセプト

エコイラストエコ分子くん
E2イニシアティブ
浸透キャラクター

JSRでは2009年にプロジェクトを立ち上げ、環境・エネルギー問題に関して、地球温暖化をはじめとする規制対応などのリスクと、新規事業機会創出のふたつの側面から有効な対応策を求めて検討を重ねてきました。その成果として生まれたのが、「Eco-innovation」と「Energy management」のふたつの頭文字を取った「E2イニシアティブ」です。環境配慮型製品開発などの「攻め」、工場のCO2排出量削減などの「守り」の両面から価値の創出を目指すという、JSRの全社的な取り組みの姿勢を示しています。


JSRが目指すE2イニシアティブ・コンセプト JSRが目指すE2イニシアティブコンセプト

E2マトリックス

E2イニシアティブを具体化させるための指標となるのが「E2マトリックス」です。製品開発時のチェック指標に、従来の「経済性」に加え、製品の使用段階までを含めた「LCA(ライフサイクルアセスメント)」評価による「環境負荷」を組み込むというものです。今後の製品開発においては、この双方の両立が基本となり、経済性が高くても環境負荷の高い製品は原則として許容されないことになります。これを通じ、環境配慮型製品の拡大を目指すとともに、「環境性能」という価値観の社内への浸透を図っていきます。

JSRの環境経営=E2イニシアティブのシンボル指標:E2マトリックス E2マトリックス

攻め:Eco-innovation

環境性能という価値を社会に提供する環境配慮型製品を拡大することで、新しい事業機会を創出する取り組みです。2020年を見据えた2013年までの中期計画「JSR20i3」では、開発した環境配慮型製品を自社工場等を活用して実証実験を進め、有効性を確認しました。また、製品開発時のLCA導入も開始しました。

E2イニシアティブ®を実践する四日市工場本館

四日市工場本館四日市工場本館外観

2013年12月に新しく完成した本館では、E2製品の実証実験と社会への発信を兼ねて、様々な場所でE2製品を使用するとともにCO2排出削減策を施しています。


四日市工場本館で使用されている主な環境配慮型製品 建物紹介

蓄熱・遮熱材料、リチウムイオンキャパシタについては「特集 マテリアルの力で省エネルギーを革新する」をご参照ください。

守り:Energy management

効率化推進プロジェクト「E-100Plus」の中で、省エネ技術の高度化による自社のCO2排出量削減などを目指し、全社を挙げて取り組んでいます。各事業部、各製品についての月ごとのCO2排出量を数値で提示して「見える化」を図るとともに、特に優秀な部門・製品を表彰する制度を設定。また、新たな研究開発や量産化をスタートさせる際には、その予算にCO2排出のコストも反映させるなど、CO2削減への取り組みを事業活動の一部として定着させることを目指しています。その結果、2012年度までにCO2排出量6%減の体制を確立しました。さらに、新たに開発した省エネ効果をもたらす製品については、まず自社工場で実証実験し、CO2削減の効果が得られたものはマーケットにも投入するという形で、「攻め」との連携も目指しています。

環境配慮型製品の提供

JSRは、自社製品における環境配慮型製品の比率を向上させることを目標にしています。環境配慮設計を商品開発に組み込むため、2009年度に環境配慮型製品の定義を設定し、以下の5つに分類しました。
(1)非石化原料使用 (2)省エネルギー (3)再生可能エネルギー
(4)Reduce, Reuse, Recycle (5)脱有害物質
JSRは今後も環境配慮型製品の開発・提供を通して、持続可能な地球環境に貢献していきます。

S-SBR低燃費タイヤ等に用いられるS-SBR
窓枠部品EXCELINKの通用例:窓枠部品
S-SBRリチウムイオンキャパシタ

LCA・LCIへの取り組み

LCA(ライフ・サイクル・アセスメント)とは、製品の原料調達から製造・販売・使用・廃棄に至るまでのライフサイクルにおける環境影響を定量的に評価する手法のことです。

LCAイメージ図 LCAイメージ図

LCAを実施するには、製品を製造する際の投入資源、排出環境負荷など各段階でどの程度CO2を排出するか(LCIデータ)を算出する必要があります。
代表的な合成ゴムのLCIデータ算出については、合成ゴム業界全体で取り組み、当社も参加しました。算出結果については、(社)産業環境管理協会LCAフォーラムのデータベースに登録しています。また、ファイン製品のLCIデータについては、生産工程のCO2発生量を把握しています。
LCAを研究開発段階から導入し、CO2排出量を考慮しながら製品設計を進めていくシステムの運用を開始し、約67製品群(代表グレード98種)のLCAを試算しました(2014年3月31日現在)。
今後も、新たに開発された製品群、グレードについてLCAの試算を進めていきます。

※ (社)産業環境管理協会LCAフォーラムのデータベース
http://milca-milca.net/forum/viewtopic.php?f=13&t=546&sid=e635c9b0a4acca63a29aca504e489d66

TOPに戻る

CSRレポート2014