現状に満足しない成長意欲に共鳴

JSRを旧国策会社と聞いて、その社風を「ベンチャーの対極にあるような企業」などとイメージしてはいないだろうか。現実はまったく異なる。合成ゴムの製造を端緒に、JSRはエマルジョンや合成樹脂、半導体材料やディスプレイ材料など、次々と事業領域を拡大し続けてきた実績をもつ企業である。そんなJSRには、じつにさまざまな場面にチャレンジスピリットが息づいている。他の企業を経験してから、JSRに転職してきた横山だから、そう感じることができたのかもしれない。

大学で経営システム工学を専攻した横山の前職は、某機械メーカーの工場経理。原価計算・管理から利益管理・予算策定まで幅広く担当していた。経営管理とITを融合させた領域を学んだ横山は、経理という仕事を、意思決定に有益な財務情報を経営陣に迅速かつ適切に提供し、企業価値向上に貢献すること、さらにそれを実現するために新しい経営管理の仕組みを提案することだと思っていた。ところが前職では、組織がやや官僚的で新しい提案はほとんども通らず、やる気が空回りしていた。

横山は転職に脱出口を見出した。転職先選びにおいて重視したのは、「市場競争力のある製品を開発する実力を持ち、成長意欲が旺盛な企業であること」。この条件にマッチする企業であれば、存分に力を発揮することができると確信していた。

横山の写真 計算のイメージ写真

年齢や社歴ではなく
意欲ある者に仕事を任す

横山の目論見は見事に的中。JSRに転職後、ファイン事業企画部に配属され、ファイン事業の事業企画、管理会計を担当することになり、すぐに積極果敢な事業展開とその成長スピードがもたらすダイナミズムを肌で感じることができた。一方で予想外だったのは、事業展開をサポートする経営管理の仕組みが、実際のビジネスの成長スピードに追いついていないということであった。そうした背景もあったのだろう。会社のことをまだ把握し切れていない横山に、大きな仕事が任された。

その内容は、ファイン事業のグローバル化・内部取引拡大・新移転価格導入等の事業環境変化に対応するために、ファイン事業を連結一気通貫に管理する仕組みを構築することであった。

JSRは、年齢や社歴に関係なく、意欲を持った社員に重要な業務を任せる風土がある。即戦力を買われて入社した横山は、プロジェクトのメンバーの一員として、まさに期待通りの活躍を見せた。「任せてもらったからこそ、やり遂げた時の手応えは大きなものでした」と横山はこのミッションを振り返る。

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2020年時価総額1兆円に向けた
財務戦略の策定に着手

現在は経理財務部財務チームに所属する横山は、経理・財務のエキスパートの目でJSRという企業を次のように評す。

「JSRは財務諸表を見ると、営業利益率も自己資本比率も、極めて優秀な数値です。さらにキャッシュマネジメント、フィナンシャルマネジメントも高いレベルにある。しかし、2020年にはさらに高いレベルにしていかなくてはいけない」

そう語る横山は今、2020年までに時価総額1兆円を目指すというJSRの中期経営計画を成功させるべく、将来の事業展開、それに伴う投資のボリュームから将来のバランスシートの姿、あるべき配当レベル、目標となる自己資本利益率など財務戦略の策定に取り組んでいる。ただ、小手先の財務戦略では企業価値は向上しない。我々は事業を裏で支える黒子で、事業と一体となり、事業推進を後押しする取り組みにより企業価値は向上する、そのことは常に心がけている。横山の本当の挑戦は、まだ始まったばかりである。

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転職の動機

企業の財務戦略を主軸とし経理・財務・管理面から企業経営に関与したい

前職は、組織がやや官僚的で新たな提言がことごとく退けられました。財務面を主軸とし企業経営に関与する仕事をしたいと考えていた私には、様々な取組みに挑戦させてもらえる機会が必要でした。そこで、成長事業を数多く抱え、組織としても発展の真っ只中にあるJSRへの転職を目指したのです。

入社前後のイメージギャップ

みんなが手探りで仕事をしている

旧国策企業ということから、何となく仕事の進め方が堅実というイメージを持ち、経営をサポートする仕組みがしっかりできていると思っていました。ところが入社してみると、みんなが手探りで仕事をしていることが多いことに驚きました。

JSRの満足度

85点

理屈が通っていれば、新しい提案を受け入れる土壌があるところと、仕事を通して自分の成長を感じられるところを高く評価しました。残りの15点は、この先のさらなる満足向上の期待を込めて残しておきました。