信シンガポールに続き
アジアの電子材料市場を担当

2012年4月、川島は3年半に及んだシンガポール事務所駐在から帰国した。シンガポールにおける川島の仕事は、東南アジア地域における拠点立ち上げと同エリアのマーケティング並びに技術的サポート。そのプロジェクトを無事完遂し日本に戻った川島に、次なるミッションが与えられた。今度のプロジェクトは、中国をはじめとするアジアにおける電子材料すべてのマーケティングと拡販のサポートであった。

製造業のアジアへのシフトが活発化しているなか、JSRにおいてもアジア地区のさらなる体制強化は課題であった。体制の強化を図るためには、まず海外拠点間のコミュニケーションをより円滑にする必要がある。そこで白羽の矢が立ったのが、シンガポールでグローバル企業との交渉経験を持つ川島というわけである。

JSRの海外拠点と、量産工場を担当する海外拠点の連携を強化し、顧客の状況をグローバルに把握、社内の関連部門に素早くフィードバックすることで、顧客要求に対応する体制を実現しなければならない。

シンガポールで培った経験を生かすべく、川島は激動するアジアに向けて、取り組みを開始した。

川島の写真 シンガポールのイメージ写真

グローバル化が加速する
半導体製造業界

半導体製造には、シリコンウエハに回路を形成する前工程と、回路素子が形成されたシリコンウエハをパッケージ化する後工程に分かれる。JSRの電子材料事業では、前工程のみならず後工程向けの材料もそろえており、幅広いラインアップで顧客要求に対応してきた。特に変化の激しいアジアの半導体市場に対しては、製品ごとではなく、すべての電子材料を一括したマーケティングが求められていた。

理由は、「開発拠点と生産拠点の分離」である。開発というコア業務のみを自国で行い、生産をマーケットの周辺や生産コストの低い場所に移す動きがある。例えば欧米や韓国などの半導体メーカーが、開発段階でJSRの材料を採用していても、アジアなどの量産工場で置き換えられる可能性が出てくるというわけだ。つまり開発拠点へのマーケティングに注力するのはもちろん、量産工場に対してもフォロー体制の充実を図る必要がある。

そのため、顧客の開発拠点や量産拠点を受け持つJSRの海外拠点間で、十分なコミュニケ―ションをとる必要があるが、欧米やアジアでは言葉のみならず文化的な差異から、相互に理解が難しい場合が発生する。海外拠点の主体性を生かしつつも拠点間の情報共有を図るには、本社よりサポートすることが重要なのだ。

川島の写真 半導体のイメージ写真

さらなる発展が期待される中国で
JSRの青写真を描く

JSRは業界や地域でトップクラスに位置する企業と強力なパートナーシップを結ぶことで、業界全体への影響力を早急、かつ確実に構築する戦略を採用しているが、現在それらのリーディングカンパニーが半導体の大消費地でもある中国へ積極的に進出している。

「これらの企業が、中国の現地企業に良い刺激を与えることにより、中国の半導体市場の成長が加速するのではないかと考えています」

その変化のタイミングを逃さないよう川島は積極的に中国へ出張し、注意深く顧客や市場動向の確認を行っている。

「直接中国の顧客の工場を回ることで日本との違いを痛感します。日本では、客先ともある程度の共通した価値観が共有でき、あうんの呼吸で一から十まで説明する必要がありませんが、中国をはじめ海外では、自分の常識はまず通じず、詳細に問い続けなければ十分な調査はできません。難しい業務ではありますが、成長するマーケットの熱を感じながら、その成長に自分が関与できるという喜びが大きいです」

JSRの半導体事業における中国市場の開拓は始まったばかり。川島が今、手探りで切り拓いている道は、やがて大きな事業として結実していくはずである。

川島の写真 中国のイメージ写真

転職の動機

チャレンジングな業務に携われる

前職では資材調達を行っており グローバルな取引も多くやりがいを感じていたが、さらに挑戦的な業務にも携わりたいと考え、技術サポートを行うことも多く、文系出身の自分にとってチャレンジングな業務だったことが入社の決め手になった。

入社前後のイメージギャップ

真面目な社風

仕事であるため当然ではあるが「言われたことは100%やらなければならない」という意志が強く、まじめで誠実な社風と考える。

JSRの満足度

90点

やりたいことがあり、それを提案し続ければやらせてもらえる会社だと思っている。つまり、自分の努力次第。だから、10%の不足分は、会社に対する不満ではなく、自分への期待度、技術知識などもう少しできる部分があるのではないかという自らの可能性の分を意味している。