JSR、IBMとの共同研究成果がNature Computational Scienceに採択
JSR株式会社(代表取締役・CEO・社長執行役員:堀 哲朗、以下「JSR」)と、IBMは、共同研究契約(Joint Research Agreement)を締結し、化学産業に特化したAIの共同研究プログラムを進めております。この度、本プログラムでの共同研究成果がNature Computational Scienceに採択されましたので、お知らせいたします。
同誌は、計算科学を活用して、自然科学・工学をはじめとする多様な分野の複雑な課題に取り組む研究成果を掲載する、Nature Portfolio発行の世界的に権威ある国際学術誌です。
今回採択された共同研究成果は、IBMのAI・アルゴリズムに関する知見と、JSRの化学・材料分野における専門知識を融合し、有機材料の物性予測における予測精度と解釈性の両立を実現したものです。
本研究で開発した手法は、分子内の距離情報を活用することで、従来手法では表現が難しかった複雑な分子全体の構造的特徴を捉えることができます。両社の研究者は、本手法によって得られた予測結果を、分子軌道解析に基づいて検証しました。その結果、複雑な色素分子の光学特性予測において、代表的な既存手法を上回る性能を示すとともに、予測根拠を化学的に解釈できることを確認しました。
本成果は、複雑な分子を扱う基盤モデル、量子化学計算などに新たな示唆を与えるとともに、今後、材料候補の探索や分子設計に活用することで、材料開発の効率化と有望な材料候補の創出への貢献が期待されます。
日本アイ・ビー・エム株式会社 執行役員 研究開発担当 兼 東京基礎研究所長 福田 剛志は、「今回の成果は、AIと材料専門家が協働することで新材料の発見を目指す、Material DXの重要な一歩を示したものです。
今後もJSRとの共同研究を通じて、AIや量子コンピューティングを活用した材料開発の技術をさらに進化させてまいります。」と述べています。
JSR株式会社 上席執⾏役員電⼦材料事業、次世代研究(DS/MI 等) 担当 木村徹は、「今回の成果は、AIと材料科学を融合することで、これまでにない材料開発の可能性を示す重要な成果です。JSRは、長年培ってきた材料に関する知見やデータと、AIをはじめとする最先端のデジタル技術を組み合わせ、材料の探索・設計から実験・検証に至る研究開発プロセスをさらに高度化していきます。今後もIBMとの先進的な取り組みとパートナーシップを通じて、材料開発のスピードと質を飛躍的に高め、新たな価値を持つ材料をより早く社会に届けることを目指します。」と述べています。
新技術の登場とデジタル時代の加速に伴い、JSRはIBMとともに技術的・社会的進歩から成る新時代をリードしています。半導体におけるJSRのマテリアル・イノベーションは、幅広い産業のバックボーンを形成し、日常生活にシームレスに溶け込み、つながりのある世界を形成しています。
<論文情報>
論文名: Revisiting Molecular Descriptors with TDiMS for Interpretable Intramolecular Interactions Based on Substructure Pairs
著者: 浜田梨沙¹、岸本章宏¹、宮口航平¹、広瀬仁敬²、渕脇純太 ²、Indra Priyadarsini¹、武田征士¹
¹ IBM Research
² JSR株式会社
