JSRとGEヘルスケア・ジャパン、整形外科領域でのデジタルプラットフォーム構築と新規サービス事業の立ち上げに向け、パートナーシップを締結 

企業情報
JSR株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長: 小柴 満信、以下、JSR)とGEヘルスケア・ジャパン株式会社(本社:東京都日野市、代表取締役社長兼CEO: 多田 荘一郎 以下、GEヘルスケア)とは、整形外科領域におけるデジタルプラットフォーム構築と新規サービス立ち上げに向けたパートナーシップを開始すること合意しました。この合意に基づき、両社で医療の効率化と個別化医療の促進を目的としたソリューション開発を行っていきます。両社のパートナーシップにより、一人ひとりにあったより質の高い医療をより効率的に提供していくという「プレシジョン・ヘルス」の実現を目指していきます。

超高齢化社会を迎えた日本では、平均寿命の延伸に伴い、ロコモティブシンドローム(運動器に障害が生じ、移動機能が低下した状態)などにより、整形外科領域における医療のニーズは増加しています。一方で、医療技術の進展に伴う治療の複雑化や医師不足などから、医療品質の維持・向上が必要不可欠となっています。また、整形外科領域では、CTのThin slice (薄層) 撮像を3D化し手術計画を立てるアプリケーションや、3Dプリンティングを活用した整形外科インプラント、またVR(仮想現実)を活用した手術教育支援プログラム等のデジタルテクノロジーが急速に普及しており、他の疾患領域に先駆けて、デジタルデータを活用した医療の高度化、効率化が広がる可能性が高いと言われています。

両社が本協業の合意に至った背景には、ライフサイエンス領域での新たな価値創造活動の一環として、個別化医療の実現へ向け、「材料技術とデジタル技術との融合」を通じた研究開発とその社会実装をグループ全体で推進するJSRと、より患者一人ひとりにあった包括的なケアをより効率的に提供していく「プレシジョン・ヘルス」の実現を目指し、日本の医療における課題である健康寿命の延伸に取り組むGEヘルスケアの方針が一致したことがあります。

協業においては、GEヘルスケアのクラウド型画像管理プラットフォームやGE独自の新しいデジタルブランドである「Edison*」上のAI等の技術を活用し、JSRのグループ会社である株式会社レキシーの3D手術シミュレーションソフトウェア「Zed View®シリーズ」等の技術を組み合わせた、新しいサービス開発を目指します。将来的には、双方で有している3Dプリンティング技術につなげることで、患者一人ひとりに合った医療をより効率的に提供するサービスおよびビジネスモデル構築を共に目指します。これにより、医療機関と現在医療機関にサービスを提供する企業の間でのみならず、医療に携わるすべてのステークホルダーを含めた全体最適の視点から、よりコスト効率のよい医療提供につながることが期待されます。このパートナーシップを通じ、両者それぞれの強みを活かしつつ、整形外科領域における医療提供側のより良いプラットフォームを構築し、医療提供者のアウトカムと患者のQOL向上、ひいてはプレシジョン・ヘルスの実現による健康寿命の延伸を目指していきます。

*Edisonについて“Edison”は、GEヘルスケアのインテリジェントな製品やサービスの総合的なブランドであり、プラットフォーム(Edison Platform)を使用して開発されたアプリケーション(Edison Applications)とスマートな機器・装置(Edison Smart Devices)で構成されます。このプラットフォームはGEヘルスケアの社内開発者だけでなくバイオテクノロジーとヘルスケアの戦略的パートナーにも提供され、両者によるAIアルゴリズムを含めたインテリジェントなアプリケーションのデザイン・開発・管理、そしてそれらアプリケーションの配布、アクセス環境の提供を担います。

JSR株式会社についてJSR株式会社は1957年に合成ゴムの国産化を目指して設立されました(旧社名:日本合成ゴム株式会社)。その後、エマルジョンや合成樹脂へと事業を展開し、1970年代後半からはそれらで培った独自の高分子技術を活用して半導体材料・ディスプレイ材料・光学材料等へと業容を拡大してきました。足元では、ライフサイエンス事業を新しい柱として、バイオ医薬など最先端の医療ニーズをとらえたバイオプロセス材料や診断薬材料、創薬支援サービスなどを提供し、収益の拡大を進めています。詳細情報については、http://www.jsr.co.jp/をご覧ください。

株式会社レキシーについてレキシーは、CTやMRI診断により取得されるデジタル画像データ (一般に、「DICOMデータ」と呼びます) から、独自のアルゴリズムで骨格や組織構造の3Dデータを自動構築し、さらにその3Dデータを医療現場のニーズに合わせて解析・加工が可能な先進的医療3Dソフトウェア技術を有する会社です。特に、高齢化社会において症例が増加している人工股関節置換手術や人工膝関節置換手術等、整形外科領域で利用される、3D手術シミュレーションソフトウェア「Zed View®シリーズ」の提供を2009年に開始し、すでに国内の多くの病院で採用されています。レキシー社の製品や技術の詳細については、同社Webページを参照ください。https://www.lexi.co.jp/

GEヘルスケア・ジャパンについてGEヘルスケア・ジャパン株式会社は、GEヘルスケアの中核拠点の1つとして1982年に創設されました。予防から診断、治療、経過観察・予後管理までをカバーする「プレシジョン・ヘルス」の実現を目指し、インテリジェント機器やデータ分析、ソフトウェア、サービス等を提供しています。国内に研究・開発、製造から販売、サービス部門までを持ち、日本のお客様のニーズにお応えしつつ、日本が直面する医療課題の解決に取り組んでいます。日本における社員数は約2,000名、本社および60カ所の事業拠点があります(2019年4月1日現在)。ホームページアドレスはwww.gehealthcare.co.jp (ライフサイエンス統括本部:www.gelifesciences.co.jp