JSR、Hubrecht Organoid Technologyとの戦略的パートナーシップ契約締結に合意 

企業情報
JSR株式会社 (本社:東京都港区、代表取締役社長:小柴満信、以下「JSR」) は、Hubrecht Organoid Technology (本社:オランダ ユトレヒト、Executive Director :Robert Vries、以下「HUB」) と、HUBが保有するオルガノイド*1関連技術を、オンコロジー(腫瘍学)領域において、前臨床スクリーニングサービスに独占的に活用するライセンスに加えて、HUB保有のバイオバンクを利用する権利や共同開発などを含む戦略的パートナーシップ契約を締結しました。

当社は、子会社であるCrown Bioscience Inc.(以下「Crown社」)において、HUBからライセンスを得たオルガノイド技術、および非常に特徴的な腫瘍オルガノイドバイオバンクを、オンコロジー領域における前臨床スクリーニングサービスに独占的に活用していきます。また、Crown社は、オランダ、ユトレヒトに新たな運営拠点を設立し、オルガノイド技術の更なる進化を加速すべく、HUBと共同開発を進めていきます。

HUBのオルガノイドは、ユトレヒトのHubrecht Institute のハンス・クレバース教授が開発した成体幹細胞由来のオルガノイドで、高度に標準化された培養技術によって生成されます。患者の体内にある腫瘍の特徴を忠実に反映している他、病理学やゲノミクスなど、よく知られた指標によって特徴が把握されているため、創薬開発の効率化が期待されます。

また、Crown社は、Patient-Derived Xenografts (PDX)モデルにおいて、世界をリードしてきましたが、HUBのオルガノイド技術を得ることでPDXとオルガノイドを融合した体外スクリーニングサービスを確立し、より包括的な創薬関連サービスやトランスレーショナルリサーチサービス*2を提供していきます。患者由来のオルガノイド(PDO)やPDX由来のオルガノイド(PDXO)による体外スクリーニングモデルは、その後段の体内スクリーニングモデルとも調和のとれたモデルとなります。

JSRグループは、今後も新たな治療の開発プロセス全体にわたって、革新的かつ世界中の人々の健康にとって価値のある製品やサービス、技術を提供し、ライフサイエンス事業の拡大を進めてまいります。

【Crown社について】
組織名   :Crown Bioscience Inc.
設立年   :2006年
本社所在地:アメリカ カリフォルニア州
事業内容  :がん、炎症性疾患、心血管疾患及び代謝性疾患領域向けの薬効試験サービスの提供及び抗体医薬開発

【HUBについて】
組織名   :Hubrecht Organoid Technology (ヒューブレヒト・オルガノイド・テクノロジー)
設立年   :2013年
所在地   :オランダ ユトレヒト州
研究内容 :オルガノイド技術を用いたバイオバンク、創薬・薬剤開発、個別化医療の研究など

*1オルガノイドとはオルガノイドは、体外で培養された成体幹細胞由来細胞で、生物学的に人の臓器と同じ特徴を持っています。薬剤効果、臓器の疾患などの研究に活用されているほか、がん研究などの医学研究に使用される次世代の患者固有モデルとして期待がされています。
*2トランスレーショナルサービス医薬品の基礎研究成果を 臨床研究や実用化にまで高める創薬探索開発受託サービスの総称。