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事業活動によって生じる社会的課題 気候変動緩和

基本的な考え方、推進組織はこちら

JSRグループは製品を生産・提供する様々な過程において、必要なエネルギーの使用量削減や温室効果ガスの排出削減の取り組みを行うことにより、気候変動緩和に貢献しています。

1.エネルギー使用量

JSRは、レスポンシブル・ケア推進委員会において、『環境・化学品管理中期計画』を定めており、この中で地球温暖化防止対策としてエネルギー削減に関する原単位の目標を定めています。目標達成のため、省エネルギーおよび省資源を目的にコストダウン活動「TSC plus」を全社で推進しました。2017年度はエネルギー原単位変化は0.7%となり、削減目標を達成することができませんでしたが、今後も全社的な省エネルギー活動を継続し、省エネルギー推進に努めていきます。

(1)JSR単体

エネルギー使用量 JSR単体

(2)国内グループ企業

エネルギー使用量

エネルギー使用量

(3)海外グループ企業

エネルギー使用量

エネルギー使用量

2.温室効果ガス排出削減の取り組み

近年、グローバルでは企業が間接的に排出するサプライチェーンでの温室効果ガス排出量を管理し、対外的に開示する動きが強まってきています。JSRグループでは環境省発行の「サプライチェーンを通じた温室効果ガス排出量算定に関する基本ガイドライン」に基づき排出量を算出・把握し、排出量削減に向けた活動に取り組んでいます。

【Scope1】
事業者又は家庭が所有又は管理する排出源から発生する温室効果ガスの直接排出(燃料の使用(工場・暖房器具・自家用車等))
【Scope2】
電気、蒸気、熱の使用に伴う温室効果ガスの間接排出(購入電気の使用等)
【Scope3】
Scope2を除くその他の間接排出
(事業者:原材料の調達、従業員の出張、廃棄物の処理委託等、
 家庭:製品の購入、旅行、廃棄物の処理委託等)

事業者における温室効果ガス排出の範囲(イメージ図)

事業者における温室効果ガス排出の範囲(イメージ図)

(1)サプライチェーンを通じた温室効果ガス排出量算定・把握

カテゴリ バウンダリ 2016年度排出量 2017年度排出量
CO2
(t)
比率
(%)
CO2
(t)
比率
(%)

Ⅰ. 直接排出
(Scope1)

JSRグループ 500,532 22.9 458,843 20.8

Ⅱ. エネルギー起源の間接排出
(Scope2)

915,473 41.9 977,662 44.2

Ⅲ. その他の間接排出
(Scope3)

771,050 35.5 774,232 35.0

Ⅰ. 直接排出
(Scope1)

JSR単体 397,252 28.2 382,808 27.3

Ⅱ. エネルギー起源の間接排出
(Scope2)

260,455 18.5 269,766 19.2

Ⅲ. その他の間接排出
(Scope3)

749,048 53.2 750,414 53.5

Ⅰ. 直接排出
(Scope1)

国内グループ企業 94,251 30.9 66,970 24.0

Ⅱ. エネルギー起源の間接排出
(Scope2)

200,558 65.8 201,172 72.0

Ⅲ. その他の間接排出
(Scope3)

10,179 3.3 11,233 4.0

Ⅰ. 直接排出
(Scope1)

海外グループ企業 9,029 1.9 9,065 1.7

Ⅱ. エネルギー起源の間接排出
(Scope2)

454,460 95.6 506,724 95.9

Ⅲ. その他の間接排出
(Scope3)

11,823 2.5 12,585 2.4

(2)Scope 1、Scope 2 への対応

JSRは『環境・化学品管理中期計画』において、省エネルギー活動を通じた温室効果ガス削減に向けた活動を進めています。

① CO2排出削減目標と排出量

CO2削減目標

政府目標を念頭に、CO2削減を推進

JSRでは鹿島工場(鹿島南共同発電)での燃料転換や四日市工場での汚泥脱水設備の導入など、省エネ技術の高度化に取り組み、『3工場トータルのCO2排出量を1990年度対比6%削減体制』を2012年度に確立しました。2017年度は、1990年度対比で約9%のCO2排出量削減となりました。

JSR単体
CO2排出量JSR単体
国内グループ企業
CO2排出量国内グループ企業
海外グループ企業
CO2排出量海外グループ企業

② CO2排出量削減対策の事例紹介

事例1:天然ガス焚きガスタービンコージェネレーション設備導入によるCO2排出量削減

天然ガス焚きガスタービンコージェネレーション設備(四日市工場)

天然ガス焚きガスタービンコージェネレーション設備(四日市工場)

2010年4月に四日市工場に天然ガス焚きガスタービンコージェネレーション設備を導入しました。燃料として天然ガスを使用することで従来の石炭および重油焚き蒸気ボイラーおよび復水蒸気タービン設備と比較して、2017年度はCO2排出量を約3.5万トン削減することができました。

事例2:汚泥燃料化によるCO2排出量削減

汚泥乾燥装置(四日市工場)

汚泥乾燥装置(四日市工場)

2012年度に四日市工場総合排水処理施設から排出される汚泥を乾燥させる汚泥乾燥設備を導入しました。従来は含水率の高い汚泥を助燃剤(重油)を使用して場内で焼却していましたが、乾燥して燃料化することで助燃剤を削減することができ、2017年度はCO2排出量を約1.6千トン削減することができました。

事例3:本社ビルにおける省エネルギー活動

本社ビルにおける電力使用量削減目標

2009年度、2010年度での電力使用量の平均値(基準年平均値)に対し、8%削減

主な取り組み
  • ・非使用時の照明やプリンターなどのOA機器類の電源オフ徹底
  • ・クールビズの実施
  • ・6月〜9月の週2日サマータイム制の導入
  • ・節電と業務効率の両立が可能となる、適切な室温空調管理 など
本社ビル電力使用量の推移
本社ビル電力使用量の推移

東京都では、一定規模(延床面積5,000m2もしくは年間の電力使用量が600万kWh)以上のテナントに対し、「東京都環境確保条例」でCO2排出量削減を義務化しています。
JSRは、当条例において削減を義務化されている対象事業者ではありませんが、自主的にエネルギー削減目標を定めて省エネルギー活動を推進しています。
2017年度は、上記の主な取り組みを実施した結果、電力使用量は基準年平均値を下回り、基準年平均値対比で約21%の削減を達成しました。

(3)Scope 3 への対応

① 物流の環境対策:輸送の効率化

輸送における環境対策として、改正省エネ法で定める特定荷主として輸送エネルギー削減への取り組みを行っており、輸送の大型化やトラックから鉄道・船舶へのモーダルシフトを進め、輸送エネルギー原単位の削減に取り組んでいます。
2017年度も、製品・原料の鉄道・船舶輸送化を推進し、その結果、モーダルシフト率は約86%と前年度と同様に高い水準を維持することができ、輸送エネルギー原単位を抑制することができました。

輸送にかかわる各データ
年度 2013 2014 2015 2016 2017
輸送量(百万トンキロ 492 523 511 562 534
鉄道・船輸送比率(%) 83 85 86 87 86
エネルギー使用量(kl:原油換算) 9,026 9,388 9,112 9,898 9,899
エネルギー原単位(kl/千トンキロ) 0.0184 0.0180 0.0178 0.0176 0.0178
CO2排出量(トン) 22,960 23,984 23,333 25,495 24,437
■ 原料・資材の輸送、配送(トン) 10,489 12,028 12,172 14,133 13,177
■ 事業から出る廃棄物の輸送(トン) 164 186 245 206 195
■ 製品の輸送、配送(トン) 12,307 11,770 10,916 11,156 11,065

※ トンキロ:[貨物重量(トン)]×[輸送距離(キロ)]

CO2排出量削減対策の事例紹介

JSR Micro N.Vでは、通勤時のCO2排出量削減を目的として、96名の従業員に自転車を貸出しています。
2005年から継続して行っている“IK Kyoto プロジェクト”は、持続可能エネルギーでの通勤を奨励するキャンペーンで、2017年度には9,596kgのCO2を削減することが出来ました。

※ IK Kyoto プロジェクト:
ベルギーの地方政府により始められた取り組みで、プロジェクトの名称は京都議定書にちなんだものです。