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CSRレポート2012

地域・社会とのかかわり

地域・社会とのかかわりについての考え方

JSRグループは、これまでも地域活動を中心に各種の社会貢献活動に取り組んできましたが、活動を一層本格化させるための指針として、2009年1月に「社会貢献についての基本的な考え方」を制定しました。私たちはこの指針に沿って取り組みを推進しています。

社会貢献についての基本的な考え方

1. 企業理念に基づき事業活動を通じて社会に貢献することに加えて、社会の責任ある一員として、
  社会的要請・社会的課題の解決に積極的に取り組みます。
2. JSRが事業の基盤をおいている「化学・技術」の知識・技能を活かして、
  暖かみのある社会貢献活動に持続的に取り組みます。
3. 社員一人ひとりが社会との接点を持ち、自発的に社会貢献活動に参加することを
  積極的に支援します。

2011年度の取り組み

2011年度に実施した主な社会貢献・地域貢献活動を紹介します。

東日本大震災の復興支援

当社グループでは、震災直後、被災者の皆様の救援や被災地の復興に役立てていただくための義援金寄付に続き、社員有志による被災地でのボランティア活動などを実施しました。

水田に散乱した瓦礫の撤去作業、養殖用筏づくり

■ 社員有志による被災地支援ボランティア活動

ボランティア休暇制度などを活用した当社グループの社員有志によるボランティア活動を企画し、被災地へ派遣しました。活動の概要は以下の通りです。なお、計画策定・実施にあたっては、被災地のニーズに合致した活動とすることを第一義とし、地元行政・NGOと連携しました。

活動の概要

活動場所:宮城県気仙沼市大島(気仙沼湾内の離島)
活動内容:海岸や水田、被災家屋の瓦礫撤去、
     漁業復興支援 など

派遣期間および人数

派遣期間:2011年7月(当社グループ単独実施)
     2011年9月〜11月、2012年2月〜3月
     (継続性を重視し、国連グローバル・コンパ
     クト参加他企業との協働実施)
派遣回数:12回
延べ人数:203名(当社グループ社員)

参加者の声
JSRエンジニアリング 小林 義美

JSRエンジニアリング(株)
小林 義美

自分の親族や家、仕事を失いながらも自分たちの島を元に戻そうと、黙々と瓦礫の山の片付けを行う島の若い後継者達には心を打たれました。震災前の平和な島の状況から一変した震災時のすさまじい状況、震災後の問題、将来の不安、更には将来の希望や夢などを聞き、ひたすら復興支援に当たれたことは、自分の今後の生活面で大変貴重な経験となりました。


テクノポリマー 正木 里枝

テクノポリマー(株)
正木 里枝

募金として支援することも社会的には必要ですが、実際に目に見えることを通してのボランティア活動とは、心の支援の違いを感じました。当社グループの現場力、結束力、統制力には驚き、社員一人ひとりを通じて、良い会社だなぁと改めて思いました。個人として行う活動とは別に企業としてできる支援活動の力のようなものを感じました。


JSRマイクロ九州 田中 健太郎

JSRマイクロ九州(株)
田中 健太郎

「何かしたいけど何をやったらいいのかわからない」「一人で現地に行くのは不安」などと思っていた人も多かったと思います。なかなか、行動に移せなかった多くの人の初めの一歩を、会社が背中を押してくれたことで踏み出すことができた人も多いのではないでしょうか。そのきっかけの一歩が、二歩目三歩目と繋がり、今では大きな支援に繋がっていると思います。

気仙沼市大島の仮設住宅

■「SIFCLEAR®」を使用した遮熱塗料を
 気仙沼市大島の仮設住宅に施工

本業を通じた支援として、気仙沼市大島の仮設住宅の屋根に当社の材料「SIFCLEAR®(シフクリア)」を使用した遮熱塗料を施工しました。直射日光による室内温度上昇を抑え、夏場の暑さを和らげ、被災された方々の生活環境改善に貢献しています。


社内報別冊「東北へ行こう!」表紙

■「東北へ行こう!」社員へ呼びかける冊子を発行

気仙沼市大島は、観光と漁業が主な産業の島であるため、復興の一助になればという想いから、JSRグループの社員に向け、大島とその周辺を紹介し、「東北へ行こう!」と呼びかける冊子を発行し、配布しました。ボランティアで社員がたくさん訪れて関係が深くなったため、広い東北の中でも、第一弾として大島に特化したものとしました。


トピック 社員が被災地へ漁船を寄贈

JSRグループのテクノポリマー(株)の社員が、実家に保有していた漁船2隻を気仙沼市大島へ寄贈しました。

テクノポリマー株式会社山中権

テクノポリマー(株) 山中 権

寄贈した漁船2隻は亡き父の形見として、いつかは自分も漁業をとの思いが少なからずあり、手放さずに保管していましたが、今回の東日本大震災とその被害状況に衝撃を受け、役に立つものであれば復興の支援にという気持ちが芽生えました。
2011年7月のボランティアに参加した職場の先輩を通じて、現地災害対策本部に漁船2隻の寄付を提案し、実現しました。親父の船が東北で活躍できることを祈っています


次世代育成・教育分野における取り組み

おもしろ実験教室での実験風景

■ 理科教育支援

「子供の理科離れ」は日本の大きな社会的課題となっています。例えば、「理科を勉強すると日常生活に役立つ」と考えている中学2年生の割合は、調査対象29カ国中最下位だったという国際調査の結果も出ています※1。こうした状況に対して、JSRグループでは、工場のある地域の教育委員会と連携して、市内の小中学校で理科の出前授業を定期的に開催し、次世代を担う子供たちの好奇心を駆り立て、理科に対する興味を引き出しています。2011年度に実施した学校は以下の通りです。今後もこのような取り組みを推進していきます。
※1 TIMSS2007(国際数学・理科教育動向調査の2007年調査)の調査結果


おもしろ実験教室 四日市市立三浜小学校 2011年4月22日
四日市市立内部東小学校 2011年6月3日
四日市市立日永小学校 2012年1月17日
理科出前授業 神栖市波崎第二中学校 2011年12月6日
■ ハイテク・ユニバーシティ開催

JSR研究員との実験風景

2012年3月、「SEMICON® Japan」で知られる半導体産業の工業団体SEMIが主催するハイテク・ユニバーシティを当社の四日市工場で開催しました。次世代を担う高校生に、実習などを交えて楽しく半導体やマイクロエレクトロニクスの基礎を学んでもらう試みです。春休みを利用して、三重県内5校の高校から約40名が集まり、四日市工場で研究員との実験や、研修センターでのミニチュアプラント操作等を体験し、若手社員と高校生とのパネルディスカッションも行いました。


■ 日本大学での生産工学特別講義

日本大学での講義風景

千葉工場の技術者が産学連携強化事業※2の一環として、日本大学生産工学部で生産工学特別講義を毎年実施しています。「ゴムの性質と製造方法と品質保証」についての講義を行い、実際の事例を用いた講義内容に学生も興味深い様子で聴講していました。
※2 産学連携強化事業:産業界と学校が相互に協力し合い、研究や技術面の教育促進を図ること


■ 職場体験学習

四日市工場での体験風景

JSRグループでは、学生・生徒を積極的に受け入れて次世代を担う人材の育成を支援しています。
四日市工場では、四日市市立内部中学校2年生の生徒2名を受け入れ、一日工場長として安全パトロールや社内報の取材、リサイクルセンターでの廃棄物分別作業、溶液重合実験の見学などを体験してもらいました。また、本社では、中央大学法科大学院に通うエクスターンシップ生(実習生)を受け入れました。昨年の実習生に続いて4年連続、6回目の受け入れとなります。2011年度は、下記の学校の学生・生徒の職場体験を受け入れました。


職場体験 四日市市立南中学校 2011年9月27〜29日
四日市市立内部中学校 2011年11月16〜18日
エクスターンシップ 中央大学法科大学院生 2012年2月13日〜3月2日
■ 教員の民間企業研修の受け入れ

危険作業の体験実習

JSRでは、2010年度より一般財団法人 経済広報センターによる教員の民間企業研修プログラムに協力しています。2011年度は8月4〜5日の2日間、本社と千葉工場にて、学校の先生方6名を受け入れ、企業活動の考え方、環境問題への取り組みなどについて理解を深めていただく研修を実施しました。この企業研修での体験を、子どもたちへの教育や学校運営に活かしていただけるよう今後も継続していきます。


環境分野における取り組み

■「こどもよっかいちCO2ダイエット作戦」

授業風景と児童からの感謝状

「こどもよっかいちCO2ダイエット作戦」は、2007年度から四日市工場の環境活動、地域コミュニケーションの一つとしてスタートした、小学校の環境教育に参画する活動です。環境保安部、総務チームが四日市市と協働して、近隣の小学校4、5年生の児童を対象に、家庭における省エネ作戦を考え実行し、その効果を検証するという環境教育プログラムを実施しています。
このたび、日永小学校4年生の児童より感謝状をいただきました。感謝状には「こどもよっかいちCO2ダイエット作戦」で習ったことを続けて節約している報告や、JSRで作っているものが身近にあることにびっくりしたことなどが書かれています。今後もこの取り組みを継続していきます。


■ エコキャップ運動

JSRグループでは、2009年より本社ビルをはじめ各事業所においてエコキャップ運動を展開しています。この運動は、通常はゴミとして焼却してしまうペットボトルのキャップ※3を収集し、再資源化業者へ売却することにより得た資金で、世界の子どもたちにワクチンを届けるものです。回収されたキャップは、NPO法人エコキャップ推進協会を通じて資金化され、ワクチンとして世界の子どもたちへ贈られます。当社グループでは、これまでのトータルが420,500個(2012年3月末現在)に達し、ワクチン526人分となりました。
今後もこの活動を推進していきます。
※3 ペットボトルのキャップはポリプロピレン製で、ペット製であるボトルと一緒に捨ててしまうと、リサイクルすることができませんが、エコキャップ運動は、ボトルとキャップの分別を奨励する活動としても有効です。


■ 清掃活動

清掃活動

JSRグループの各事業所では、周辺地域の清掃活動を定期的に実施し、地域環境の保全に努めています。


地域社会における取り組み

■ 地域との対話

地域の皆様との交流

JSRグループは地域社会の一員として、地域の皆様との交流を大切にした活動を行っています。
四日市工場では、交流行事「JSRハーモニーフェスタ」や工場見学会を定期的に実施しています。13回目となる2012年度のハーモニーフェスタでは、近隣自治会の皆様、当社ならびにグループ企業の家族、総勢1,540名が参加、当社グループ企業社員182名がスタッフとして運営にあたり、楽しんでいただきました。
また、近隣地区の方々に対して工場見学会を開催し、安全・環境対策について説明した後、実際に工場や環境対策の設備を見学していただくことで、地域の皆様に工場の活動に対する理解を深めていただいています。
千葉工場でも毎年恒例の姉崎産業祭に参加し、地域の皆様との対話を図っています。
JMエナジー(株)では、地元の「北杜市大泉ふるさと祭り」に参加、会社紹介のブースも設け、地域の方との交流を深めています。


社会福祉

■「TABLE FOR TWO(TFT)」プログラムへの参加

TFT活動2周年のイベントメニュー

JSRグループでは2010年2月より、TFTプログラムに参加しています。これまでJSRグループからアフリカの子ども達へ、4万693食の給食をプレゼントすることができました。これは、184人の子どもの1年分の給食にあたります。
2012年2月16日から2日間、四日市工場で実施した2周年イベントでは、TFTの支援先であるアフリカの料理メニュー等を企画、延べ642食の協力がありました。
これまでの当社グループの継続的な貢献が高く評価され、昨年の「シルバーサポーター」に引き続き、今回、特定非営利活動法人TABLE FOR TWO Internationalより「ゴールドサポーター」※4として感謝状をいただきました。
※4 ゴールドサポーターには、約500の参加企業・団体の中から、貢献度の高い20の企業・団体が選定されています。


TFT事務局長 安東迪子さんからのコメント

TFT事務局長安東迪子さん

多大なるお力添え、本当にありがとうございます。昨年1年間で、JSRグループからアフリカの子ども達へ、27,171食もの給食をプレゼントすることができました。これは、123人の子どもの1年分の給食にあたります。日々のランチタイムに、海の向こうの123の笑顔を思い浮かべていただければ幸いです。今後ともTABLE FOR TWOの活動へのご参加・ご協力、どうぞよろしくお願いいたします。



■ 外国コイン募金活動

集められた外国コイン

JSRグループでは、2009年より、日本ユニセフ協会を通じて世界の子どもたちの支援事業に役立てる外国コイン募金活動を行っています。
これらは開発途上国の子どもたちの生命と健康、権利を守るための活動に有効に活用されています。


■ アルミ缶回収「あいプロジェクト」への協力

アルミ缶回収風景

四日市工場では、2010年10月から四日市市の障がいを持つ子どもたちの自立支援団体、社会福祉法人「あいプロジェクト」のアルミ缶回収活動に協力しています。アルミ缶は、多機能作業所におけるアルミ缶つぶしの作業に役立ち、また、アルミ缶回収は、障がいを持つ子ども達が社会・人と接する良い機会となり、自立の道にも繋がります。今後もこのプロジェクトに協力していきます。


■ カンパン・水をフードバンクに寄付

JSR本社ビルでは毎年9月の防災の日に合わせ、防災用品・非常食の見直しを行っています。カンパンや水は古いものから順に試食などで差し替えていますが、賞味期限が1カ月以上あれば有効利用できることから、昨年より当社グループ社員有志から募った試食・試飲用のカンパンや水をフードバンクである特定非営利法人のセカンドハーベスト・ジャパン(2HJ)に送っています。
2HJは、食品を扱う企業や農家、個人から食品の提供を受け、それを有効に使用する福祉施設や団体に届ける活動を行っています。

■ 献血への協力

JSR各事業所では日本赤十字社の献血に協力しています。
また、千葉地区で「千葉県献血感謝のつどい」が開催され、千葉工場は日本赤十字社より感謝状を授与されました。

本社での献血風景 ■ 地産地消への取り組み

地産地消メニュー

JSRビジネスサービス(株)四日市事業所では、当社の主力工場である四日市工場の社員食堂において、2010年10月より地域貢献および地球温暖化防止への活動を推進しています。食堂運営会社である魚国総本社と連携し、季節や地元三重県にちなんだ食材メニューを献立に取り入れ、地産地消の取り組みを行っています。毎月2回「地産地消フェア」を開催し、当社グループの社会貢献活動をサポートしています。


■ 労働組合の社会福祉活動

JSR労働組合が加盟している化学総連三重地連主催の福祉施設の子どもたちへのボランティア活動として、2011年度は、7月に味の素(株)東海事業所の見学とボウリングイベントに招待し、子どもたちと楽しいひとときを過ごしました。

海外拠点での取り組み

■ ik kyotoプロジェクト※5

ベルギーにあるJSR Micro N.V.では、社員に自動車を使わない通勤を奨励しています。自転車通勤や自動車であっても同乗した場合には、無料の朝食などを提供する制度で、社員の健康増進をサポートするとともに、地球温暖化防止に貢献しています。
※5 ik kyotoプロジェクト:ベルギーの地方政府により始められた取り組みで、プロジェクトの名称は京都議定書にちなんだもの(http://www.ikkyoto.be)。

■ 各種慈善事業

米国にあるJSR Micro, Inc.では、マッチングギフトや、慈善団体への食料寄付、ホームレスへの衣服提供などの活動を行っています。
また、2011年10月には、ボランティア休暇制度を導入しました。
JSR Micro, Inc. の人事部長 Phyllis Moracco は、次のように話しています。

JSR Micro, Inc. Phyllis Moracco
JSR Micro, Inc.
Phyllis Moracco
人事部長
「私たちはコミュニティーに貢献することの重要性を良く理解しています。自分たちがJSR Micro, Inc.のような成功している会社で仕事をしていることを恵まれていると感じているので、恵まれていない人々を助けることは私たちにとってごく当たり前のことなのです。私たちは、慈善目的や教育目的の寄付、恵まれない家庭への食料、おもちゃ、衣服などの提供などに焦点をあてて、長年活動を実施してきました。従業員の協力を得ることに苦労をしたことはありません。彼らはいつも進んで参加し、貢献してくれます」

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