ホーム > CSR > 安全・防災 RC(マネジメント)
JSRグループは、「経営方針−ステークホルダーへの責任」および一般社団法人日本化学工業協会の環境・安全に関する基本方針を参考に環境安全マネジメント方針の推進項目を制定しています。この推進項目に基づいて具体的な活動計画を策定し、RC活動を推進しています。
「経営方針−ステークホルダーへの責任」はこちら
RCとは「レスポンシブル・ケア®」のことです。化学工業界では、化学物質を扱うそれぞれの企業が化学物質の開発から製造、物流、使用、最終消費を経て廃棄・リサイクルに至るすべての過程において、自主的に「環境・安全・健康」を確保し、活動の成果を公表し社会との対話・コミュニケーションを行う活動を展開しています。この活動を『レスポンシブル・ケア(Responsible Care)』と呼んでいます。
出典:一般社団法人日本化学工業協会パンフレット「レスポンシブル・ケアを知っていますか?」
新製品の開発においては、研究開発から製造、輸送、使用、廃棄に至るまでの評価を行い、環境・安全・健康に配慮した製品の提供に努めます。
製品に関する環境・安全情報管理システムを整備し、顧客や輸送業者などにSDS、イエローカードを提供しています。
事業活動に伴う環境影響に配慮し、地球環境対策や事業所の安全対策および大規模地震対策に積極的に取り組み、より信頼感のある事業所づくりを目指します。
化学物質の環境影響調査を行い、計画的に環境排出量の削減に努めます。廃棄物については、発生量の削減(リデュース)、再使用(リユース)、再利用(リサイクル)を徹底し、環境負荷の低減に努めます。
国際的な環境安全技術の移転に協力するとともに、海外における企業活動に際しては、国内外の規制を遵守し、進出先国の環境・安全の確保に協力します。
化学物質およびその取り扱いに関する安全性事前評価を充実し、作業と設備の改善を行うとともに、さらに健康で安全な職場づくりに努めます。
RC世界憲章 支持宣言書
RC世界憲章は、世界のRC活動をさらに充実・強化させるために、国際化学工業協会(ICCA)が制定した化学産業界共通の自主的な活動方針です。JSRは、この活動方針に賛同しており、RC世界憲章への支持宣言書に2008年10月に署名するとともに、改訂RC世界憲章への支持宣言書にも2015年3月に署名しています。この署名により当社は国内だけでなく、世界的な健康・安全・環境保全の向上に、より一層貢献することを約束しました。
RC推進委員会にて計画策定を行い実行、進捗状況を確認しています。
環境・安全にかかわる法律に関して、新たに公布、施行、改正などが行われた場合、本社から情報を発信し、周知徹底を図っています。またJSR従業員およびグループ企業出向従業員は、社内のイントラネットを通じて環境・安全に関する情報をいつでも閲覧することができます。
JSRは、環境経営を支える環境マネジメントシステムとして、ISO14001を1999年に全工場で認証取得し、以降、毎年認証を維持し、2015年度も全工場で継続審査に合格しています。現在、2015年9月にISO14001が改訂されたことを受け、対応を進めており、2018年9月までに移行を完了する予定です。
なお、筑波研究所ではJSRライフサイエンス(株)の発足および研究所の再編に合せて、環境安全推進体制の再構築を行い、ISO14001規格に準じたマネジメントシステムによる環境保全活動を推進しています。
現場を視察する小柴社長
JSRは、社長を監査チームのトップとした工場・研究所への本社環境・安全監査を毎年実施しています。2015年度は、対象事業所が労働災害、設備災害などの防止に向けて取り組んでいる活動の具体的PDCA内容と、安全意識向上に向けた取り組みに特化するなど、監査の内容、方法を大きく変更して実施しました。今回の変更により、それぞれの課題がどこにあるかの検証や課題認識の共有が容易になり、監査結果を次年度の活動計画に有効に反映することができました。そのため、2016年度は、2015年度の監査手法をベースに用いて被監査部門を拡大して実施します。
また、本社監査以外に高圧ガス認定事業所監査および認定検査管理部署の監査も毎年実施しており、認定要求事項の遵守状況を確認しています。
JSRでは、グループ企業と一体になったレスポンシブル・ケア活動を目指すため、製造・輸送・工事にかかわる国内グループ企業に対して環境・安全監査を実施しています。2015年度は、JSRと同様に監査の内容、方法を変更して、JSR工場地区内のグループ企業を中心に実施しました。2016年度もこの監査方法を継続し、対象範囲を拡大して実施していきます。
キャラバンの様子(鹿島工場)
JSRでは、環境、安全、CSRに関する取り組みを全従業員に周知徹底し、それぞれの活動を促進するため、毎年、担当役員をトップとして各工場を巡回するRC & CSRキャラバンを実施し、活動の成果と今後の課題の共有を図っています。
2015年度は、前年度に発生した重大労働災害を受けて実施している安全に関する様々な取り組みの進捗状況の報告を一つの重点として説明を行いました。
JSR事業所 | 開催日 |
---|---|
四日市工場 | 2015年9月3日 |
千葉工場 | 2015年9月30日 |
鹿島工場 | 2015年9月1日 |
筑波研究所 | 2015年9月16日 |
また、一部の国内および海外のグループ企業でもCSRキャラバンを開催しました。今後も順次開催していきます。
グループ企業 | 開催日 |
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JSR マイクロ九州 | 2015年12月16日 |
JSR Micro Inc.(米国) | 2015年11月19日 |
JSR Micro N.V.(ベルギー) | 2016年2月5日 |
2015年10月6日に、顧客先に保管していた弊社廃棄物を産業廃棄物処理収集運搬委託契約を締結前に移動させていたことが判明しました。本件について、廃棄物を移動した段階で行政へ報告及び適正処理方法の相談を行い、その指導に従い適正処理を実施しました。再発防止対策として、従業員に対する定期的な廃棄物処理法の再教育や、社内体制の再構築などを行いました。
年度 | 研修回数(回) | 参加人数(名) | 研修内容 |
---|---|---|---|
1991〜2014 | 65 | 569 | 大気・水質管理技術、産業廃棄物処理管理技術、臭気対策技術、環境管理システム、レスポンシブル・ケア活動、環境施設見学会 |
2015 | 2 | 17 | |
合計 | 67 | 586 |
研修の様子(JSR四日市工場)
JSRは、RC分野における国際協力のため、公益財団法人 国際環境技術移転研究センター(ICETT)が設立当初から進めている、世界各国の環境・安全技術者養成に協力しています。
1995年 | JSR千葉工場 | 労働大臣 | 優良賞(安全部門) |
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1995年 | JSR鹿島工場 | 労働大臣 | 努力賞(安全部門) |
1999年 | JSR千葉工場 | 日本化学工業協会 | 安全賞 |
2002年 | JSR千葉工場 | 厚生労働大臣 | 努力賞(衛生部門) |
2003年 | JSR四日市工場 | 中部経済産業局 | 中部経済産業局長表彰 エネルギー管理優良工場(熱部門) |
2006年 | JSR筑波研究所 | 消防庁長官 | 優良危険物関係事業所表彰 |
2007年 | JSR四日市工場 | 日本レスポンシブル・ケア協議会 | レスポンシブル・ケア賞 |
2010年 | JSR千葉工場 | 日本化学工業協会 | 安全優秀賞 |
2012年 | JSR四日市工場 | 日本化学工業協会 | 安全最優秀賞 |
2013年 | JSR千葉工場 | 日本化学工業協会 | レスポンシブル・ケア賞 |
2013年 | JSRオプテック筑波(株) | 消防庁長官 | 優良危険物関係事業所表彰 |
2013年 | JSRマイクロ九州(株) | 消防庁長官 | 優良危険物関係事業所表彰 |
2013年 | 日本カラリング(株) | 中部経済産業局 | 中部経済産業局長表彰 エネルギー管理優良工場 |
2015年 | JSRマイクロ九州(株) | 九州経済産業局 | 九州経済産業局長賞 エネルギー管理優良工場 |
2015年 | JSRオプテック筑波(株) | 日本化学工業協会 | レスポンシブル・ケア努力賞 |
JSRグループのJSRマイクロ九州(株)が、従来より取り組んできたエネルギーの使用合理化からなる省エネルギー活動の成果に対し、経済産業省九州経済産業局より「九州経済産業局長賞」を受賞しました。2016年2月15日に福岡で行われた授賞式と同日に開催された「エネルギー使用合理化シンポジウム」にて活動事例を発表しました。
授賞式
活動事例の発表
環境保全活動のさらなる活性化を目的として、環境製品開発、環境技術開発、環境負荷低減、および地域社会への環境支援等の環境保全に関して優れた貢献をした人に対する表彰制度「環境功労表彰」を設けています。2015年度は、4件で11名が表彰されました。
件名 | 内容 | |
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四日市工場 | 工場操業支援システム の構築 | 工場全体のエネルギー使用量を「見える化」し、省エネルギーを推進できる管理システムを構築した。併せて、工場操業支援のための環境情報・運転状況管理も組み込んだ。今回のシステム構築は既存システムを活用し、社内でシステム開発を行うことで、利便性とシステム開発コストの低減を両立することができた。 |
四日市工場 | 臭気指数規制施行に 向けての臭気官能試験 技術確立 | 来年から四日市市が施行する臭気指数規制に対応できる測定体制を確立した。従来の測定法では検出能力・精度とも不十分であり、公的な情報収集や専門家の意見を取り入れることで、規制値への適合状況を判定できる測定法と体制を確立することができた。 |
千葉工場 | 触媒失活処理における 有毒ガスの発生抑制 | ARTONで使用される触媒を失活処理させる際に有毒ガスが発生する。従来の処理方法では、反応率が低い課題があったが、処理にアルコールを添加する事で、触媒の水溶性を大幅に向上させ、反応率を向上する技術を確立し、有毒ガスの発生を大幅に抑制した。 |
千葉工場 | 安定器分別による PCB含有廃棄物の削減 | 千葉工場ではPCBを含有すると推定された安定器を保管しているが、外部処理機関の都合で処理が遅れ、社内での保管期間が長期化していた。このため、技術的な判定基準により、当初PCB含有と判断した安定器の中からPCBを含まない安定器を取り除くことで保管量を削減できた。 |