JSR、IBMとAIを活用して半導体材料の開発を強化 ~ Materials Innovationで、より豊かな世界を~
JSR株式会社(代表取締役・CEO・社長執行役員:堀 哲朗、以下「JSR」)と、IBMは、化学産業に特化したAIの共同研究プログラムの開始にあたり、共同研究契約(Joint Research Agreement)を締結しましたのでお知らせします。JSRとIBMは、材料開発に特化した基盤モデルの拡張や生成AI等*の活用によるデータ活用基盤の整備等を通じて、多様な材料システムを統合的に運用するプラットフォームを構築するとともに、多種多様な材料表現を理解・モデル化するためのナレッジ構築に向けた共同研究を進めていく予定です。今後はこのプログラムにより、当社の競争優位性の向上に加えて、研究開発手法の破壊的変化を追求してまいります。
近年の半導体の技術の進化とそれに伴うAIの進歩は、すでに私たちの日々の生活様式に刺激を与え、人々の行動に変化を起こしています。この変化のスピードは更に加速すると予想されており、半導体材料の開発現場にも影響を及ぼしています。
世界の半導体産業の発展に貢献すべく、JSRとIBMは四半世紀にわたってAI研究を含む様々な共同研究を行ってきました。
日本アイ・ビー・エム株式会社 執行役員 研究開発担当 兼 東京基礎研究所長 福田 剛志は、「JSRとの長年にわたる協業の歴史をさらに発展させられることを大変嬉しく思います。材料科学におけるJSRの数十年に及ぶ知見と創意工夫に、IBMのAI分野での専門性と洞察力を融合させることで、新たな発見を引き出し、次世代材料の開発を加速させていきたいと考えています。」と述べています。
木村 徹上席執行役員(電子材料事業、次世代研究(DS/MI等) 担当)は、「デジタル技術と材料科学の融合は、これまでにない価値を生み出す大きなチャンスです。本共同研究を通じて、革新的な材料開発の加速を実現し、業界全体の発展に貢献してまいります。」と述べています。
新技術の登場とデジタル時代の加速に伴い、JSRはIBMとともに技術的・社会的進歩から成る新時代をリードしています。半導体におけるJSRのマテリアル・イノベーションは、エネルギーからライフサイエンスに至る産業のバックボーンを形成し、日常生活にシームレスに溶け込み、つながりのある世界を形成しています。
活動実績
Achievements
論文名:MHG-GNN: Combination of Molecular Hypergraph Grammar with Graph Neural Network (NeurIPS 2023 workshop AI4Mat-2023)
DOI:10.48550/arXiv.2309.16374
論文名:Foundation Model for Material Science (AAAI 2024, proceedings)
DOI:10.1609/aaai.v37i13.26793
論文名:TDiMS: A Topological Distance based Intra-Molecular Substructure Descriptor for Improved Machine Learning Predictions (AAAI 2025 workshop AI2ASE)
論文名:PatCID: Large-scale chemical-structure database from images in patent documents (ACS Fall Meeting 2023)
*基盤モデルとは、特定の分類や説明が施されていない広範なデータを使って学習されたAIモデルの一種で、さまざまなタスクを実行したり、ある状況から得た情報を他の状況に適用することができます。過去数年間で、これらのモデルは自然言語処理(NLP)技術の分野を大きく進歩させました。IBMは、基盤モデルを言語以外の分野にも応用する先駆者で化学、時系列データ、地理空間データ、バイオメディカル、デジタルへスケアなどの領域に拡張しています。
