代表取締役CEO兼社長

　　　　　　　　　　　エリック ジョンソン

新年おめでとうございます。

COVID-19のパンデミックから脱却し、世界の経済活動は大きく回復しています。日本を訪れる観光客はコロナ禍以前の水準に達しており、日本企業への投資にも関心が高まっています。その一方で、ロシアによるウクライナ侵略は未だ打開せず、イスラエル・パレスチナ情勢が深刻化するなど、国際社会は多くの不確実性に直面しています。

産業界においては、ヘルスケアとデジタルソリューションが引き続き世界的に優先的なセクターとして発展しており、当社が関わるバイオ医薬品と半導体の市場も堅調に推移していますが、メーカー間の競争はますます激しくなっています。

当社はこうした状況を踏まえ、2023年6月、企業の競争力強化を支援する官民ファンドであるJICキャピタルとの戦略的パートナーシップの下での株式非公開化を目指すことを決定いたしました。

これにより、幅広い製品ラインアップによる市場シェアの拡大、事業全体の効率化、他社との技術統合、新たな人材や技術の獲得を含めた資源拡充による国際競争力の強化に、スピードをもって取り組むことが可能になります。

2024年は、JSRがグローバルに競争力のある企業になるために次のフェーズに踏み出す、重要な年になります。

短期的には、デジタルソリューション、ライフサイエンス、合成樹脂の3事業ともにより良い事業環境が期待されており、全事業でオペレーショナル・エクセレンスを実践していく所存です。

さらに、自動車、バイオ医薬品、半導体、ディスプレイデバイスなど、着実に成長している顧客産業をはじめとするステークホルダーに、より高い価値を提供していくため、持続可能で将来の成長が確実な分野に注力してまいります。

JSRグループは、大きな事業変革を経て、環境変化を機会と捉え、企業価値を持続的かつ継続的に高めていく、レジリエントな経営基盤の確立に向けて前進してまいります。

そのために、良き企業風土の実現による透明で堅牢な企業統治を目指すとともに、環境の保護・改善をはじめとする様々な問題の解決に積極的に取り組み、大切なステークホルダーの皆様から信頼されるパートナーであり続けたいと願っております。

何卒、倍旧のご指導ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。