JSR、北海道大学と脂質ナノ粒子DDSのための機能性脂質の製造・販売に関するパートナー契約を締結

企業情報
JSR株式会社(本社:東京都港区、代表取締役CEO:エリック・ジョンソン、以下JSR)は、国立大学法人北海道大学(総長:寳金 清博、以下北海道大学)とドラッグデリバリーシステム(DDS※1)の一つである脂質ナノ粒子※2のための機能性脂質の製造・販売に関するパートナー契約を締結したことをお知らせいたします。

北海道大学大学院原島秀吉教授、佐藤悠介助教らが開発した機能性脂質CL4H6を用いた脂質ナノ粒子はmRNAワクチン・医薬品、核酸医薬、ゲノム編集等様々なモダリティ※3を内包することで優れた性能を発揮することが既に論文等で報告されています。JSRグループは診断試薬材料、バイオプロセス材料、創薬支援ビジネスを主体としたライフサイエンス事業を展開する傍ら、次世代研究開発として、DDS技術の研究開発を続けてきました。そして、この度、ICH Q7※4の概念に則ったCL4H6の量産技術の開発に成功し、高品質の脂質を提供することが可能となりました。

JSRは製薬企業の臨床開発の加速を支援するなど、次世代研究を通して、健康長寿社会に求められる新たな製品・サービスにつながるイノベーションの実現を目指していきます。


※1 DDS:薬物を体内の特定の部位に送り届ける技術の総称であり、薬物の体内動態を制御して、治療効果の向上や副作用の軽減を図る目的で使用される。
※2 脂質ナノ粒子:脂質を主成分とする直径10nmから1000nm程度のナノ粒子。非ウイルス性のDDS技術として、mRNAワクチン・医薬や核酸医薬の送達に利用されている。
※3 モダリティ:低分子薬、抗体医薬、核酸医薬、細胞治療、遺伝子細胞治療、遺伝子治療といった治療手段の種別のこと
※4 ICH Q7:原薬GMP(Good Manufacturing Practice)ガイドライン