JSR、5G高速伝送用絶縁材料を開発し販売を開始 

製品情報
JSR株式会社(代表取締役CEO:エリック ジョンソン)は、第5世代移動通信システム(5G)用の低誘電率、低誘電正接絶縁材料を開発し、販売を開始しました。

5Gで利用される高周波数領域では、信号の伝送損失を抑える低誘電率、低誘電正接のプリント基板材料が求められています。JSRは、独自の合成技術を駆使して、低誘電率、低誘電正接を特長とした高周波プリント基板向け絶縁材料を開発しました。本材料は、スマートフォン等で用いられるフレキシブル銅張積層版(FCCL:Flexible Copper Clad Laminate)のベースフィルムおよび低粗化銅箔への高い密着力を有しており、また高温多湿下での使用に於いても優れた電気特性を維持します。銅箔は、伝送損失低減のために表面の平滑性が求められる一方、絶縁膜との十分な密着性確保のためには表面にある程度の粗さも求められます。従来、表面積を広げ立体構造によるアンカー効果を持つ粗化処理(表面を粗くする処理)をしないと十分な密着力が得られない場合もありましたが、当社の材料は低粗化(比較的粗くない)銅箔でも高い密着力を示します。

また、本材料は熱硬化性材料で硬化前の流動性が高く、高周波プリント基板配線の埋め込み性に優れ、一般的な設備が使用できる200℃以下の加工が可能です。プリント基板の上下の配線層の接続に必要な穴空け加工性やめっきとの密着性にも優れています。

5Gは現状と比較して100倍の伝送速度、1,000倍の大容量化を実現する携帯電話などに使用される通信技術です。2020年に国内での運用開始が予定されており、ニーズも高まってくることが予想されます。

7月17日~19日にかけて東京ビッグサイト青海展示棟にて開催される5G/IoT通信展にて、本材料を使ったLow Loss TPE (Thermosetting Polyether) FCCLを湖北奥馬電子科技有限公司と共同出展致します。

今後も、企業理念「Materials Innovation マテリアルを通じて価値を創造し、人間社会(人・社会・環境)に貢献します。」に立脚して、ユーザーの皆様にさらなる付加価値を提供してまいります。