年頭のごあいさつ

企業情報
JSR株式会社 取締役社長 小柴満信


謹んで新年のお慶びを申し上げます。

昨年は、6月の英国のEU離脱に続いて起きた円高、11月の米国大統領選の後の急激な株高・円安など、政治や経済の変化が大きく、予想に反することが当たり前のように起きた一年でした。また、熊本の大規模な地震では改めて自然災害の怖さを認識させられました。一方で人工知能(AI)をはじめとしたデジタル革命の潮流が一般メディアでも取り上げられ、「サイバー空間」が今までにない存在感を示すなど新しい動きが見えた年でもありました。

当社グループにおきましては、円高および国内外での事業環境の変化などにより収益の改善を果たせませんでした。一方で、2009年以降の積極的な事業統廃合により、事業収益が大幅に改善する体制が整った手ごたえも感じております。

2017年は、米国での新政権の誕生、欧州でのフランスやドイツにおける重要な選挙など政治の動きがありますし、新興国経済や為替、原油などのマクロ経済動向からも目が離せません。ユーザ業界動向も見据えつつ、「サイバー空間」などの新しい動きも意識して、細心の注意を払いながら大胆な経営戦略を実行してまいります。

当社グループは、SSBR(溶液重合SBR)などの石油化学系事業、半導体材料事業、ディスプレイ材料事業、そしてライフサイエンス事業のグローバル拠点化を積極的に進めており、グローバル経済の交易条件や二国間または多国間の貿易の障壁・規制の変化への耐性を高めてきております。持続的で安定的な成長のために、今後もグローバルの戦略投資を継続してまいります。

当社は今年、創立60周年を迎え、4月には3ヵ年の新中期経営計画を始動する予定です。基盤となる事業の展開に加え、60周年を機に開始する慶應義塾大学医学部・病院との医工連携や、日に日に存在感が増すデジタル革命への対応など、2020年以降の持続的な成長のための準備を怠りなく進めてまいります。

本年も何卒、倍旧のご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。