JSRグループ、血清、血漿、細胞培養に最適な「ExoCap」(エクソキャップ)の販売を開始 

企業情報
JSR株式会社(社長:小柴 満信)とそのグループ会社であるJSRライフサイエンス株式会社(茨城県つくば市)は、ヒト由来の血清・血漿からエクソソームを単離するのに最適化した「ExoCap™」(エクソキャップ)の販売を開始したことを発表します。本製品は、細胞培養上清にも適用可能です。

従来、血清・血漿は多くの夾雑タンパク質を含んでおり、エクソソームの単離は困難でした。今回JSRグループが、新たに開発したトリートメント緩衝液を用いる事でエクソソームの単離性能を改善しています。

「ExoCap™」は、体外診断システムの多検体処理や自動化に用いられてきたJSRグループ独自の磁性粒子Magnosphere™(マグノスフィア)を用いた分離担体「ExoCap™ Capture Beads」と、エクソソームを捕捉・洗浄・溶出する各ステップで用いる緩衝液とを組み合わせた研究試薬キットです。「ExoCap™ Capture Beads」は、エクソソーム表面抗原(CD9, CD63, CD81, およびEpCAM)を認識する抗体を結合した磁性粒子で、親水性ポリマーの表面を有しており、タンパク質等の非特異的結合を抑えています。

エクソソームは体内の細胞から分泌されて血液や尿中に存在する細胞外小胞で、由来する細胞の核酸やタンパク質等を含んでいます。含んでいるmiRNA(マイクロRNA)やタンパク質の種類は細胞の状態等により異なるため、それらを分析することで各種の疾患に関係するバイオマーカー(生物指標化合物)を発見・検出できると期待されています。これを簡便に分離して得ることで、研究や診断の新たな手段となることが期待されています。

JSRグループでは、JSRライフサイエンス株式会社を中核としてグローバルなサポート体制を整えており、また資本提携している株式会社医学生物学研究所と協力し、事業展開を進めてまいります。