JSRとimecが共同で次世代半導体製造のためのEUVリソグラフィ用フォトレジスト技術提供へ 

企業情報
JSR株式会社(本社:東京都港区、社長:小柴満信)とナノエレクトロニクス技術研究の先端的な研究機関であるimec (本社:ベルギー、CEO:Luc Van den hove)は、半導体産業に向けてEUVリソグラフィ材料の製造・品質管理サービスを提供するための提携に合意し、本日、基本合意書(LOI : Letter of Intent)の調印式をベルギー大使館で行いました。この提携にもとづき、JSRの出資比率が過半となる合弁会社を設立する予定です。

EUV(極端紫外線)リソグラフィ技術は、「ムーアの法則」で表される半導体の微細化・集積度向上の進展を10ナノメートル未満の世代においても推し進める主要技術の一つとして期待されています。JSRとimecの合弁会社は両社の強みを活かして、最先端デバイスを製造する半導体産業に対してEUVリソグラフィ材料技術を提供していきます。合弁会社はJSR100%出資のグループ企業JSR Micro N.V.の敷地内に設立され、JSRから製造技術の提供を受けて新しい製造設備や分析設備を導入するとともに、imecからはEUVリソグラフィ材料の品質管理に関する専門性と技術サービスの提供を受けることで、難しいとされてきたEUVリソグラフィ技術の促進に貢献します。なお、合弁会社は、JSRブランドのリソグラフィ材料を製造するだけでなく、他社製品の製造も請け負う予定です。

imecの社長兼CEOのLuc Van den hove(リュック・ヴァン・デン・ホーヴ)のコメント:
JSRは、長期に亘ってimecの戦略的パートナーであり、今回のコラボレーションもとてもエキサイティングです。このコラボレーションは我々の「サプライヤーハブ」構想を強固なものとします。「サプライヤーハブ」は、中立的なオープンイノベーション研究開発基盤で、微細加工プロセスを開発する装置・材料サプライヤーがimecの個別プロセスやモジュール開発の初期段階から参画し密接に協業できる環境です。今回の提携でJSRの製造拠点とimecのテクノロジー基盤が融合することにより、サプライヤーハブに参加して次世代技術を開発するパートナーが、業界トップクラスの材料を活用できるようになります。

JSR株式会社代表取締役社長小柴 満信のコメント
EUVリソグラフィは半導体製造技術が今後も「ムーアの法則」を実現するうえで必須の技術です。JSRは従来の化学増幅型のレジストに加えて、新規に設計された非常に高感度で生産性に優れるフォトレジストおよび多層材料のような周辺材料を開発しています。半導体業界からは、EUV露光装置の改善に見合ったリソグラフィ技術の完成度の向上および無欠陥を達成する本格生産設備と品質保証体制の確立を要請されています。今回の製造合弁会社設立は、JSRとimecの永年にわたる信頼関係があればこそ実現することができました。半導体技術を支えてきたグローバルリーダーである2社が今後の業界ニーズに応えるべく従来の発想を超えて行う取り組みです。大変、エキサイティングでありimecの果敢なチャレンジに敬服します。