病気に関わっている体内の物質を探して調べるために必要な 「研究試薬」。「ExoCap™」も、そのひとつです。

個別化医療のこれからに役立つ研究試薬。

病気は、同じ病名でも人によって異なる対応が必要になるものです。そこで最近、一人ひとりに最適な予防や治療を目指す「個別化医療」が注目されはじめました。そんな個別化の実現には、疾患の情報やその解析をするためのツールが必要になり、JSRグル一プではこの分野に独自の先端技術を活かして、研究試薬のキットや材料を提供しています。
ここでは体内の細胞から分泌されるエクソソ一ムという粒子を、研究のために採取する際に使う試薬キット、「ExoCap™(エクソキャップ)」をご紹介します。

「ExoCap™」製品イメージ

細胞分泌粒子のエクソソームが、ガンの転移に関わっている。

エクソソ一ムは血液や唾液、尿の中に存在する直径30〜100nm(1mmの3万分の1〜1万分の1)の細胞外小胞で、従来は細胞内で不要になった核酸やタンパク質などを排出するためのものと考えられていました。ところが最近の研究によって、エクソソ一ムはガンの転移にも大きく関わっていることが分かってきました。そのため、エクソソ一ムに含まれるマイクロRNAやタンパク質を調べることが、ガンなどの診断や早期検知につながるのではないかと、盛んに研究されています。

エクソソーム模式図
エクソソームがマイクロRNAやタンパク質を含む様子の模式図

「ExoCap™」はエクソソームを効率良く採取するための製品です。

「ExoCap™」は、従来からある手法(超遠心分難、フィルタ一を用いた分離、沈殿させての分離など)と比べて、エクソソームを効率よく採取することができる製品です。「エクソソーム(Exosome)キャプチャ一(Capture; 捕捉)キット」としての販売で、エクソソームを捕捉するための抗体を結合した磁性粒子エクソソームキャプチャービーズと洗浄/希釈のための液体を、セットで提供します。

「ExoCapTM」使用イメージ
①エクソソームが含まれている血しょうなどのサンプルに磁性粒子を加えてエクソソームを捕捉させます。
②磁石で磁性粒子を集めることで、捕捉した以外の不要な成分をかんたんに洗浄できます。
③捕捉したエクソソームを用いて遺伝子やタンパク質を解析し、研究を行います。
抗体結合磁性粒子がエクソソームを捕捉(模式図)
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抗体

体内の異物を排除する免疫システムなど防御反応を活性化する生体分子。微生物・ウイルス・毒素・アレルギー原因物質などの異物や体内の腫瘍にある特定のタンパク質(抗原)を識別して結合(抗原抗体反応)する性質を持つタンパク質分子で、抗原の種類ごとにそれのみを識別し結合する抗体が体内で作り出される(ヒト体内では数百万~数億種類の抗体が作られると言われている)。抗原に抗体が結合することで、微生物や毒素の害が緩和されたり、体内の異物を排除する防御反応(免疫システムや、白血球、マクロファージによる異物排除)の活性化が起こる。