地域・社会とのかかわりについての考え方
JSRグループは、これまでも地域活動を中心に各種の社会貢献活動に取り組んできましたが、
活動を一層本格化させるための指針として、2009年1月に「社会貢献についての基本的な考え方」を制定しました。今後はこの指針に沿って取り組みを推進していきます。
- 社会貢献についての基本的な考え方
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- 企業理念に基づき事業活動を通じて社会に貢献することに加えて、社会の責任ある一員として、社会的要請・社会的課題の解決に積極的に取り組みます。
- JSRが事業の基盤をおいている「化学・技術」の知識・技能を生かして、あたたかみのある社会貢献活動に持続的に取り組みます。
- 社員一人ひとりが社会との接点を持ち、自発的に社会貢献活動に参加することを積極的に支援します。
2008年度の取り組み
2008年度に実施した主な社会貢献・地域貢献活動を紹介します。
次世代育成・教育分野における取り組み
授業風景
- □ 理科の出前授業
- 「子供の理科離れ」は日本の大きな社会的課題となっています。「理科を勉強すると日常生活に役立つ」と考えている中学2年生の割合は、調査対象29ヵ国中最下位だったという国際調査の結果も出ています*1。こうした状況に対して、JSRグループでは、四日市市教育委員会と連携して、四日市市内の中学校で理科の出前授業を定期的に開催しています。
全ての物質は「分子」からできており、「分子」のつながり方が違うだけでまったく違う性能になること、「分子」のいろいろな組み合わせでつくられた素材が、自分たちの身近で使われていることを模型などを使用して説明しています。学校だけではできない実験や教材によって、子供たちの好奇心を駆り立て、理科に対する興味を引き出しています。
*1 TIMSS2007(国際数学・理科教育動向調査の2007年調査)の調査結果
講義風景
- □ 生産工学特別講義
- 産学連携*2の一環として、日本大学生産工学部で生産工学特別講義を毎年実施しています。「ゴムの性質と製造方法および品質保証について」の講義を行い、実際の事例を用いた講義内容に学生の皆様も興味深い様子で聴講していました。
*2 産学連携:産業界と学校が相互に協力し合って、研究や技術面の教育促進を図ること
地域産業の担い手教育
- □ 地域産業の担い手育成プロジェクト
- 四日市工場では、三重県の「地域産業の担い手育成プロジェクト」に参画し、四日市工業高校の生徒を受け入れて、半年間の実習を実施しました。
環境分野における取り組み
授業風景
- □ キッズISOプログラム
- 四日市工場では、「キッズISO14001プログラム」に協力しています。「キッズISO14001プログラム」は、国際芸術技術協力機構が開発し、国内外で展開している環境教育プログラムです。当社は、2007年度からその活動に賛同し、子供たちが使用するワークブック(環境家計簿)購入資金を提供したり、子供たちが実施したエコ活動の評価を行うエコキッズインストラクターの養成と派遣を行っています。
エコキャップ運動
- □ エコキャップ運動
- JSRグループ本社ビルでは、2009年4月より「エコキャップ運動」を開始しました。この運動は通常はゴミとして焼却してしまうペットボトルのキャップ*3を収集し、再資源化業者へ売却することにより得た資金で世界の子供たちにワクチンを届けるというものです。回収されたキャップは、NPO法人エコキャップ推進協会を通じて資金化され、ワクチンとして世界の子供たちへ贈られます。
当社グループでは、本社以外の事業所へも活動を広げていく予定です。
*3 ペットボトルのキャップはポリプロピレン製で、ペット製であるボトルと一緒に捨ててしまうと、リサイクルすることができませんが、エコキャップ運動は、ボトルとキャップの分別を奨励する活動としても有効です。
清掃活動風景
- □ 清掃活動
- 四日市工場、千葉工場および鹿島工場では、周辺地域の清掃活動を定期的に実施し、地域環境の保全に努めています。
地域社会における取り組み
ハーモニーフェスタ
- □ 地域との対話
- 四日市工場では、交流行事「JSRハーモニーフェスタ」や工場見学会を毎年実施し、地域の皆様との交流を大切にした活動を行っています。ハーモニーフェスタでは、地域の皆様と社員が一緒になりさまざまなゲームやアトラクションを行い、それらを通じて地域の皆様と交流を図っています。また、工場見学会では、安全・環境対策について説明した後、実際に工場や環境対策の設備を見学していただくことで、工場の活動に対する理解を深めてくださっています。
千葉工場においても、同様に姉ヶ崎産業祭への参加など、地域の皆様との対話を行っています。
児童福祉施設支援活動
- □ ボランティア活動
- JSR労働組合が加盟している化学総連三重地連主催のボランティア活動に参加し、社員からの寄付金を使って児童福祉施設への支援活動を実施しています。
海外拠点での取り組み
JSR Micro N.V. (ベルギー ルーヴァン市)
- □ ik kyotoプロジェクト*4
- ベルギーにあるJSR Micro N.V.では、社員に自動車を使わない通勤を奨励しています。自転車通勤や自動車であっても同乗した場合には、無料の朝食等を提供する制度で、社員の健康増進をサポートするとともに、地球温暖化防止に貢献しています。
*4 ik kyotoプロジェクトとは、ベルギーの地方政府により始められた取り組みで、プロジェクトの名称は京都議定書にちなんだものです。(http://www.ikkyoto.be)
今後の社会貢献活動について
「JSRらしさ」と「社員の自主性」をキーワードに活動をより一層充実させるため、今後新たに取り組むべき社会貢献のテーマについて、社会貢献委員会および社会貢献分科会で検討しています。2009年下期から、社会貢献の新プログラムを順次開始する予定です。