マテリアルズ・イノベーションのカギとなる
将来ビジネスのシーズを探索・探耕。

JSRの次世代研究部門として1989年に設立されたのが筑波研究所です。90年代半ばの旧東京研究所からの機能全面移管を機に、単なる探索研究にとどまらず、新規事業の創出を視野に入れたマーケット開拓型の研究開発に軸足を移行しました。いまやJSRの基盤事業の一つとなったファイン事業を育んだのは、かつての東京研究所。その流れをくんだ筑波研究所からも、ライフサイエンスなどの新規事業が誕生しています。すでに事業として成立している分野の技術・材料開発から、長期的な視点での開発課題までを幅広くカバーしながら、将来の事業のシーズとなる技術を発掘・育成し、将来のビジネスを育てていくのが筑波研究所の役割です。現在、筑波研究所では合成ゴムや高分子材料技術をベースとしながら、「光機能性材料」および「エネルギー材料」の分野で事業化を目指す研究開発を行っています。それぞれの分野における技術の発掘・深耕により、未来のJSRを支えるビジネス創出を狙います。

光造形の写真
光造形
炭化水素系電解質膜(エネルギー材料)の写真
炭化水素系電解質膜
(エネルギー材料)

Strong Point

基礎研究から製造までを一貫して行う。

筑波研究所の研究分野は高分子技術をベースとしており、その点ではJSRの他の研究所と変わりありませんが、研究開発の方法や組織には特徴があります。特徴の一つは、JSRの主力工場である四日市工場から離れた場所にありながら、最先端技術の基礎研究だけでなく、製造にも直接かかわって開発を進めているところです。基礎技術の開発担当者がそのまま応用技術の開発や製造技術開発にも携わるため、製造段階で問題に直面した場合でも、基礎から見直して対策を立てることが可能。現象のメカニズムをきちんと突き詰めることができ、精度の高い技術の確立を可能としています。もう一つの特徴は、筑波研究所における研究開発テーマから誕生したJSRライフサイエンス(株)や(株)ディーメック(いずれもJSRのグループ企業)と共存していることです。とくにJSRライフサイエンス(株)とは現在も建屋を共有。異分野ではあるもののオーバーラップする技術も多く、お互いに刺激を与え合いながら、切磋琢磨しています。