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JSRライフサイエンス社、抗体医薬精製用の新しいプロテインA担体を販売開始

製品情報 2012年10月02日
JSR株式会社(社長:小柴 満信)は、ライフサイエンス系グループ企業であるJSRライフサイエンス株式会社が、抗体医薬製造の精製工程に用いられるプロテインA担体「Amsphere™ Protein A」を販売開始することを発表します。
このプロテインA担体「Amsphere™ Protein A」は、JSR独自の粒子設計技術(技術名:Poronomics™)により開発された親水性の多孔質ポリマー粒子を基材とし、遺伝子組み換え技術により生み出された高い耐アルカリ性を有する独自のプロテインAを結合させた担体です。これら独自技術によって、抗体の結合容量が繰り返し使用でも低下しにくい、精製品質を損なう不要物が混入しにくく純度の高い抗体を得られる、という特長を実現しています。また、担体の機械的強度が高いので、高流速での精製にも対応できます。抗体医薬製造プロセスで課題となっている精製工程の効率化に貢献し、ひいては抗体医薬を用いる先端医療が普及していくことにつながるものと期待できます。
本製品の詳細は2012年10月に開催されるBioProcess International (10/9-11, 米国・プロビデンス)およびBioProduction (10/24-25, ドイツ・ベルリン)にて紹介します。

抗体医薬は、従来の化学合成の低分子医薬と異なり、遺伝子工学的製法で作られます。抗体の持つ特異性を利用するため高い薬効を備えながら副作用が少ないと期待されており、がんやリウマチの治療薬が実現化されているほか、さらに新薬の開発が精力的に進められています。
JSRライフサイエンス株式会社が今回販売開始するプロテインA担体「Amsphere™ Protein A」は、抗体医薬の製造工程におけるアフィニティ精製(抗体医薬となる生体分子を精製する方法で、抗体との特異的な親和力[アフィニティ]を利用する)に用いられるものです。本製品は高い抗体結合容量と優れた精製能力を有し、これを用いることで高純度の抗体を生産性高く得ることができます。
抗体医薬の価格は普及上の課題といわれています。価格に大きな影響を与える因子のひとつが、抗体医薬製造プロセスで用いられるアフィニティ精製にかかるコストであり、精製工程の効率向上につながる新たな精製担体が求められています。今回発表する製品はこの期待に応えるものです。

JSRグループでは、JSRライフサイエンス株式会社を中核として欧米およびアジア(中国・韓国)の事業拠点が連携し、グローバルなサポート体制を整えております。今後も研究開発から技術サポートまで一貫した体制により、世界市場のニーズに迅速に対応してまいります。

JSRグループでは企業理念「Materials Innovation -マテリアルを通じて価値を創造し、人間社会(人・社会・環境)に貢献します。」の下、高い競争力を有している各種粒子やポリマーの技術を核に、外部との積極的な連携を行いつつ、事業創造と社会への貢献にチャレンジしてまいります。