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JSR、慢性炎症性腸疾患の治療、診断に関わる研究成果の独占的実施権を取得

企業情報 2018年01月30日
JSR株式会社 (本社:東京都港区、代表取締役社長:小柴満信、以下「JSR」) は、慶應義塾大学より慢性炎症性腸疾患の治療、診断に関わる研究成果の独占的使用権を取得しました。また、バクテリオファージ (細菌に感染するウイルスの総称) *を用いた細菌感染症治療薬の開発を進めている創薬ベンチャーであるBiomX Ltd. (本社:Ness Tziona, Israel、CEO Jonathan Solomon 以下「BiomX社」) に対して、本研究成果のうちファージセラピー (バクテリオファージを用いた細菌感染症の治療法) への応用に限定した独占的再実施許諾を行いました。

本研究成果は、腸内細菌叢の乱れに乗じて口腔に存在するクレブシエラ菌が腸管内に定着することにより、TH1細胞と呼ばれる免疫細胞の過剰な活性化を引き起こし、炎症性腸疾患 (クローン病や潰瘍性大腸炎) などの発症に関与する可能性があることを明らかにしたもので、炎症性腸疾患の治療薬や診断薬の開発に繋がると期待されます。

当社は、JSR・慶應義塾大学 医学化学イノベーションセンター (JKiC) での取り組みを通じて、腸内細菌叢の恒常性維持に関わる技術、および診断薬の開発を進めて行きます。また、BiomX社では、炎症性腸疾患などの発症に関与していると考えられるクレブシエラ菌を標的とするファージセラピーの開発を進めて行きます。ファージセラピーは、標的とする細菌のみを殺傷できるという特徴があります。抗生物質のように腸内細菌叢の攪乱を起こさないため、抗生物質耐性菌による院内感染などが社会問題化する中、抗生物質に代わる細菌感染治療法として再び注目されてきています。

JSRグループは、オープンイノベーションにより革新的な材料や製品の開発に取り組んでまいります。

【本研究成果について】
国立研究開発法人日本医療研究開発機構 (AMED) 革新的先端研究開発支援事業インキュベートタイプ (LEAP) に採択された「腸内細菌株カクテルを用いた新規医薬品の創出」の成果として慶應義塾大学医学部微生物学・免疫学教室 (本田賢也 教授) および共同研究者らによる先駆的なヒト腸内細菌叢の研究より生みだされたものです。

* バクテリオファージ
細菌に感染するウイルスの総称。感染すると細菌内で増殖し、最終的には完全に溶菌させて宿主細菌を死滅させる種類のものもあり、これを細菌感染症の治療薬として応用するのがファージセラピーである。