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JSR、バイオプロセス材料事業を拡充
~Natrix Separations社に精製技術に関する戦略的投資実施、販売代理店契約締結~

企業情報 2013年09月11日
JSR株式会社(社長:小柴満信)は、バイオ医薬品精製工程用メンブレン(膜)クロマトグラフィー技術の開発企業であるNatrix Separations(ナトリックス・セパレーションズ)社(本社カナダ オンタリオ州)へ戦略的投資を実行しました。また、両社はNatrix Separations社が開発したメンブレンクロマトグラフィー製品の全世界を対象とした販売代理店契約を締結し、JSRグループ企業であるJSRライフサイエンス株式会社及びJSR Micro, Inc.、JSR Micro N.V.のライフサイエンス事業部門を通じて、グローバルにNatrix Separations社の製品を供給します。

JSRグループは、今回の提携によりNatrix Separations社のメンブレンクロマトグラフィー技術をベースとした製品Natriflo™(ナトリフロー)の取り扱いを開始することで、昨年上市したAmsphere™Protein A(アムスフェア プロテインA)を含むJSRのバイオプロセス材料の展開が強化され、バイオ医薬品の精製ニーズにより広く応えられるようになります。

Natrix Separations社のメンブレンクロマトグラフィー技術は、従来からある樹脂ベースの精製カラムを上回る捕捉能力を備えています。また、メンブレンクロマトグラフィー特有の高速処理能力も持ち併せており、フロースルー*1及び捕捉-溶出*2の双方の精製工程に適用できます。JSR グループとNatrix Separations社は、まず、フロースルーモードに使用されるNatriflo™を2013年9月に上市します。Natriflo™は、非常に優れた高速処理能力及び精製処理能力を持ち、業界トップクラスのHCP*3除去、DNA除去、そしてウィルス除去能力を有します。
*1;フロースルー精製; メンブレン(膜)上で不純物を吸着させ除去する精製方法
*2;捕捉-溶出精製; 目的物をメンブレンに一旦吸着させた後に必要成分のみを溶出させる精製方法
*3;HCP; 培養細胞由来の不要なたんぱく質

JSR株式会社社長小柴満信より
「Natrix Separations社とこの戦略的パートナーシップを実現できたことを大変光栄に思っております。Natrix Separations社は過去10年に亘り、メンブレンクロマトグラフィーに関する独自技術を開発し、その有効性を証明してきました。また、この度Natrix Separations社の製品をJSRのバイオプロセス材料製品群に新たに加えることにより、JSRはバイオ医薬品製造企業へ、より完成度の高い精製ユニットプロセスを提供することができます。」

Natrix Separations社長John Chickosky(ジョン・チェカウスキー)より
「Natrix Separations社の技術により、バイオ医薬品の研究者や製造企業は精製工程において低コストで高い生産性を実現することができます。そして、既に世界中の顧客からNatrix Separations社の技術により、バイオ医薬品精製工程を単純化でき、また、多種に亘る精製方法へ柔軟に適用できることに対し、大きな関心を寄せて頂いております。JSRグループは、グローバル展開力を有し、世界中の顧客ニーズへ応える為の最適なパートナーと思います。今回のJSRとの戦略的パートナーシップにより我々の製品を広く市場に供給できることを大変うれしく思います。」

<Natrix Separations社とは>
カナダ オンタリオ州バーリントンに本拠地を置く、バイオ医薬品精製に特化したメンブレンクロマトグラフィー技術の開発企業。Natrix Separations社製品は、従来のクロマトグラフィー工程では実現できない生産効率性、スピード、柔軟な適用性をバイオ医薬品精製企業に提供することができます。Natrix Separations社の製品は、精製の規模を問わず研究開発用途から商業生産用途まで幅広く使用することができます。