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JSR、バイオ医薬品精製技術に関する戦略的投資を実施
~次世代バイオ医薬品製造に対応した効率的な新規プロセスソリューションを提供~

企業情報 2013年02月14日
JSR株式会社(社長:小柴満信)は、バイオ医薬品精製プロセス技術の企業であるChromaCon® (クロマコン)社(本社:スイス・チューリッヒ)への投資を行い、戦略的パートナーシップを締結したことを報告いたします。両社は、この戦略的パートナーシップを通じて、ChromaCon社が保有する効率の良い精製プロセス技術と当社のメディカル材料技術を融合し、革新的な精製技術・装置をバイオ医薬品製造のグローバル市場に対して提供してまいります。

バイオ医薬品製造における精製プロセスでは、必要な成分を不純物から分離するためにクロマトグラフィー技術が使用されます。高度化する次世代のバイオ医薬品製造では、この精製をより高純度にかつ効率よく行うための技術が常に求められています。当社は、今回の戦略的投資を通じて、抗体医薬製造の精製工程に用いられる自社製品のプロテインA担体「Amsphere™ Protein A」を起点とし、連続クロマトグラフィープロセスに対応する新しい技術を展開してまいります。

ChromaCon社は、チューリッヒ工科大学(the Swiss Federal Institute of Technology Zurich)で開発された革新的な連続クロマトグラフィープロセス技術であるMCSGPプロセスの独占的ライセンスを受け、それに従来からのSMBプロセスを統合した装置プラットフォーム「Contichrom®」の開発に成功しました。
MCSGP(Multicolumn Countercurrent Solvent Gradient Purification)プロセスは、既存の精製プロセスでは分離できない生成混合物をより高純度かつ高効率に分離することを可能にします。JSRはJSRライフサイエンス社を通じて、このMCSGPプロセスに最適化された精製用媒体を開発・提供し、Contichrom®プラットフォームとあわせて、現在では困難と言われている次世代バイオ医薬やその原料の精製ソリューションをバイオ医薬品業界へ提供してまいります。
一方、SMB(Simulated Moving Bed=擬似移動床法)に関して、ChromaCon社は抗体医薬精製向けSMBプロセス技術として「CaptureSMB®」を開発・保有しています。Contichrom®プラットフォームに組み込まれたCaptureSMB®技術に JSRライフサイエンス社の精製用担体である Amsphere™ Protein A を組み合わせることで、JSRは、バイオ医薬品業界に対して、コスト低減ソリューションを提供してまいります。

バイオ医薬業界では、次世代バイオ医薬品や大型抗体医薬の特許切れを睨んだジェネリック版抗体医薬品を展開するため、新規抗体や少量多品種に対応できる効率の良い精製プロセスに対するニーズが高まっています。JSRグループは、JSRライフサイエンス株式会社を中核として欧米およびアジア(中国・韓国)の事業拠点が連携し、グローバルなサポート体制を整えております。今後も、次世代医薬品に対応したより効率的なプロセスや材料技術を獲得し市場ニーズに対応してまいります。

About ChromaCon
ChromaCon社は、チューリッヒ工科大学よりスピンオフした、スイスのチューリッヒに所在する世界で唯一MCSGPプロセス技術を所有する医薬品精製技術メーカーで、独自の技術により開発した効率的なクロマトグラフィープロセスをバイオ医薬品メーカーに提供しています。詳細は、www.chromacon.ch