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JSR、遮熱効果の持続性を向上させる遮熱塗料向け材料
フッ素・アクリル複合エマルジョン「SIFCLEAR(シフクリア)*1」を上市

製品情報 2011年06月13日
 JSR株式会社(社長:小柴満信)は、遮熱塗料向け材料として、フッ化ビニリデン系ポリマーとアクリルポリマーを分子レベルで相溶化させたフッ素・アクリル複合水系エマルジョン「SIFCLEAR(シフクリア)™ 」を上市しました。
 本製品を使用した塗料は、高い耐候性、耐汚染性とともに、長期間の屋外使用により付着した表面の汚れも、雨水などで簡単に落ちるという特性を有しています。これにより、塗工表面の汚染によって起こる熱線反射効果の低下を防ぐことができ、遮熱塗料としての効果が持続します。
 従来の遮熱塗料では3ヶ月間屋外に放置した後の塗工表面の近赤外光反射率が15%以上低下するのに対して、わずか3%程度の低下に抑えることができました。

 現在、省エネルギー化に向けた取り組みが急がれる中、太陽光線による建物内の温度上昇を抑制する遮熱塗料が注目されています。当社は本製品を、遮熱塗料の性能向上を実現する材料として提供することで、空調のコスト削減やCO2削減、環境負荷低減に貢献して参ります。

 本製品は、当社の持つエマルジョンの技術とポリマーアロイ化の技術を活用し、フッ素系ポリマーとアクリル系ポリマーをバランスよく相溶化させたものです。フッ素系のポリマーが持つ耐久性に加えて、アクリル系ポリマーを相溶させることで材料自体の疎水性と親水性のバランスをコントロールすることにより、高い耐候性に加え、優れた耐汚染性と簡単に汚れを落とすことが出来る塗工表面性能を実現させたものです。また、従来のフッ素エマルジョン系材料に比べて、塗料にしたときの塗膜形成性能が良好で、比較的低い温度での塗膜形成も可能となります。

 当社は、このフッ素系製品に加えて、いままで培ってきたゾルゲル技術と独自の乳化重合技術を用い、ポリシロキサンとアクリルポリマーとを複合化した水系1液タイプのエマルジョンも上市しています。この製品もエマルジョンとしての安定性があるため使い勝手がよく、成膜すると強固なシロキサン結合により、優れた耐候性・耐汚染性を発揮することから、セメント系建材の耐候コーティング材用途に幅広く展開しています。

 当社は、2011年度より中期経営計画「JSR20i3」の中で戦略事業として定義している環境・エネルギー分野の確実な立ち上げを目指して参ります。

*1「SIFCLEAR」、「シフクリア」はJSR株式会社により商標出願中です。