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JSRとIBM、微細加工向け誘導自己組織化技術の開発
~国際会議「SPIE Advanced Lithography 2011」で発表~

企業情報 2011年03月02日
 JSR株式会社(社長:小柴満信)と子会社のJSR Micro, Inc. (本社:米国カリフォルニア州、社長:エリック・ジョンソン)は、IBMのアルマデン研究所(米国カリフォルニア州)との共同研究により、20ナノメートル世代以降向けとして、新しい誘導自己組織化材料技術(DSA: Directed Self Assembly)を開発しました。ArFレジストの微細パターンにJSRが開発した誘導自己組織化材料を適用する技術であり、本技術の詳細は、2011年2月27日から米国カリフォルニア州サンノゼ市で開催している半導体製造のリソグラフィ技術に関する国際会議「SPIE Advanced Lithography 2011」で発表しました。 発表日は、3月1日です。

 誘導自己組織化材料(DSA: Directed Self Assembly)は、微細加工をする際に、光によるリソグラフィを用いる事無く、材料の物性、組成をコントロールする事で、形成するパターンの位置、寸法、形状制御を行う方法であり、微細化を促進することに加えてコスト面でも有望視されている技術です。JSRは独自の高分子技術を応用し、異種ポリマーの相溶性とリソグラフィ材料技術の組み合わせを行うことによる微細なパターン形成に取り組んできており、22ナノメートルハーフピッチのパターン形成に成功しました。今回の発表は、この技術に関する詳細にわたる内容となります。
 今後、誘導自己組織化材料を適用した本技術は、様々な用途にむけて、EUVリソグラフィなど他のパターニング技術とともに10ナノメートル世代以降の微細化を可能にするものです。

 半導体は、スマートフォンやタブレット型PCなどのモバイルデジタル機器の普及に伴う、音楽、動画、写真などの大容量コンテンツの高速データ処理の必要性から、高性能化、省電力化が今後より一層求められます。これらの要求を満たすためには、半導体の微細化が不可欠ですが、微細パターンを形成するためのプロセスコストは、微細化が進む程極端に上昇していきます。自己組織化材料は、特殊なリソグラフィ技術を用いる事無く、微細加工が可能となることから、プロセスコストの大幅な削減が期待できるという面を持ち合わせています。

 当社は、独自開発した様々な高分子技術を応用することで、ArF延命に向けたダブルパターニング材料、EUVリソグラフィ材料の開発、そして今回発表となる自己組織化材料の開発を精力的に進めるとともに、高密度実装材料やCMP材料など、半導体製造に必須な最先端材料の総合的な開発を進め、高品質で高性能な製品群を世界中のお客様に提供してまいります。