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年頭のごあいさつ

企業情報 2011年01月05日
 新年おめでとうございます。
 2010年代は「不確実性」と「多様化」の二つのキーワードで表現されます。
 2010年度は、第3四半期に入り、米国の金融緩和と欧州の財政規律強化が、不安定な経済情勢を招き、地政学的なリスクも顕在化しました。当社におきましても、上期にはリーマンショック後の世界的な景気刺激策の順風を受けたものの、夏以降はLCDパネルや自動車の生産調整、さらには円高への対応が必要となっております。
 また昨年は、メキシコで地球温暖化問題に関するCOP16、名古屋では生物多様性を議論するCOP10が開かれ、CO2排出の問題や生物多様性について、企業の社会的責任として考慮すべき方向に世界は進んでおります。
 2011年もまさに「不確実性」と「多様化」の中の一年になるものと思われます。

 不安定な事業環境は、一方で販売シェアの獲得や新しい市場、分野、地域への参入の機会であり、多様化の中、この後に必ずやってくる新しい成長のための布石を打つ絶好の機会です。当社は本年も引き続き、将来の成長に向けて、全事業領域での成長シナリオの実践に取り組んで参ります。
 石油化学系事業におきましては、低燃費タイヤ需要の高まりを捉えた、四日市工場における溶液重合SBRの二万五千トンの能力増強がこの11月に完了予定です。欧州での三万トンの引取権と合わせて合計九万トンの生産能力となり、旺盛な需要に対応して参ります。
 半導体事業につきましては、線幅三十ナノメートルハーフピッチ以下の超微細半導体開発が佳境に入る中、フォトレジストや多層材料、CMP材料、実装材料などの最先端分野で事業拡大を図ります。
 ディスプレイ材料事業では、タブレット型PC、スマートフォンが急拡大している中、タッチパネルを構成する材料・部材や有機ELディスプレイ用の材料、超薄膜の位相差フィルムなどへの事業拡大のチャンスがあると考えております。また、3Dテレビ向けの新技術の研究開発にも引き続き取り組んでまいります。
 戦略事業と位置づける精密材料・加工、環境・エネルギー、メディカル材料分野におきましては、社会に貢献できる材料の開発を目指し、経営資源を積極的に投入して参ります。

 本年四月には、2020年のありたい姿を目指して、新しい中期経営計画を始動する予定です。
 当社は現行の中期経営計画「JUMP2010」において、組織をスリム化し景気変動に耐えうる収益構造を構築するとともに、環境指向、新興国での事業機会増加、人材のダイバーシティ推進など、「不確実性」と「多様化」の時代に向けた事業構造改革に取り組んで参りました。
 新中期経営計画では、これまでの成果をベースに、環境経営などの新しい価値観や、今後成長が見込まれるヘルスケアなどの市場での事業機会を追求し、次世代事業の創出に取り組む所存です。
 また、企業活動を新規分野、新興市場などに拡張していくには、人材の「多様化」が必須です。企業活動の源泉である「個人」のもつ多様性を尊重する風土を作り上げてゆきたいと考えております。
 本年も何卒、倍旧のご指導ご鞭撻のほど宜しくお願い申し上げます。